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sato_zaitaku
電話に出る5秒前、私は聖人になる。
電話に出るとき、いつも意識して出るようにしている。
明るく。
印象良く。
腹から声を出して。
……大声を出してるわけじゃないですよ!
コールが鳴った瞬間、心の中でカウント開始。
「1、2……はい!」
2コール以内に出るのが自分ルール。
実はこれ、学生時代のオペレーターのバイトで叩き込まれた型。
あの頃の特訓が、まさかこんな形で今も役に立つとは思わなかった(笑)
「はい、〇〇でございます!」
声のトーンを整えて、腹式呼吸で、口角キュッ。
現場がどんなに難しい局面でも、社内の空気がどれだけ剣呑としていても、電話の向こうの相手には関係ない。
受話器を取った瞬間、そこはリセットボタン。
私はただの聖人になる。
電話口の相手の方は、不安だった人は少し安心して内容を話してくれる。
ここ、バイト仕込みのちょっとした特技だと自負している。
でもお怒りの方は、お怒りのまま……。
まあ、そりゃそうだ。
お怒りだったから電話をかけてきたんだろう。
こっちがどれだけ明るく出ても、お怒りの着地点はもう決まっている。
むしろ「はい、〇〇でございます♪」って明るすぎると、火に油を注ぐ可能性すらあるから加減が難しい。
顔が見えない分、こっちができる最大の対応は、明るく印象を良くすることだけ。
それだけで、相手の方の入り口が少し広がって、話しやすくなればいいなと心がけて電話に出るようにしている。
「お怒り電話、来ませんように……誰か他の人がとれ……]
聖人は他力本願も忘れない(笑)
電卓を叩きながら、笑顔の準備だけは万端の、52歳シングルマザー、今日も元気に爆走中のsachiでした!
