心配していたら、心配された。
先日、
娘と市民プールへ行った。
気温は35度ほど。
とにかく暑い。
僕は何度も娘に聞いていた。
「大丈夫?」
「しんどくない?」
すると娘が、
僕を見て言った。
「大丈夫。」
その後、娘からこう言われた。
目次
1.35度の市民プール
2.とにかく遊びたい娘
3.「大丈夫?」
4.「お父さんは?」
5.心配される父になった
1. 35度の市民プール
先日、
娘と二人で、
家の近くの市民プールへ行った。
その日の気温は、
35度ほど。
とにかく暑かった。
プールに入れば涼しい。
そう思っていたけど、
水もかなりぬるい。
感覚としては、
ぬるめのお風呂に入っているようだった。
それでも、
娘には関係ない。
泳いだり、
潜ったり、
浮き輪でプカプカしたり、
水の中を走ったり。
とにかく楽しそう。
その姿を見ているだけで、
僕も嬉しかった。
2. とにかく遊びたい娘
ただ、
これだけ暑いと、
親としては少し心配になる。
遊びに夢中になると、
子どもは自分の体調の変化にも、
気づきにくいかもしれない。
だから、
水分はしっかり準備していた。
スポーツドリンクなども持っていき、
こまめに飲ませる。
休憩時間には、
体を冷やす。
そして、
できるだけ休ませる。
娘としては、
もっと遊びたかったと思う。
それでも、
「一回休憩しよ。」
と声をかけながら、
プールを楽しんでいた。
3. 「大丈夫?」
その日、
僕は何度も娘に聞いていた。
「大丈夫?」
「暑すぎて、しんどくなってない?」
「気持ち悪くない?」
娘はそのたびに、
「大丈夫。」
と答える。
顔色を見る。
いつもと変わらない。
元気もある。
よし、大丈夫そう。
そんなことを考えていた。
そして、
また僕が聞いた。
「大丈夫?」
すると、
娘はいつものように答えた。
「大丈夫。」
そのあとだった。
4. 「お父さんは?」
娘が、
僕に聞いた。
「お父さんは大丈夫?」

一瞬、
僕の方が驚いた。
「お父さん?」
「お父さんは大丈夫やで。」
娘は、
「そっか。」
みたいな感じで、
また遊び始めた。
本当に、
それだけの会話。
娘にとっては、
何気ない一言だったのかもしれない。
でも僕には、
妙に残った。
僕はずっと、
娘のことを心配していた。
娘の体調を見て、
水分を取らせて、
休憩させて、
「大丈夫?」
と聞いていた。
そんな娘が、
今度は僕のことを見て、
「お父さんは大丈夫?」
と聞いてくれた。
5. 心配される父になった
大人同士なら、
よくある会話なのかもしれない。
「大丈夫?」
「うん。そっちは?」
何気ない、
ほんの一言。
でも、
娘はまだ4歳。
少し前まで、
僕たちが娘のことを心配して、
何でもやってあげていた。
そんな娘が、
いつの間にか、
自分以外の誰かのことを気にかけている。
しかも、
それが僕だった。
「大丈夫?」
と聞いていたら、
「お父さんは?」
と返ってきた。
たった、
それだけ。
でも、
こういう瞬間に、
娘の成長って見えるのかもしれない。
優しい子に育ってほしい。
人のことを思いやれる子になってほしい。
そんなことを、
親は勝手に願う。
でもこの日は、
何も教えていない。
僕が心配したら、
娘も僕を心配してくれた。
それが、
なんだか嬉しかった。
プールから上がっても、
僕の中には、
娘の一言が残っていた。
「お父さんは大丈夫?」
うん。
大丈夫。
むしろ、
その一言で、
お父さんはちょっと元気になりました。
