メモリの需給見通し(2026-2030)
2026年6月から7月にかけてメモリ関連株が最高値圏から急落している。業績を見ると利益率は過去最高水準で、AI向けの高帯域メモリ(HBM)は当面ほぼ完売とされる中のモメンタム反転だ。需給要因が支配的と考えたほうが無難であることは確かだが、「まだ業績は成長するが、株価はもうピークを過ぎたのでは?」という懸念も市場にくすぶっている。
この問いの核心は、突きつめると「AIメモリの需給は、いつ、どれくらい緩むのか、あるいは緩まないのか」という点にある。メモリ各社が競って増産する一方、AIの需要はいつまで、そしてどこまで増大するのか。供給過剰に転じて価格が反落するというメモリ業界が繰り返してきた循環が脳裏に焼き付く中、市場は曲がり角が2027〜2028年に来ることを警戒している様子だ。
(下図は7月7日にXで話題になったグラフ。メモリの需給逼迫が2026年Q3で底を打ち、2028年に供給過剰へ向かうというシナリオで、Xで論争を巻き起こした)

ただ、需給がどうのこうのと言われても、いま何がどうなっているのか分からないという読者も多いだろう。そこで本記事は、AI半導体のロードマップからメモリの需要を、メモリ各社の工場増設計画から供給を積み上げ、2026年から2030年まで四半期ごとに需給バランスを突き合わせた。メモリ種別をHBM・通常DRAM(HBM以外)・NANDに分け、標準・強気・弱気のシナリオを容易に理解できるようグラフ化している。2028年に本当に供給過剰へ転じるのか、転じるならどんな条件のときか、早速見ていこう。
【記事の構成】
・記事前半は、一般の読者向けに端的に結論を導いた。需給の見通しだけ知りたければ、ここだけ読んでもらえばいい。
・記事後半は、結論を導くための基本的な思想を整理した。
【免責事項】
本記事は需給バランスのシナリオ分析である。銘柄の割安/割高など株価の具体的な水準に関しては言及していない。また、今後、設備投資計画や製品ロードマップに変更があれば結論は変わりうることを断っておく。
パート1:メモリ需給の全体像(一般読者向け)
<読了目安時間:3分>
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