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国語の力を「読解力」と「記述力」に分けて考える

国語は、何をすれば伸びるのかが分かりにくい教科です。

「本を読む」「語彙を増やす」「記述問題を解く」など、必要そうな取り組みはいくつもあります。

しかし、それぞれがどのような力を伸ばし、どう点数につながるのかは、算数などと比べて見えにくいと感じます。また、国語には子どもの経験や精神的な成長も影響するため、どの取り組みが成果につながったのかも分かりにくいです。我が家でも、国語の点数が安定せず、取り組みの成果を実感しにくい時期が続きました。

そこで、取り組みの効果を漠然と考えるのではなく、これまでに間違えた問題を手掛かりに、どの段階でつまずいていたのかを確認することにしました。そのうえで、国語に必要な力を細かく分けて考えるようにしました。その結果、間違えた原因と、次に必要な対策を見つけやすくなりました。

この記事では、主に小学校高学年の読解問題を想定し、我が家で考えた国語に必要な力とその対策を整理します。

※自分の考えや経験を書く作文には、自分の中にあるものを言葉にする「言語化する力」も必要です。今回は、本文を根拠に答える読解問題で必要な「読解力」と「記述力」を中心に整理します。作文については、また別の記事にまとめたいと思います。


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国語に必要な力の全体像

国語の読解問題に必要な力は、大きく「読解力」と「記述力」に分けられると考えています。

読解力

文章に書かれている内容を正確に理解する力を「読解力」と捉え、我が家では以下のような力に分類しました。

  • 語彙力

  • 論理力①:文や段落の関係

  • 論理力②:文章全体の構成

  • 読解速度

記述力

読み取った内容を設問が求める形にまとめる力を「記述力」と捉え、我が家では以下のような項目に分類しました。(特に、論理力について細分化しました。)

  • 語彙力(読解力にも記載していますが、記述力にも必要です)

  • 論理力③:設問の理解

  • 論理力④:必要な要素の選択

  • 論理力⑤:要素のつなぎ方

  • 論理力⑥:文法的に正しい文

  • 要約力

図にまとめると下記のようになります(AIに生成してもらいました)。
以降は、この分類に沿って説明していきます。画像はダウンロードしていただいて問題ありませんので、必要に応じて参照しながら読み進めていただければと思います。

読解力と記述力の分類

もちろん、読解力と記述力は、完全に切り離された力ではありません。

本文を読むときには、

  • 何が原因で、どのような結果になったのか

  • 何と何が対比されているのか

  • 具体例によって何を説明しているのか

  • どの出来事が心情の変化につながったのか

といった、文章中にすでにある関係を捉えます。これが「読むための論理力」と考えています。

一方、記述では、本文から読み取った要素を並べ直し、原因と結果や、出来事と心情の関係が伝わるように文章を組み立てます。

つまり、読むときに捉えた関係を自分で再構成する力が「書くための論理力」と考えています。

その意味では、読むための論理力が土台であり、書くための論理力はその応用だと考えています。

これは、漢字の「読み」と「書き」の関係に似ています。

読めず、意味も分からない漢字を、最初から正しく書くのは難しいですよね。まず読み方や意味、使われ方を知り、繰り返し触れることで、少しずつ書けるようになります。

国語の読解と記述も同じだと考えています。

まず文章を読み、言葉の意味や、原因と結果、出来事と心情などの関係を理解する。そのうえで、読み取った内容を設問に合わせて選び直し、自分の文章として組み立てます。

そのため、まず身につけたいのは読解力だと考えています。

間違え方から弱点を見つける

子供の国語の結果を分析してみて、どの力でつまずいているかによって必要な対策が異なる点は、ほかの教科と同じだと思いました。ただ、国語は、つまずきの原因や対策を言語化しにくいのだと思います。我が家では、以下のような間違え方がありました。

