すっぱくて、少し渋い残暑|日記
八月某日
お盆で、実家に帰るなどしていた。
実家にいても、正直それほどやることがない。甘いものを三日間で三週間分くらい食べて、寝て、用事もないのにコストコに出かけた。
開店直後のコストコは客も少なくて、こんなに優雅にこの場所を歩けたのは初めてだった。
レモンが15個くらい入った袋を、見つけた。
妹(私にはシッカリ者の妹がいる)に、最近仕事で一日中レモンを欠かさない旅人(私は外国人観光客のガイドの仕事をしている)に出会った話をした。
「レストランでも喫茶店でも、レモンもらえる?って、聞くの。レモンを二等分にするジェスチャーで。」
「それで、もらえるの?」
「うん、代金はかかるかもしれないけどね。」
そして、いつの間にか、「私にも、ください。」と、私も旅人に便乗しだしたのだった。
妹は、フーンとノリこそ悪かったくせに、「じゃあ、ちょっと分けて。」と、袋に入ったレモンを見ながら言った。
私たちはレモンを山分け(私の方がだいぶん多め)して、レモン生活を始めることにした。飲み水にもレモン、サラダにもレモン、ビールにもレモン。
すべての後味が、酸っぱくて、少し渋い。
残暑に、レモンの味がする。
八月某日
もう少しで誕生日。でも毎年、お祝いという気分にもなれないのだ。「誕生日がヒトに知られなければ歳を取らない」という謎のルールを採用して、あらゆるソーシャルメディアの誕生日を消去した過去がある。
実家で甘いものを食べ過ぎたから、ケーキを用意する気分にもチョットなれない。祝う気満々の娘たちが、ガッカリするだろうか。しかし、どちらかというと、ケーキよりケバブ(先月のトルコ旅行をまだ引きずっている)が食べたい。誕生日当日のランチは、こっそりケバブを買ってこようと思っている。
ケバブのお兄さんにだけは、どういうわけか、「今日誕生日なんです。」と、言いたい気もする。
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