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【1話】突然シングルファザーになった


まさか自分がシングルファーザーになるとは、思ってもいなかった。

父子家庭で育った友人はいたが、それまで特に強い関心を持つことはなかった。
結婚をして、子どもにも恵まれた。
妻の希望は「女の子が一人ほしいな」ということだった。
1997年、2003年、2006年に出産。妻にとっては、まさかの「男の子三人」のお母さんになった。結婚当初は「当分二人でいよう」と言っていた妻が、逞しく三人の男の子のお母さんになってくれたのだった。
一方の私は、1985年に入社した会社で勤め上げ、2006年4月に社長に就任した。
入社した当時は、社長夫婦と私、シフトで入る大学のバイトの方を含めてわずか6名の小さなダスキン加盟店だった。そこから年月が経ち、社長に就任した時には役員含め12名、パートの方を含めると35名の会社になっていた。

友人からは「順風満帆だな」と言われることも多かった。しかし、ここから思いもよらない、とんでもない人生が始まるのであった。
2009年2月15日。
私は、まさかのシングルファーザーになってしまった。長男クラマ11歳、次男ユウスケ6歳、三男コウタ2歳。
前年の2008年、夏前から妻フミコは風邪をひいたような咳をしていた。
フミコも私も「ただの風邪だろう」と思っていた。しかし、咳は一向に治らない。近くのクリニックから、漢方を処方する病院へ紹介されて通っていた。
異変に気づいたのは、2009年1月10日のことだ。
妻から「自転車が漕げなくなった……」と言われたのだ。
1月末に緊急入院。
2月3日、フミコの45歳の誕生日。その日に胃カメラの検査を受け、ガンと宣告された。
胃癌が肺に転移しており、手術はできない、余命数ヶ月だと告げられた。
そして、そのわずか12日後。フミコは天国へと旅立っていった。
え? 妻・フミコがいなくなった。
え? 一体、どうすればいいの?
こうして、私のシングルファーザーとしての歩みが始まった。
(次回へ続く)

🌿 気にかける〜子育ての延長戦〜
コウタが夏休みに入った。
「お昼ご飯?」
「お願いします」
簡単に言ってくれるけれど、作る側からすれば正直めんどくさいのである(笑)。
「食事代、もらうよ?」
「大学生のオレから徴収するなよ🤪」
そんな軽口を叩き合える日常。
あの頃には想像もできなかった賑やかで愛おしい時間が、今日も我が家には流れている。

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