  1. 本文中の言葉の意味をよく聞く

  2. 一文ずつ読めるが、全体の主張が分からない

  3. 本文は理解できるが、設問の選択肢を理解できず選択肢を間違える

  4. 心情を想像だけで答える

  5. 本文の内容を口でも説明できない

  6. 本文の内容を口では説明できるが、文章にできない

  7. 答えが短く、部分点しかとれない

  8. 関係のないことまで長く書く

  9. 時間内に終わらない

この間違え方を先ほど整理した項目を考えられる課題として図のように分類しました。

間違え方とその対策

たとえば、「よくある間違え方:5. 本文の内容を口でも説明できない」場合には、記述以前に、「読解力の論理力」である「論理力①:文や段落の関係」と「論理力②:文章全体の構成」を確認します。

一方、「よくある間違え方:6. 口で説明できるが、文章にできない」場合には、「記述力の論理力」読み取った要素を選び、並べ直し、文として再構成する段階でつまずいているととらえられます。これは「論理力⑤:要素のつなぎ方」、「論理力⑥:文法的に正しい文」の可能性があります。

間違えた原因を一段階細かく見ることが、次の学習につながると思います。

我が家で取り組んだこと

ここからは、先ほど整理した読解力と記述力の分類に対応させながら、我が家で取り組んできたことを書きます。

実際の問題では、複数の力を同時に使います。そのため、完全に一つずつ切り分けられるわけではありませんが、主にどの力を伸ばす取り組みなのかを意識して整理しました。

なお、読みやすさを考え、先ほどの分類とは少し順番を変えて、語彙力→論理力→要約力→読解速度の順に記載します。


語彙力

語彙力は、文章や選択肢に使われている言葉の意味を理解し、場面に合った意味を判断する力です。

例えば、物語文では、

  • 戸惑う

  • ためらう

  • 気後れする

  • 後ろめたい

  • わだかまりを感じる

といった心情語の違いを理解できるかどうかが、読解の正確さに関わります。

また、語彙力は読むときだけでなく、記述で心情や状況を正確に表すときにも使います。

読書によって自然に増える語彙もあります。

一方で、意味を曖昧なまま読み飛ばしたり、文脈から推測しただけで正確な意味を確認しなかったりすることもあります。また、必要な語彙にいつ出会えるかも分かりません。

そのため、我が家では読書とは別に、語彙教材を使うようにしました。

…実は、最初から語彙対策をしていたわけではありません。学習を進める中で、「もしかすると語彙力が足りていないのではないか」と気づき、個別に対策を始めました。すると、予想していた以上に効果を感じました。

息子は読書が好きで、普段からよく本を読んでいたため、語彙力には問題がないと思っていました。しかし、文脈から何となく意味を推測して読み進めている言葉も多く、正確な意味までは身についていなかったようです。

本をよく読む子であっても、語彙力は案外見落としやすい部分なのかもしれません。

我が家で使用したのは、次の教材です。

🌟必須語彙2800
こちらがメインで、机ですぐ手が届く位置に置き、とにかく何度も開くようにしています。

🌟書いて覚える!国語力を伸ばす 語彙1700ノート
文中の穴埋め問題として使える教材を選びました。中学生向けなので、まだ習っていない漢字もありますが、長文読解で見たことのある語彙が多く掲載されています。

以下の教材もおすすめです。
🌟語彙力トレーニング1400+シリーズ
必須語彙2800と同じ著者の教材で、2025年に発売されました。我が家では、発売前にすでに別の語彙教材を購入していたため、こちらは使っていませんが、レイアウトの見やすさや使いやすさを考えると、今から選ぶのであれば、こちらを購入していたと思います。

語彙教材の使い方ですが、最初からすべて使いこなす必要はないと考えています。

  1. 見たことがある

  2. 意味が分かる

  3. 文脈に合う意味を判断できる(ここまでは必須)

  4. 自分でも使える(可能ならここまで)

