見出し画像

魚鱗癬と歩んだ家族の物語14〜逃げないと決めた日〜



娘が生まれてから、私は自分を責めに責めました。

一時は、仕事が手につかないほどでした。

「俺よりひどいかもしれない」

そう思うと、頭の中に次々と不安が浮かんできます。

娘がいじめられたらどうしよう。
肌のことで嫌なことを言われたらどうしよう。
人生が嫌になったらどうしよう。
恋愛や結婚が、うまくいかなかったらどうしよう。
女の子だから

今考えても、どうしようもないことばかりです。

でも、自分がこれまで経験してきたこと。
兄を見てきたこと。
そして、おそらく母も、昔からいじめや嫌な思いをしてきたのではないかということ。
それらが、どうしても頭から離れませんでした。



私は母に聞きました。

「兄や俺が生まれた時も、娘みたいな状態だったん?」

すると母は、

「いやぁ、あんな風にはなってないけどね」

と言いました。

でも、娘が生まれて数か月たった頃。

母が急に、こんなことを言い出しました。

「そういえば魚鱗癬って、昔なんか言われた気がする」

しかも、

「兄も、あんたも、生まれた時は同じようになってた」

と言うのです。

ずっと魚鱗癬の話をしてきたのに。

私は思いました。

母は、何かを封印しているんじゃないか。

つらかったこと。
苦しかったこと。
思い出したくないこと。

きっと、忘れたかったこともあるのかもしれません。

私には別に「俺の生き様シリーズ」という記事があります。

子どもの頃、かなり苦しい生活をしていたことも書いています。

でも母は、その話をすると、

「大げさやん」
「電気とかガスとか水道とかそんな止まってなかったよ」

と言うことがあります。
衝撃すぎて🫨

私はそのたびに思います。

わざわざ俺が、嘘をついたり、大げさに言ったりするメリットがあるか。

母なりに、過去を小さくして生きてきたのかもしれません。

でも私は、娘のことを小さくしたくありません。

娘が感じた痛みも。
娘が悩んだことも。
娘が傷ついたことも。

「大したことない」

で終わらせたくありません。

私は決めました。

娘の前から、絶対に逃げない。

魚鱗癬のことも、肌のことも、

娘にはちゃんと話せる父親でいる。

嫌なことをする人がいたら、守る。

娘が一人で抱え込まないように、受け止める。

親と同じようにはしない。

私は、そう心に誓いました。


魚鱗癬についての話は、
ひとまず、ここで一区切りにしようと思います。

書き始めた頃は、

自分の過去や、娘が生まれた時の気持ちを
ここまで言葉にできるとは思っていませんでした。

正直、思い出すのが苦しいこともありました。

それでも書いてきたのは、

同じように悩んでいる誰かに、

「ひとりじゃない」と感じてもらえたらと思ったからです。

これからは、魚鱗癬のことだけではなく、

娘の成長や、家族の日常、

笑ったこと、悩んだこと、挑戦したことも、

少しずつ残していこうと思います。

肌のことがあるからこそ見えた景色もある。

でも娘の人生は、魚鱗癬だけで決まるものではありません。

これからも、娘らしく歩いていく姿を、
父として見守りながら書いていきます。

ここまで読んでくださった皆さん、
本当にありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!