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📖 【シヌズン3垝郜線 第五話父の芋立おず、四人目の颚】枯町ギルドの父嚘蚘〜お父さんず倩才受付嬢の異䞖界冒険譚〜

ヒスむは、子どもず母芪が去っおいくのを芋届けるず、䜕でもないように街路暹の根元ぞ戻った。
去るのかず思えば去らない。
留たるのかず思えば、い぀でも颚のように消えそうな立ち方をしおいる。

オットヌはそういう手合いを䜕人か知っおいた。
軍にも、枯にも、名前のない旅人はいた。
だが、目の前の森゚ルフはそれずも少し違う。

軜い。
だが軜薄ではない。
ふわりず立っおいるようで、足元の境界だけはきちんず芋おいる。

フィヌアはただ、ヒスむを芋おいた。

「  あなたも、感じるんですね」

ヒスむは肩をすくめる。

「そうだね。感じる、っお蚀い方が近いね。芋るずいうより、匕っかかる感じ」

「匕っかかる」

「うん。敎っおる垃に、䞀本だけ違う糞が混じるみたいに」

その蚀い方に、フィヌアは少しだけ目を现めた。
歌の人ではない。
けれど、堎を“垃”ずしお捉える感芚は近い。

オットヌは呚囲を芋回した。
事故は終わった。だが、終わっおいないものがここに残っおいる。

「立ち話をする堎所でもないな」

そう蚀ったずころで、別の足音が石畳を打った。

「オットヌさん」

聞き慣れた声だった。
振り向くず、街路の向こうからルヌカスが駆けおくる。
息は切れおいるが、足取りはしっかりしおいる。

「無事ですか!?」

「芋れば分かるだろう」

「いや、さっきここで銬車が――」

ルヌカスはそこで初めおヒスむに気づいた。
小さな森゚ルフを芋䞋ろし、䞀拍遅れお目を䞞くする。

「  子ども」

ヒスむがすぐに顔をしかめた。

「違う」

「すたん、芋た目で」

「よくある」

「で、䜕者」

「いたその話をしおたずころだ」

オットヌが答えるず、ルヌカスは䞀瞬だけフィヌアを芋た。
フィヌアは小さく銖を振る。
“ただの通りすがり”ではない、ずいう合図だった。

ルヌカスの顔が少し匕き締たる。

「少し堎所を移した方がいいです」

「䜕かあったか」

「内廷詰めの連䞭が、塔の出入りを芋おたす。露骚じゃないですけど  」

フィヌアは黙っおいた。
皇垝の姉の蚀葉が、そのたた地䞊ぞ降りおきたようだった。
芳枬は続く。
そういうこずだ。

オットヌは短く顎を匕いた。

「分かった。歩きながら聞くよ」

四人――いや、ただ䞉人ずひず぀の颚のようなものは、街路を倖れ、少し现い道ぞ入った。

癜い倧路から䞀本裏ぞ回るだけで、垝郜の衚情は少し倉わる。
掗い立おの垃の匂い。
裏手の厚房から流れる銙草の銙り。
敎えられた衚通りよりも、人間の生掻に近い音がある。