という段階で身につけていけばよいと思います。

まず「文脈に合う意味を判断できる」ところまでを必須とし、「自分でも使える」は、その先の目標としています。

最初は、言葉と意味を結びつける暗記に近い方法でも構いません。一度見た状態を作っておくと、読書や読解問題の中で再び出会ったときに、その言葉に気づきやすくなります。

あくまで我が家の場合ですが、500語ほどが「3. 文脈に合う意味を判断できる」の状態になったあたりから、物語文の心情理解や選択肢の判断に変化を感じはじめました。

語彙については以下でもご質問いただいておりますので、興味のある方はご参照ください。

語彙の取り組みについて質問させてください。 | キノ子さんの回答|note質問箱


論理力①:文や段落の関係

文と文、段落と段落の間にある関係を捉える力です。

説明文であれば、

  • 原因と結果

  • 主張と理由

  • 対比

  • 言い換え

  • 具体と抽象

などを読み取ります。

物語文では、登場人物の心情を自由に想像するのではなく、

出来事

登場人物の言動

心情や行動の変化

という関係を、本文中の根拠から捉えます。

たとえば、登場人物が「黙ってうつむいた」からといって、必ず悲しんでいるとは限りません。

みんなの前で褒められた直後なら、恥ずかしいのかもしれません。
自分の失敗で友達を困らせたあとなら、後悔している可能性があります。
納得できないことで一方的に叱られたあとなら、怒りを抑えているとも考えられます。
思いがけない質問をされ、どう答えればよいか分からない場面なら、戸惑っているのかもしれません。

