新しい離婚の形:同居離婚はアリなのか?
女優の加藤ローサさんが、離婚後も元夫 元サッカー日本代表の松井大輔氏と離婚後も同居生活を続けていることをカミングアウトし、新しい離婚の形だと世間を賑やかしている。
離婚経験者からすると、この「離婚後も同居を継続」というスタイルがしっくりとこない。民法752条は、「夫婦は同居し、互に協力し扶助しなければならない。」 と定めており、夫婦において同居義務が発生する。もちろん、単身赴任、週末婚、別居婚、など当事者同士が納得すれば必ずしも同居しなければいけないわけではない。しかし、多数の人にとって夫婦=同居、離婚=別居、というイメージが強いだろう。
そもそも円満に同居生活ができるのであれば、離婚を選択する夫婦は少ないだろう。まして子供がいれば、子供が成人(又は家を出るまで)するまで夫婦関係を継続する人がほとんどだ。
では、どんな人が同居離婚を選ぶのか?!
そして、今後は同居離婚がスタンダードになるのか?
離婚経験者であり・マイルド別居婚の私が考えてみた。
子あり離婚の原因1:子供を守るため
日本では、夫婦間に子供がいる場合の離婚はリスクが高い。
父親側のリスク:離婚原因に関係なく、子供の親権は母親が持つ場合がほとんどだ。離婚の際には合意していた面会交流も、子供が嫌がるから・予定が合わないからなど母親側から拒絶されてしまうとどうしようもない。もちろん、法的な措置を取ることも可能だが、多大な時間やお金が発生するにも関わらず子供との定期的な面会が確約されてる保証はない。養育費を支払い続けているにも関わらず、子供に10年近くも会っていない(会わせてもらえない)男性を何人も知っている。
母親側のリスク:女性の所得は男性よりも低く・父親からの養育費未払率も高い。離婚をすると、経済状況が悪化するため子供の将来の可能性が狭まれてしまう。さらに、未成成年者を養育している女性の正規雇用率は3割前後である。つまり、離婚すると非正規で働きながら子供を養っていなかければならない。厚生労働省が2022年12月に公表した調査データでは、ひとり親世帯の中でも母子家庭に絞ると平均就労年収は236万円(父子家庭は496万円)となっている。さらに養育費を受け取っていないひとり親世帯は、全体の56.9パーセントと半数を超えている。
子の福祉を最優先するのであれば、「子供のために」と離婚を躊躇する夫婦がほとんどである。
しかし、離婚をしないことで子供の福祉が脅かされる可能性が高い場合は離婚を決断することが多い。例えば、父親や母親が子供や配偶者に暴力を振るったり、モラハラ行為を日常茶飯事に行ったり、経済DVや教育虐待などの問題がある場合は、離婚することで子供の心身ともに安全を確保することができる。
子あり離婚の原因2:母親以外のアイデンティティを取り戻したい
私が離婚した理由もこれなのだが、日本で育った男性の多くは、結婚すると「妻」として「母親」として女性が生きていれば幸せだと誤解している。私の前夫は、出産後にもキャリアを取り返したかった私を理解することができずに、「いい母親」(彼の中で)でいることを求めた。彼の理想とする「いい母親」には一生なることができないと悟った私は、結婚から1年後には別居した。
恋愛面においては、私と将来ビジョンを共感できない時点で対象外である。人生において、「好き」という気持ちの優先順位が高い私は、もっと好きになれる人に出会い人生を楽しみたかった。不倫をする気はなかったので、自分の人生に共感してくれる人と出会った時に罪悪感なく好きになるためには離婚する必要があった。
加藤ローサさんの場合は、女優としてのキャリアを閉じ込めて、慣れない海外でひたすら夫のサポートと子育てに奮闘してきた。夫側からすれば、仕事で最大限のパフォーマンスを発揮することで、妻も子も幸福だろうと勝手に思っている。家庭では、妻に癒やされることがデフォルになっているため、妻の言動にも気を配らない。たぶん、加藤ローサさんも子供がある程度の年齢になるまでは、サポート役に徹すると決めていたのだろう。しかし、子供の手が離れつつあるにも関わらず、妻の再キャリア構築をサポートしない夫に愛想をつかしたのだろう。
久しぶりにテレビで見たが、相変わらずめちゃくちゃ綺麗である。女性が人生をリセットする場合、体力・気力・容姿が衰えていない40歳くらいが絶好のタイミングなのではないだろうか・・・
小デブでBBAになりつつある私でさえ、子供が大学進学するタイミング(44歳)で夫婦関係を再考慮しようと考えている。44歳であれば、まだキャリアを再チャレンジするギリギリのタイミングだし、新しい出会いも多くはないだろうがあるだろう。
「他人だから」は最強の自己防衛
離婚後も元夫とは、みーちゃんの面会交流をとおして定期的に会っている。
結婚していた頃は許せなかった事が、離婚すると「まあ他人だし」と寛容な気持ちになれる。相変わらず「ザ昭和的価値観」満載の元夫だが、みーちゃんに対しての責任さえ果してくれれば何の問題もない。一緒に食事をしていても、昔のようにイライラすることもない。夫婦は離婚してしまえば他人なので、他人がどうしようと勝手である。
元夫側としても離婚した妻は、「他人」という認識があるので遠慮がある。結婚していた頃には、当たり前に押し付けていた価値観や役割も他人であれば躊躇する。転職後は、「みーちゃんもまだ手がかかるのに忙しくなって大変だね」とややチェックを入れてきたがスルーである。もし結婚生活を続けていたら、外資系企業に転職など大反対されチャレンジすることが出来なかった。私が、大学院を続けることさえ「子供が可哀想」と反対したのだから。でも、他人であれば口を出す事が出来ない。
同居離婚はアリか・ナシか
一般人の場合は、無理だと思う。
加藤ローサさんの場合は、元夫も出張などが多くそもそも家にいる時間が少ないから成り立っている形だと思う。離婚したとしても、毎日相手の言動が目に入ればイライラすると思う。物理的な距離を保つことができない状況で、平穏に共存できるとは考えにくい。そして子供の手前、パパのご飯だけ作らないというあからさまな対応をすることも難しい。だとすると、他人となった元夫に対しても結婚生活時と同じように労働を搾取をされ続ける生活となる。
絶対に嫌だ。
そして、お互いに新しいパートナーを見つけにくい。元夫がウキウキとデートに出かける様子を見ながら、子供の世話を続けるのは精神的に辛いだろう。米国では、お互いにデートに行く際に、子供を交代で世話をするという元夫婦は多い。しかし、日本ではそこまでサバけている元夫婦は少ないだろう。
そもそも、元夫婦で同居しており子供も一緒に育てていると聞いて、交際をしたいと思う人がいるのだろうか。加藤ローサさんは超美人だし、松井大輔さんもモテそうなのでアリかもしれない。でも、そこら辺にいる40代のおばさんやおじさんが元配偶者と同居し、子供を育ている時点で地雷物件だろう。そんな相手と付き合おうと思ってくれる人は、いない。
ということで、たぶん同居離婚を選択する人は多くなさそうだ。
