「医学部に行けばよかった」と後悔する人へ|医師と東大卒サラリーマンの年収格差という不愉快な現実と、その乗り越え方
0. はじめに:
もしあなたが、現役時代に「医学部に合格できる学力はあったが、あえて情報系や他学部を選んだ」人間なのだとしたら、この記事は少し耳が痛いかもしれない。
私が22〜23歳、つまり学部を卒業し社会に出るあたりの年齢で直面し、絶望し、そして最終的に医学部を再受験するに至った「不愉快な現実」について、今日は具体的な年収の数値とともに書き残しておきたいと思う。
ただし、それだけで終わらせるつもりはない。
数字を突きつけて絶望させるだけの記事なら、世の中にいくらでもある。この記事の後半は、その現実を直視したうえで、非医のまま生きる人間が何を持てば勝負になるのかに割く。
先に立場を明かしておくと、私は敗北を認めた側の人間だ。
東大を出てAIエンジニアとして働き、そのうえで医学部を再受験した。つまりこれから書くことは、外から冷静に眺めた分析ではなく、自分が負けた試合の検討である。
1. 圧倒的な経済的な待遇格差
1.1 「医者は割に合わない」という言説の欺瞞
世間ではよく「医者なんて激務で時給換算すれば安い」「これからはITや外資コンサル、メガベンチャーのほうが稼げる」といった言説が飛び交っている。だが、現場のリアルな数字を知っている人間からすると、これは全くの欺瞞だ。
厄介なのは、この言説が完全な嘘ではないことだ。
初期研修中の医師は確かに激務・低時給であり、上位層の外資やメガベンチャーの初任給よりも確かに低い。だから「割に合わない」という物語は、20代前半の一瞬だけ、部分的に正しい。そしてその一瞬の正しさが、非医の側に都合のいい自己正当化の材料を供給し続ける。
問題は、その比較が人生のどの時点を切り取っているかである。
1.2 卒後年次で見る、年収カーブの決定的な分岐
それでは、実際の数字を比較してみよう。
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