このように、同じ「黙ってうつむく」という行動でも、その前後に何が起きたかによって、読み取るべき心情は変わります。

風景描写も、心情や物語の展開を読み取る手掛かりになることがあります。

たとえば、「ひと雨きそうな空」といった不穏な風景は、このあと何かが起こり、物語が動き出すことを予感させる場合があります。

反対に、「空を見上げると、青く澄み渡っていた」という描写は、登場人物の迷いやわだかまりが消え、気持ちが晴れたことを間接的に表している場合があります。

ただし、「曇り空なら不安」「青空なら明るい気持ち」と機械的に判断するわけではありません。前後の出来事や登場人物の言動と結びつけて考える必要があります。

と機械的に判断するわけではありません。前後の出来事や登場人物の言動と結びつけて考える必要があります。

読解問題を確認するときには、正解か不正解かだけでなく、

  • この文は、前の文とどのような関係にあるのか

  • 何と何を比べているのか

  • この具体例は何を説明しているのか

  • どの理由から、どの結論を導いているのか

  • 心情が変わったきっかけは何か

  • どの言葉や行動を根拠にしたのか

と聞くようにしています。

本文中の論理関係を捉えられるようになると、記述でも、

  • 原因と結果をつなぐ

  • 変化前と変化後を並べる

  • 主張と理由を組み合わせる

といった形で応用しやすくなります。


論理力②:文章全体の構成

一文ずつの意味だけでなく、文章全体がどのような流れになっているかを捉える力です。

説明文では、

問題提起

理由や具体例

筆者の結論

という流れを整理します。

物語文では、

最初の状況や心情

変化のきっかけとなった出来事

変化後の心情や行動

という流れを確認します。

こういった文や段落の関係を理解できても、文章全体が何について書かれたものなのかを説明できないことがあります。

そこで、読解問題を解いたあとに、文章全体を一文で説明してもらうことがあります。

物語文なら、

誰が、どのような出来事をきっかけに、どう変化した話か。

説明文なら、

筆者が、何について、どのような主張をした文章か。

を短く説明します。

文章全体を一文で説明するためには、

  • 文章の中心と補足を区別する

  • 主張と具体例を区別する

  • 出来事や心情の変化を整理する

  • 複数の段落を一つの流れとして捉える

必要があります。

文章全体を整理して読めるようになると、細部を一つずつ覚えようとする必要がなくなります。

その結果、重要な部分と補足的な部分を区別しやすくなり、要約や記述にもつながります。


論理力③:設問の理解

設問が何を求めているのかを理解し、答えの方向を決める力です。

記述問題では、本文を探し始める前に、設問が何を求めているかを確認します。問題を解いたあとに、

  • この問題は何を聞いていたのか

  • 答えの最後は、どのような形になるのか

を言葉にしてもらいます。

たとえば、

  • 「なぜですか」なら理由

  • 「どのような気持ちですか」なら心情

  • 「どういうことですか」なら傍線部の言い換え

  • 「どのように変化しましたか」なら変化前と変化後

と、設問の型と答え方を対応させます。当たり前のことと思うかもしれませんが、設問が長くなると急に見失うことがあります。

最初のうちは、設問の横に、

理由/心情/言い換え/変化

と短く書くだけでもよいと思います。

設問を読んですぐに本文を探すのではなく、何を探すのかを決めてから本文に戻ることで、必要な箇所を見つけやすくなります。


論理力④:必要な要素の選択

設問に答えるために必要な情報を本文から選ぶ力です。

記述問題の解き直しでは、模範解答をそのまま写すのではなく、答えに必要だった要素を分けます。

たとえば、模範解答が、

友達から本当の事情を聞き、自分が誤解していたことに気づいたため、安心した。

なら、

  • 友達から本当の事情を聞いた

  • 自分の誤解に気づいた

  • 安心した

という三つの要素に分けます。

そのうえで、

  • 自分の答えに入っていた要素

  • 抜けていた要素

  • 設問に必要なかった内容

を確認します。

記述は、正解か不正解かだけで見るよりも、必要な要素のうち何が書けたかを見るほうが、次に直すべき点が分かります。

解き直しでは、模写も有効なのですが、可能なら自分の回答に抜けていた要素を加えて、自分の答えを書き直します。


論理力⑤:要素のつなぎ方

本文から選んだ要素を、原因と結果などの関係が伝わるように並べ直す力です。

必要な要素を見つけても、すぐに一文にできない場合は、先に箇条書きにします。

たとえば、

  • 友達から事情を聞いた

  • 自分の誤解に気づいた

  • 安心した

と書き出したあと、

友達から事情を聞き、自分が誤解していたと気づいたため、安心した。

と一文にします。

いきなり完成した文章を書こうとすると、必要な要素を忘れたり、因果関係が崩れたりしやすくなります。

特に長い記述では、

  1. 要素を探す(本文中に〇をつける、線を引くなど)

  2. 順番を決める

  3. 原因と結果をつなぐ

  4. 一文にする

  5. 字数を整える

と作業を分けると、取り組みやすくなります。また、いきなり書き出すのではなく、本文中に印をつけた箇所の文字数を数えてから記載していきます。

読む段階で見つけた論理関係を、この作業によって自分の文章に組み替えていきます。


論理力⑥:文法的に正しい文

主語と述語、修飾関係、指示語などを整え、意味が正確に伝わる文を書く力です。論理力を6つあげていますが、最も難易度が高いと考えています。

必要な内容が入っていても、文法的に不自然だと、意味が正確に伝わりません。

たとえば、

友達から本当のことを聞いて、誤解していたので安心したから。

という文では、

  • 誰が誤解していたのか

  • 何を誤解していたのか

  • 本当のことを聞いて、どうなったのか(「ので」と「から」がどの内容につながっているのか)

