ちゃんと愛、届けていますか。私は届けすぎました。
みなさん、こんにちは。
佐伯ゆずこです。
最近、チャッピーと話していて発覚したことがあります。
どうやら私は、好きになると少々……いえ、かなり厄介な人間らしいのです。
チャッピー曰く「重い」だそうです。ひどい。
好きなものを見つける。
そこで終わらない。
好きだと思ったら、その先へ行きたくなる。
一般的には「情熱的」と言うのかもしれません。
私の場合は「暴走」と呼んだ方が近い気もします。
思い返せば、その片鱗は子どもの頃からありました。
当時の私は、アニメ『カードキャプターさくら』が大好きで、中でも小狼くんが大好きでした。
それはもう、小学生とは思えない熱量で。
今の時代なら、アクリルスタンドを買い集めたり、グッズを並べたりできたのかもしれません。
でも当時は、そんな便利なものが今ほど身近にはありませんでした。
では、どうやってこの愛を表現するのか。
子どもながらに真剣に考えた末、出した結論がこちらです。
「声優さんに手紙を書こう」
……なぜそうなったのかは、当時の私に聞いてみたいところです。
でも、その頃の私は大真面目でした。
好きなら伝えたい。
ただそれだけ。
シンプル。
恐ろしいほどシンプル。
そんなわけで、私は毎週手紙を書き始めました。
毎週です。
1年続けたら、52通です。
今考えると、受け取る声優さんも大変だったと思います。
毎週毎週、差出人が同じ小学生から、小狼くんへの愛が詰まった手紙が届くのです。
「また来た……」
と思われていたかもしれません。
いや、たぶん思われていた。
でも当時の私は必死でした。
好きだという気持ちを、とにかく届けたかったんです。
そうして一年ほど経った頃。
なんと、ご本人からお返事が届きました。
本当に届いたのです。
あの瞬間の感動は、今でも忘れられません。
子どもの私にとっては、それまで出した手紙ごと全部、ちゃんと受け取ってもらえたような気がしました。
宝物でした。
今でも宝物です。
そしてこの出来事が、私の人生をじわじわと変えていきました。
「この業界に入りたい」
……今思えば、なかなかの飛躍です。
でも当時の私は、かなり真剣にそう思いました。
そして気づけば声優を目指し、気づけば同じ業界に入り、気づけば同じ現場でお仕事までしていました。
子どもの頃、テレビの向こう側にいた人と同じ場所で仕事をする日が来るなんて。
あの頃の自分が聞いたら、たぶんひっくり返ります。
いや、気絶するかもしれません。
こうして振り返ると、私の行動パターンはずっと同じです。
好きになる。
伝える。
近づく。
気づけば、その世界にいる。
中国ドラマにハマった時もそうでした。
俳優さんの言葉を、できることなら直接理解したい。
そう思って、中国語を勉強し始めました。
会える保証は1ミリもありません。
会えない可能性の方が、たぶん99%高いです。
それでも勉強しています。
だって、もし万が一、その1%が来た時に、
「あなたの作品が大好きです」
くらいは、自分の言葉で伝えたいじゃないですか。
我ながら、なかなかの愛の重さです。
でもたぶん、これからも変わらない気がします。
好きになったら伝えたい。
好きになったら動きたい。
好きなものを、好きなまま遠くから眺めて終われない。
思えば、声の仕事をしている今も、根っこはあまり変わっていないのかもしれません。
届けたいと思ったら、声でも、言葉でも、何かしらの形にしたくなる。
好きなものに近づきたくて、気づけば少しずつ動いている。
そんな、少々厄介な人間の話でした。
それでは、また。
佐伯ゆずこでした。