ヒスむは自然に列の倖偎を歩いおいた。
同行しおいるのか、たたたた同じ方向を向いおいるだけなのか、ただ刀然ずしない。

ルヌカスが䜎い声で蚀う。

「ここ数日、“城の圱”の噂が増えおたす」

オットヌが眉を動かす。

「城の圱」

「倜曎けの西区で芋たずか、塔の窓に黒いものが映ったずか。酔っぱらいの話だず思っおたんですけど、今朝、荷圹の連䞭も䌌たこずを蚀っおた」

ヒスむが暪から口を挟んだ。

「芋えなくおも、先に気配は来るよ」

ルヌカスは少し驚いた顔でその小さな゚ルフを芋る。

「おたえ  話に入るんだな」

「入っおるよ  最初から」

その返しに、フィヌアはほんの少しだけ息を緩めた。

现い路地を抜け、小さな氎堎のある䞭庭ぞ出た。
ここなら少しは人目が枛る。

オットヌは足を止めた。

「フィヌア。さっきの歪み、あれは初めおか」

フィヌアは少し考え、それから銖を振った。

「同じものではありたせん。でも、䌌た皮類の綻びは感じたこずがありたす」

「垝郜に入っおからか」

「  はい。匷くはないです。でも、ここは敎いすぎおいお、少しの揺れが逆に目立ちたす」

ヒスむが「それそれ」ず頷く。

「森でも䌌おる。静かな堎所ほど、違うものが入るずすぐ分かる」

ルヌカスは腕を組み、二人を芋比べた。

「俺には芋えたせんでした」

「芋えなくおいい」

オットヌが即座に蚀った。

「芋えないものには、別の圹がある」

ルヌカスはむっずしたようで、しかしすぐに玍埗した顔になる。

「  足になれ、っおこずですか」

「足にも、目にも、耳にもなれ。おたえはそういう圹だ」

ルヌカスは錻で笑った。

「䟿利に䜿いたすね、旊那」

「䟿利じゃないや぀は旅に連れおいけん」

その䞀蚀で、空気が少し倉わった。

オットヌはゆっくり四人分の空気を芋枡した。

「フィヌア、おたえはもう、垝郜の䞭に留めおおける噚じゃない」

フィヌアに向かっお蚀う。

「塔の䞊の連䞭が䜕を蚀おうず、倖で起きる綻びは倖でしか分からん。なら行くしかない」

フィヌアは黙っお聞いおいる。
その顔は、もう知っおいたこずを父の口から聞いおいる顔だった。

オットヌは次にルヌカスを芋た。

「ルヌカス。おたえは来い」

ルヌカスが目を芋開く。

「い、いいんですか」

「良くはない。だが、足りん。俺䞀人じゃ足りんし、フィヌア䞀人に党郚背負わせる気もない」

ルヌカスはしばらく黙ったあず、真顔で頷いた。

「行きたす」

そしお最埌に、ヒスむぞ芖線を移す。

小さな森゚ルフは、氎堎の瞁に片足を乗せお座り、こちらを面癜そうに芋おいた。

「ヒスむ。もし぀いおくるなら、遊び半分では困るぞ」

「遊び半分なら、最初の銬車で逃げおるよ」

「途䞭で逃げるなよ」

「逃げる時は先に蚀う」

フィヌアがそこで、初めおはっきりずヒスむに向かっお蚀った。

「私は、これからたぶん、歌をここに眮いおいけたせん」

ヒスむは銖を傟げる。

「そう」

「危ないこずもあるず思いたす」

「うん」

「それでもいっしょに来るんですか」

ヒスむは少しだけ考えお、それから゚メラルドの目でたっすぐフィヌアを芋た。

「行くよ」

答えは短かった。
けれど軜くなかった。

「留めおおけないものなら、歩きながら芋たほうがいいかな」

フィヌアは䞀瞬、息を止めたように芋えた。
塔の䞊で聞いた蚀葉ずは、たるで違う。
管理するでもなく、閉じ蟌めるでもなく、ただ歩きながら芋るず蚀う。

その違いが、胞の奥で小さく響いた。

オットヌはその顔を芋お、静かに決める。

「  よし。ひずたず、四人だ」

その蚀葉が萜ちたあず、誰もしばらく口を開かなかった。

決たったからこそ、すぐには䜕も蚀えないこずがある。
旅ずいうものは、だいたいそうだ。

だが、その沈黙は長くは続かなかった。

䞭庭の倖――癜い倧路のほうで、人々のざわめきが䞀段高くなった。

最初はただの街の隒ぎに聞こえた。
だが次の瞬間、そのざわめきは恐怖を含んだ波に倉わる。

誰かが叫んだ。

「芋ろ  」

別の声が、それに重なる。

「黒い城だ」

オットヌはすぐに䞭庭の出口ぞ向かった。
ルヌカスが先に飛び出し、路地の角から倧路の先を芋お、息を呑む音がした。

フィヌアずヒスむが䞊んで出る。
癜い垝郜の街䞊みの向こう、塔矀のさらに奥――本来なら芋えないはずの空の高みに、暗い茪郭が浮いおいた。

城。

いや、城の圢をした圱だった。

石でも鉄でもない。
茪郭だけが先にあり、その内郚が倜のように暗い。
陜の䞋にあるのに、光を受けおいない。
垝郜の空に、本来あるべきでない重さが、音もなく掛かっおいる。

それはただ遠い。
けれど遠いからこそ、異垞だった。

街そのものは昌のたたなのに、あの郚分だけが別の時間に属しおいる。

ヒスむが、小さく息を吞う。

「  あれ、ひどく歪んでるね」

ルヌカスは路地の壁に手を぀いたたた、目を離せないでいる。

「噂じゃなかったのか」

「噂はい぀も、珟実の前を歩く」

オットヌの声は䜎い。
だが、い぀もの調子を保っおいた。

フィヌアは䜕も蚀わない。
銖食りの石だけが、薄く冷たく脈打っおいる。

塔の䞊で、皇垝の姉は蚀った。
歪みは調敎されねばならない。
調敎は䜓系の内偎で行われるべきだ、ず。

けれど今、その䜓系そのものの空に、説明の぀かない圱が浮いおいる。

ヒスむがフィヌアを芋䞊げる。

「ねえ」

フィヌアは芖線を圱城から倖さないたた、答える。

「はい」

「留め眮いおる堎合じゃないみたいだね」

その蚀葉に、フィヌアはほんのわずかだけ目を閉じた。

「  そう  ですね」

オットヌは、垝郜の空に浮かぶ圱城を芋たたた蚀った。

「予定が早たった」

「旅がですか」

ルヌカスが問う。

「いや」

オットヌは短く答える。

「たずは、呌ばれる」

その䞀蚀に、党員が意味を理解した。

これが垝郜の街角の異倉で終わるはずがない。
皇垝の謁芋は、もはや遠い出来事ではなくなった。

フィヌアは、癜い街の䞊にかかった暗い茪郭を芋䞊げた。

あれはただ、歌っおいない。
けれど、沈黙のたた䞖界の茪郭を抌しおいる。
そんな感じがした。

遠くで鐘が鳎った。

昌を告げるには遅く、譊鐘にしおは敎いすぎた音。
垝郜らしい、乱れない鐘の音だった。

けれど、その敎いすぎた響きの䞭に、誰よりも先にフィヌアは聞いた。

あの圱の向こうから、
ただ蚀葉になっおいない䜕かが、こちらを呌び始めおいるのを。

âž»

あずがき執筆者フィヌア先生メモ

第五話は「四人目の颚が、正匏に旅の圢ぞ入る回」でした。
そしお同時に、垝郜そのものがただの背景ではなく、異倉の䞭心ぞ倉わっおいくこずが瀺されたす。

次は第六話。
皇垝の謁芋、そしお圱城の正䜓が、より近い堎所で姿を芋せ始めたす。

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Gemini/Antigravityだけではなく、GPT/Codex、Claude Chat/Cow


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