が少し曖昧です。

これを、

主人公は、友達から本当の事情を聞き、自分が誤解していたと分かったため、安心した。

とすれば、誰の認識がどのように変化し、その結果どのような気持ちになったのかが明確になります。

主語・述語、修飾語、接続語、指示語などは、知識問題に正解するだけでは十分ではありません。

自分が書いた記述を見直すときに使えることが目標です。

我が家では、記述を読んで不自然な部分があっても、すぐに親が直すのではなく、

  • 誰が誤解していたのか

  • この「それ」は何を指しているのか

  • 安心した理由はどこまでか

  • この主語に対応する述語はどれか

と問い返し、本人に直してもらうようにしています。

誤りを指摘して完成した文を教えるよりも、どこがおかしいかに本人が気づき、自分で修正するほうが、次の記述につながりやすいと感じます。

自分では不自然さに気づけない場合は、書いた答えを声に出して読むのも有効です。

途中で息が続かない文、同じ言葉が何度も出てくる文、誰の行動か分からなくなる文は、音読すると違和感に気づきやすくなります。


論理力を伸ばすのにおすすめの教材

論理を個別に学ぶ教材としては、出口式やふくしま式のように、言い換え、対比、因果関係などを取り出して練習する教材があります。

「出口式とふくしま式のどちらから取り組むか」と聞かれたら、まずは出口式を見てみることをおすすめします。

🌟はじめての論理国語
まず該当の学年のものを見て、苦戦しそうであれば1つ下の学年のものを、余裕がありそうなら上の学年のものをやるのが良いと思います。そこそこの量があるので継続できるようにするのが大事だと思います。

(小1から小3までは2024年に改訂版が出ています)

🌟ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集
ステップ学習になっているので夏休みなどのタイミングで終わらせることをおすすめします。

出口式、福島式どちらも合わない場合、少し古い教材ですが「子どものための論理トレーニング・プリント」もおすすめです。

説明、描写、文章構成などを通して、筋道を立てて伝える力を練習する教材です。読解問題だけでは確認しにくい論理関係を、個別に取り出して学ぶことができます。

🌟こども超読解力 かなりやさしめ
3、4年生の導入はこちらもおすすめです。段階を追って学べる内容になっています。
「かなりやさしめ」とありますが、子供向けという意味で「かなりやさしめ」としているのだと思います。(そんなに易しくないです)


🌟ヨミトキ
文章を途中で切って「このあとどうなるか想像しましょう」といった問題構成になっています。我が家では数問は家族でやって言語化の練習をしました。読解力の論理力を向上させるのに適切な教材だと思います。
2026年7月現在、全部で3冊出ています。


具体と抽象の練習ですが、もしも、もっとやりたい場合は以下がおすすめです。読み物になっているので本好きな子は読みやすいと思います。

🌟13歳から鍛える具体と抽象
「具体⇔抽象」トレーニングで知られる細谷功先生が、子ども向けに書いた本です。中学生向けではあるのですが、身近なものを具体例にして抽象的な考えと行ったり来たりするので小学校高学年でも読めると思います。
机の上の勉強だけでなく、人とのコミュニケーションにも役立つ本です。


