Benfica 1-1 Sporting [Liga Portugal MD33]
概要
両チームのラインナップは以下の通り
選手の位置は複雑に変化し続けるので誰が元々はどこにいたのかを最初に把握しておくことをおすすめします。

LIga Portugalの優勝決定戦となる可能性のあったこの試合。Benficaは二点差以上で勝利すれば優勝、Sportingは勝つだけで優勝が確定する。この記事では、そんなBenficaとSportingの一戦を見て感じたことをつらつら書きます。実況なのか分析なのかは微妙なところ。強いていうなら状況説明note(?)。ちなみに私はこの両チームのことを全く知らないので選手のキャラクターや連続性を踏まえた文章は書けない。
15分ごとに切り取り、それぞれの概要であったり象徴的なシーンについて述べる形式ですのでつまんないと思ったらすぐ読むのをやめることができます。また、発音が謎な選手が多すぎるので選手名はオリジナルのものを採用しています。図については普通の矢印が人の移動、点線の矢印がボールの移動、波線の矢印がドリブルを表現しています。
0~15分
苦しむBenficaと打開策
発煙筒から発生する煙が客席に充満し、ボルテージが上がるエスタディオ・ダ・ルス。ピッチ上も同様にテンションが高まる試合が始まってから戦略がより機能していたのはSportingの方だった。5-2-3でセットして制限をかけに行くがその時TrincaoかGonçalvesがプレイエリアを片方のサイドに限定し、Silvaにボールが渡ったところにGyökeresがBenficaのアンカーLuisを背中で消しながらSilvaに自由を与えず、時にDebastがアンカーを監視していた。このような構図の中、後ろからつなごうとするBenficaは前進に苦労しているように感じた。
しかし、11分にBenficaは一つの突破口を見出した。IHのAursnesがBenficaのRBとRWの間のスペースに流れることでSilvaが見つけやすく届けやすい位置かつ誰もアタックに行けないスペースで前向きにボールを受けることができた。同時にDebastがLuisをタイトにフォローしに行くことで生まれる彼の背後をPavlidisが使うことで最終ラインへのアタックが可能となる。このようにBenficaはSportingを前にし、効果的な前進に成功するものの最終ラインを突破する術を見つけることはできなかった。

15~30分
Di Mariaのポジショニングと中央封鎖
15分以降もBenficaが持ちSportingが奪って素早く攻める構図に特に変化はないが17分辺りでSportingがAursnesのサイドに流れる動きに対する対処法としてAraujoが持ち場を離れてAursnesに制限をかけに行くことをやめ、彼に自由を与えた。ここに制限をかけに行ったところでどんどん外されてしまった11分ごろのプレイを生かしての修正のように見えるが行けなかったのか行かなかったのかは定かではない。このワンシーンにおいて彼の配給力もしくはDi Mariaとの関係性を出せれば牽制できたと思うが上手くいかず攻略されてしまう。
オープンな展開が続きSportingのプレスが弱まった29分ごろにBenficaは課題だった中央を経由したビルドアップを試みる。Di Mariaがアンカー番をしていたDebast近辺を漂うことで釣りだすことに成功。この動きによってフリーマンになったLuisはGyökeres-Trincao-Hjulmand-Debastの四角形の中で生じた迷いを生かしてゆったりとしたプレイ選択が可能に。結果的にこの流れからシュートチャンスに至ったが得点には結びつかず。

30~45分
落ち着いてきた両チーム
これまで自陣後方で相手のプレスを受けながらGyökeresあたりに長いボールを入れることで盤面を進めていたSportingは36分ごろにこの試合で初めてゆっくりボールを持つ時間を得ることができた。このときBenficaは全体的に相手と数を合わせ、対面を作る守備をしていた。そんな中でAktürkoğlu-Pavlidis-Di Mariaの三人は相手の3バックを制限をかけに行くというよりかはAktürkoğluとDi Mariaはハーフスペースを消し、Pavlidisは相手のアンカーを消しながら牽制をしていく、中央を封鎖する守備を行っていた。このとき、Sportingの選手たちも切られたエリアに立ち続けるのではなくサイドに流れて受けるなどして前進を試みていたがうまくいかなかった。しかし、継続していきたい狙いではあるなと感じた。

