<世界最速レビュー>覚醒した攻撃陣が3発。殴り合いを制した新潟が3連勝【いわきvs新潟】
うれしい今シーズン初ゴールを決めたFW若月大和は、両手を広げ空に向けて雄叫びを上げた。
ファイナルスコアは3‐2。決して楽な試合ではなかったが、点の取り合いを制した新潟がリーグ戦3連勝を飾った。アウェイでは今シーズン初勝利となった。
新潟にとって今節のいわき戦は、昇格に向けた試金石だった。なぜならミッドウィークの天皇杯で、カテゴリーが下の鹿児島に0‐4で大敗を喫していたからだ。リーグ戦とカップ戦の違いこそあれ、どうしても流れは引きずるものだ。
実際、開始8分にバックパスミスから道脇豊に先制点を叩きこまれている。悪しき流れは続くかに思われたが、すぐさま前半14分に若月が振り出しに戻したことが小さくなかった。
アウェイで先制されればテンションは下がる。だからこそ、若月の1‐1のタイスコアに戻すゴールは、チームを活気づけた。
カウンターからシマブク・カズヨシがドリブルで持ち上がり、笠井佳祐へのパスはずれるも、その笠井が左サイドでキープから内のシマブクへ絶妙なパス。シマブクのシュートはポストに嫌われるも、詰めていた若月がネットを揺らした。
後半の序盤、またしてもいわきの高橋勇利也にセットプレーの流れからリードを許すも、交代カードの桑山侃士がこぼれ球に詰めて再び2‐2の同点とする。さらに、その2分後に一気呵成に攻め立て、シマブクのCKからニアサイドに潜り込んだマテウス・モラエスが逆転弾。
常に追う展開の苦しい試合をモノにした新潟。天皇杯の大敗の嫌な流れを自ら断ち切っての3連勝は、実力が拮抗するJ2を勝ち抜く上で大きな財産となった。
中核としての振る舞い
今シーズンの新潟の中核は、どうやらシマブクになりそうだ。同点弾のシーンのドリブル。決勝点のCKのクオリティ。得点シーンに絡み続ける好調さを維持している。
加えて、攻守におけるポジショニングがいい。状態がいいと自ずとパフォーマンスは上がるもので、守から攻に移り変わるシーンではポイントになっていた。またペナルティエリアでの危ないシーンでのボールの落下点を読んでピンチを防いだ。
明治安田百年構想リーグから持ち味を発揮する左の翼は、いまや新潟に不可欠な存在になっている。
船越サッカーの体現者
目に見える結果は出ていないが、笠井佳祐の献身も見逃せない。前節の藤枝戦での潰れ役としてリズムを相手に明け渡さない役目を全う。いわき戦では若月のゴールに絡んだだけでなく、ニアで潰れたり、攻守の切り替えのシーンで体を張った。
縦に速い攻撃を志向する船越サッカーにおいて、彼ほど頼りになる存在はいない。一瞬の隙を突いて抜け出し、左足で放ったシュートはゴールにはならなかったが、徐々にアタッカーとしてほしい結果に近づいている。
攻守に躍動できる笠井もまた、シマブク同様に船越サッカーには欠かせない。
アタッカー陣が決めて勝ち切る意義
若月、桑山、モラエス。新潟のスコアラーは、いずれも攻撃陣だった。それぞれが今シーズン初ゴールだった。
取るべき人が取ると勝てるといわれるが、それは真実。攻撃陣がゴールを決めるとチームに勢いが生まれる。
エースの若月はフォア・ザ・チームの精神が実った。それは交代出場で結果を出した桑山にも当てはまる。昨シーズンにはなかった高さとキープ力は光る。本調子には程遠いながらモラエスも結果を出した。ブラジル人はゴールひとつで劇的にパフォーマンスが変わる。波に乗るはずだ。
誰が取っても1点は1点だが、それが攻撃陣だと重みが増す。クロスゲームを攻撃陣の3点で勝ち切った意義は小さくない。
昨シーズンまでの課題だったセットプレーでの決勝点も、また新潟には自信になる。これまでウイークポイントだったのに、いわき戦では決勝点に。シマブクというキッカーを得たことが大きいが、取られるのではなく取れるとなると、チーム全体として士気が上がる。
ただ、バックパスから失点を喫した1点目は反省材料。どれだけミスを減らせるか。特にスコアが動く前後半の立ち上がりと終わり間際の重要な局面、クリティカルフェイズでは慎重に試合を運ぶ必要がある。肝心な時間帯に2失点。次に向けた課題を、早々に解消したい。
思いのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!