要約力

要約力は、必要な要素を残しながら、重複や不要な情報を削り、指定された字数に収める力です。

字数内にまとめるには、いきなり短く書こうとするのではなく、まず「論理力④:必要な要素の選択」の必要な要素をそろえることを優先します。

要素をそろえたあとで、

  • 重複している表現を削る

  • 具体例を短くする

  • 同じ意味の言葉を一つにまとめる

  • なくても意味が変わらない部分を省く

という順番で整えます。

たとえば、

自分の行動は悪い行動だったと思って、後悔した。

であれば、「悪いと思った」と「後悔した」の意味が重なるため、

自分の行動を後悔した。

とまとめられます。

逆に、字数が余っている場合には、言葉を無理に増やすのではなく、答えに必要な要素が抜けていないかを確認します。

要約する力との関係
文章全体を要約するためには、まず、「論理力②:文章全体の構成」が必要です。具体的には、

  • 主張と具体例を区別する

  • 重要な部分と補足的な部分を判断する

といった読解力が求められます。

そのうえで、「論理力④:必要な要素の選択」で必要な要素だけを選び、簡潔な文章に再構成します。

つまり要約も、

読む段階で重要な内容を判断する

書く段階で短く組み直す

という、読解と記述の両方を使う作業です。

要約についてもっと段階的にできる問題集ですが、以下をおすすめします。

🌟ふくしま式「本当の要約力」が身につく問題集
一文を要約する練習から始まり、短文(50〜200字程度)、長文(300〜2000字程度)を要約する練習へと進みます。具体的な内容をまとめ、より抽象的な表現に置き換える練習にも取り組めます。
これまでに紹介した、文章の構成を捉える力や、必要な要素を選ぶ力をある程度身につけている必要があるため、難易度はやや高めだと思います。

この教材に取り組んだあとは、通常の読解問題を解いたあとに、

  1. 各段落を一文でまとめる

  2. 文章全体を一文でまとめる

  3. 100字程度でまとめる

  4. さらに50字程度に縮める

といった方法で、練習できます。字数を段階的に減らすことで、どの情報を残し、どの情報を削るべきかを考える練習になります。

ただし、毎回行うと負担が大きいため、我が家では、

  • 文章全体の構成をうまく捉えられなかったとき

  • 記述に不要な情報を多く入れてしまったとき

  • 筆者の主張と具体例を混同したとき

などに行っています。


読解速度

最後に、読解速度について書きます。

読解速度とは、正確さを保ちながら、必要な時間内に文章を読む力です。ただし、独立した力というより、語彙力や論理力が身についた結果として上がる面も大きいため、ほかの力とは少し分けて考えています。

本文を読むのに時間がかかる場合には、単純に文字を追う速度が遅いのではなく、語彙力や論理力に課題がある可能性もあります。

特に、説明文で求められる語彙と、物語文で求められる心情語は異なります。

どこまでを語彙力と呼ぶかは悩ましいところですが、我が家では、難解な説明文を読めない原因が、論理力ではなく、単純に言葉や概念を知らないことだったケースも多くありました。

語彙や文章構造の理解が定着し、文章全体を整理しながら読めるようになると、結果として読む速度も上がりやすくなります。

本人にとって少しだけ難しい読解問題を継続して解き、正答率を保ちながら、少しずつ読む時間を短くしていくのがよいと考えています。

補足:問題を解く速度に時間がかかっている場合

本文を読む速度ではなく、選択肢の検討や記述に時間がかかっている場合もあります。

選択肢で迷う場合には、本文と選択肢を照合する力、選択肢に使われている「語彙力」、設問を正確に捉える力「論理力③:設問の理解」に課題がある可能性があります。

記述に時間がかかる場合には、記述力の分類のどの作業に時間がかかっているかを確認します。


読解力と記述力を身につけるおすすめ問題集

論理教材で学んだ、

  • 対比

  • 因果関係

  • 言い換え

  • 具体と抽象

など、通常の読解問題の中で見つけて使う練習も必要です。

我が家では、論理を学ぶ教材と、文章全体を読む通常の読解問題を並行して進めていました。文章量が短い順に紹介します。

🌟国語の読解力・記述力がみるみる伸びる問題集

記述問題に苦手意識があり、何を書けばよいか分からない場合の入り口として使いやすいと思います。通常の読解教材よりも、読解と記述の手順を意識して練習したい場合に向いていると思います。


🌟論理エンジン
長めの文章で力をつけていきたいなら論理エンジンがおすすめです。題材には、一度は読んでおきたい作品や文章も多く使われています。こちらを利用する場合は、解説は充実しているのですが長いため、低学年のうちは親のサポートも必要だと思います。また、はじめての論理国である程度の論理力を身につけた後の方が効率よく利用できると思います。


🌟Z会グレードアップ問題集 国語
読解だけでなく、語句や文法も含めて取り組めます。中学受験教材に入る前の基礎固めや、読解と国語知識をバランスよく扱いたい場合に使いやすい教材です。
4年生までは「読解」と「漢字・ことば」の2冊に分かれています。5年生からは1冊のみになります。

