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mai_8140
【掌編小説】修理屋
俺は修理屋だ。
大きな傷には、丈夫な素材をふんだんに
使い、トンテンカンテン。
小さな傷には、繊細な素材をそっと使い、
ぺたぺたちくちく。
やりがいのある仕事だと、自分でも思う。
ところがある日、傷がどんどん増え始めた。
ひとりでは、修理の手が追いつかない。
なんてこった。
自慢じゃないが、仕事の手は早い方だと
思っていた。
それが、こんなにも無力だなんて。
俺は、途方に暮れた。
それでも、治してはまた現れる傷を、
何度も治す。
今日もまた、新たな傷がひとつ。
大丈夫だ。
俺が治してやる。
大丈夫だ。
「あれ…今日はなんか、心が軽い気がする」
外の世界で、彼女はそっと微笑んだ。
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「不運だけど不幸じゃない」をテーマに、頭の中の考えや記憶、気持ちなどをぽこぽこと形にしています。ひとりじゃないんだなと思っていただけたら嬉しいです!