「調整力があります」と書いた瞬間、公務員の職務経歴書は弱くなる
3ヶ月前、私はこう書いていた
②多様なステークホルダーとの折衝・調整力
所管する事業者、業界団体、有識者、国会等、立場や利害が異なる多様なステークホルダーと日常的に折衝・調整を行ってきた。複雑な法的論点を平易に説明する能力と、各者の立場を踏まえた合意形成力を有する。
自己PRの2番目に置いた文章だ。
自分では、いちばん強い項目のつもりで書いた。
7年近く、所管先の事業者と業界団体と国会を相手にしてきた。その全部を三行に凝縮した。よく書けたと思っていた。
最終面接で返ってきたのは、こういう反応だった。
「ちょっと、具体的に何をやっているのかが分かりにくいですね」
内定は出た。だから失敗談ではない。
ただ、はっきりしたことが一つある。
いちばん強いつもりで書いたこの項目は、選考でまったく効いていなかった。効いていたのは別の箇所だった。
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職務経歴書が3ヶ月書きかけで止まる理由
公務員が職務経歴書で手を止めるのは、実績がないからではない。
書ける言葉が全部、同じ場所に着地するからだ。
〇〇法に基づく許認可事務
関係機関との折衝・調整
適正な執行に努めた
書いても書いても、業務名の羅列にしかならない。数値実績の欄は空白のままになる。
そこで最後に頼るのが「調整力」だ。
具体を書けないぶん、能力の名前で埋める。私もそうした。公務員向けの転職記事も、ほぼ全部が調整力を強みとして挙げている。
その結論が、そもそも間違っている。
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「調整力」が弱くなる、理由は3つある
1つ目は、たぶん想像がつく。
公務員が全員書くから、差がつかない。
採用側は同じ書類を何十枚も見ている。調整力・正確性・法令解釈力。この3点セットは、もはや公務員であることの言い換えでしかない。
書いた瞬間、その他大勢に合流する。
ここまでは、無料の記事でも読める話だ。
ただし、これは3つのうちいちばん軽い理由だ。
残り2つの方が致命的で、しかも自力では気づけない。私が最終面接で言われるまで気づかなかったのも、この2つだ。
理由の2つ目は、調整力という言葉の構造そのものにある。
3つ目にいたっては、強みとして書いたものが、逆の意味で読まれるという話になる。
ここから先が本題だ。
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この記事に書いてあること
考え方の話は最小限にした。中身のほとんどは、そのまま自分の書類に貼れる文章だ。
公務員語15個 — 職務経歴書で減点される言葉と、その書き換え後
言い換え20例 — 許認可・監督・制度企画・内部管理の4分野。ビフォー/アフターの実文で掲載
数値実績がない人の代替指標7つ — 記録がなくても、在職中に手元で拾える数字の探し方
守秘義務の下でどこまで書けるか — 同じ経験を、抽象度3段階で書き分けた実演
出先機関と本省の書き分け — 同じ「調整」でも、売り物が違う
規制する側の経験を、規制される側の企業に売る方法
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誰が書いているか
国の行政機関に7年近く勤務。現場で許認可を審査する部署と、制度そのものをつくる部署の、両方にいた。
申請書を週に100件単位でさばいていた時期もあれば、法令の改正を主担当で回していた時期もある。
いまは民間側にいる。かつて自分がいた役所に、説明する立場として向き合っている。
書類を出させる側と、出す側。両方から公務員の経歴を見た。
その上で言うと、公務員の職歴は強い。ただし、いま書いている書き方ではうまくいかない。
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先に断っておくこと
この記事には、次のものは一切ない。
自己分析のすすめ
「あなたにも強みがあります」という励まし
すでに試して効かなかったものを、もう一度渡しても意味がない。
必要なのは、明日そのまま使える日本語だ。それだけを書いた。
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