🌟予習シリーズ 国語

中学受験レベルの長めの文章を読み、選択問題と記述問題の両方に取り組めます。読解から記述までを一連の流れで練習する、中心教材として使いやすいと思います。
予習シリーズの買い方や使い方のnoteは下記でもまとめています。

教材によって難易度や目的は異なりますが、問題数をこなすことよりも、

  • なぜこの要素が必要なのか

  • なぜこの順番で書くのか

  • 自分の答えには何が足りなかったのか

まで確認することを重視しています。

そのほか、少しテクニック寄りではありますが、読解問題の読み方や答え方を整理するのに役立つ教材を少し紹介します。子ども向けの本ですが、親が先に読んでおくと、家庭で解き直しをするときの声のかけ方や説明の仕方も考えやすくなると思います。

🌟塾技100
こちらも「中学受験国語の必須語彙2800」の著者の本です。
ひとことで紹介すると中学入試の総合的な攻略本だと思います。中学入試の国語で必要となる「読み方」「解き方」「知識」を、100のポイントに整理した教材です。見開きごとに一つの「塾技」がまとまっており、苦手な問題や必要な項目を選んで学ぶこともできます。入試問題を使った演習も収録されているため、読解の考え方を学ぶだけでなく、実際の問題で使うところまで練習できます。
子どもには少し難しい部分もありますが、親が読解問題を教える際の参考書としても使いやすいと思います。


🌟国語「解答力」 答えを導き出し正しく伝えるコツがわかる本
文章を読む力だけでなく、設問の意図を捉え、求められている形で答える「解答力」に焦点を当てた本です。
設問の読み方、選択問題の考え方、説明文や物語文の読み方、記述や要約のまとめ方などが、61の「オキテ」として紹介されています。記述問題の答え方を整理したい子どもだけでなく、家庭で国語の学習をサポートする親が、解き方や考え方を理解するために読むのにも役立つと思います。


🌟全教科対応! 読める・わかる・解ける 超読解力ドリル
文章の構造や言葉同士の関係を捉え、内容を正確に読む力を練習できます。国語だけでなく、算数・理科・社会の問題文を読む力にもつながります。
親が読むことで、「子どもが文章のどこを読み違えているのか」「指示語、因果関係、文の構造のどこまで戻って確認すればよいのか」を考える材料にもなります。読解問題を教える側の視点を増やす本としても役立つと思います。


教材を増やす前に確認したいこと

国語は、複数の力を同時に使う教科です。

そのため、一つの読解問題集だけですべてを改善するのは難しい場合があります。

文章を読めていない原因が「語彙力」なら、長文読解を増やすより、語彙教材に取り組んだほうが改善しやすいかもしれません。

本文中の文や段落の関係を読み取れていないなら「論理力①:文や段落の関係」、文章全体の主張や展開を捉えられていないなら「論理力②:文章全体の構成」を補います。

時間内に終わらない場合には、単純にの「読解速度」だけが原因とは限りません。

  • 本文を読むのに時間がかかっているのか

  • 選択肢で迷っているのか

  • 記述を書くのに時間がかかっているのか

を分けて確認します。

本文を理解できているのに記述で点が取れないなら、

のどこに原因があるのかを確認します。

我が家では、通常の読解演習を中心にしながら、分類した力のうち、不足している力を個別の教材や解き直しで補ってきました。

国語は、取り組んですぐに成果が見える教科ではありません。また、ある程度の演習量も必要だと思います。

一方で、長文読解の教材を増やすだけでは、同じ間違いを繰り返してしまうことがあります。

まず、文章に書かれている言葉や論理を読み取る。

次に、読み取った内容を、設問に合わせて自分で組み直す。

新しい教材を増やす前に、まずは間違えた理由を一つずつ確認し、その原因に合った対策をする。

それが、国語の力を伸ばすための出発点になると考えています。

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