Benficaは41分の組み立て時にGKであるTrubinをうまく使うことに成功した。ビルドアップをするときにTrubinが加わることで相手のプレスの基準がずれ遅れたところからOtamendiのドリブル、AktürkoğluとLuisでレイオフをすることでラインを超えることに成功した。このときSportingのRHVであるQuaresmaが二度追い、三度追いと奪いに来た背後のスペースをKökçüとのかかわりの中Aktürkoğluが利用することでアタッキングサードへと侵入することができた。

前半を通してほぼ互角の試合のように見えたが差をつけたのはフィニッシュ設計の部分だったと思う。Sportingは攻めきれるのに対し、Benficaは最後の局面までは行くのにいまいち決定機らしいものは作れずに終わってしまった。
45~60分
ハーフタイム後の変化で差をつける
Benficaはハーフタイム明けにDi Mariaに替えてSchjelderupを入れた。かわいい。また、彼らのビルドアップにも変化が見られた。特に3センターの関係性のバリエーションに変化が見られた。前半のそれとは打って変わり、LuisはSilvaとOtamendiの間に降りることからなる後ろ三枚により両サイドバックが高い位置を取る構造に変化した。そのときKökçüが呼応しアンカーの位置に入る。そうしてKökçüがGyökeresとTrincaoの間でボールを受けたあと、狭いスペースだったにもかかわらず彼に多くの時間を与えてしまったのだがここにおけるSchjelderupの位置取りが見事だった。Trincaoからすれば自分の背後にいる選手が気になるし、Hjulmandからすれば自分がKökçüにいけば自分の背中側にいる選手を使われてしまうという考えが巡りアクションに遅れが出るだろう。その後、KökçüはAursnesがAraujoの前を、AktürkoğluがInacioの前をランニングすることで完全にフリーになったAraujoに解放。そんな彼に与えられた時間はレシーバーの時間にもなり、前線での駆け引きに勝利したPavlidisがSporting最終ラインの裏を取ることに成功した。ちなみにオフサイドでした。

このシーンに限ったことではないが1stラインを超えた後のBenficaは裏へのランニングとそれによって空いたライン間のスペースを使うバランスが良い感じだと思う。AktürkoğluとPavlidisナイスジョブ。
あと守田が出てきた。
60~75分
素晴らしいPavlidis
62分、スコアが再び動く。これまでゾーン3での振る舞いが微妙でSportingを崩しきれなかったBenficaを救ったのはPavlidisの個人技だった。中央から相手WBの裏に流れてフリーでボールを受けたPavlidisはそのまま4人ほど躱して中に折り返しAktürkoğluが仕留め切った。うますぎるのでみんな見てほしい。これで同点。
Belottiを頂点に加えたBenficaは非保持においてもより攻勢に出る。前半とは異なり前三人はハイプレスを行いボランチ二枚はよりタイトに相手のダブルボランチをフォローすることで相手を窒息させにかかる。絶対にそのまま終わりたくないこのリスボンダービーで相手に時計を渡すのではなく、自らが守備でも主導権を握りに行くんだという狙いが見えた。

75~90分
選手交代の影響
Belottiの投入以降Sportingのゴールを脅かし続けたBenfica。76分には元気なBelottiが疲弊したInacioを置き去りにし、Pavlidisへラストパス。惜しくも右ポストに嫌われたがビッグチャンスだった。また、勝利だけが優勝条件のSportingはここで前線にHarderなどのよりパワーがある選手を投入し、よりゴリゴリとした攻撃を始めるが、単調になった分Benficaに簡単に対応されてしまう。静的→動的へと移行したBenficaの交代の方がよりダイナミックになったSportingの交代よりも効果的に見えた。
両チームともに点を取りに行く戦略を取ったが結果に結びつかなかった。
感想
久しぶりに熱気を感じる試合を見れてとても楽しかった。
おわりに
今回のnoteで使用した図はTacticalista(https://tacticalista.com/)で作ったものです。とても良かったので皆さんも使ってみてください。
また、この文章を読んで興味を持った人はぜひDAZNで試合映像も確認して欲しいです。以上!
