娘と1on1
昨日も、noteへの投稿を休んだ。
予定どおり空港まで迎えに行き、22時過ぎの到着ロビーで待つ。
定刻より5分早い。
「お帰り。お疲れさま。」
キャリーバッグを引き受け、他愛もない会話をしながら駐車場へ向かう。
高速に乗る。
仕事の様子などを、ぎこちなく聴く。
最も聞きたい本題に触れそうで触れない。
掠っては離れ、離れてはまた掠る。そんな会話が続く。
すると突然、娘が自身のInstagramにアップしていた“貴腐ワイン”の話をし始めた。
——ん?
これは、あの意味深なInstagram画像
(Xmasケーキと、顔がフレームアウトしたカップル)
あれの話題を振ってこい、という合図か?
インスタ繋がりで振っておいて、喋りたい感じか。
ドキドキを隠しながら言う。
「そういえばさ、あのインスタに上げてた意味深なやつ……」
娘の不敵な笑いに気押されながら、いくつかの確認を“実施”した。
「何してる人?普通のサラリーマン?」
「EC。通販とか」
(流行りのやつか。気に入らん)
「出身は?」
「◯木」
「やっぱりか。◯◯家は、あの辺に縁があるんだよな……で、年上?」
「40。言ってたしょ。◯◯はずっと年上がいいって」
ゔーなんだって、そんな上?
「バツ---、ついてるのか?」
「ついてない」
その歳までひとりって、ヤバいやつじゃないのか。
その言葉を飲み込み、
「キッカケは?」
声に出すころには、すっかり不機嫌になっていた。
「自然と。例のアレでボロボロの時にさ。仏だよ、ほんと」
弱ってる時に近づく男。
信用できない。それに俺の方が年齢近いだろ—!
そんなことは言えず、平静を装う。
「インスタの彼の服装、落ち着いてたよな?」
「あの服、◯◯(娘)が買ってあげたの」
——なんだって。
(そいつ潰す)
他所のお父さん方は、
娘とのこういう会話を、どんな心境で交わしているのだろう。
娘は、ヤンチャな妻とは正反対だ。
お淑やかで、どこか上品な雰囲気すらある。
深夜。妻の膝枕で耳かきをしてもらいながら、今日の報告をした。
「聴きたい聴きたい!それでそれで!?」
……俺の気も知らないで。
すっかり不機嫌になった僕は、
布団の中で妻に背を向けた。
時計は、すでに午前1時を回っていた。
