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7月のシクラメン

二年前のクリスマス、赤い小さなシクラメンを一鉢買いました。
花が終わると、少しだけ大きな鉢に植え替え、ベランダの隅へ置いたまま、いつしかその存在も忘れていました。

ある日、植木鉢を並べ替えていると、青い花のあいだから赤いものがちらりと見えました。
よく見ると、それは小ぶりのシクラメンでした。
気づいてからというもの、次々と花を咲かせています。

クリスマスの花という印象が強いのに、今は七月。 そういえば、シクラメンはもともと夏に花を咲かせる植物だと聞いたことがあります。
園芸品種として冬に咲かせるようになったものが多いけれど、この鉢は先祖返りしたのかもしれません。

アトリエにある原種の「匂いシクラメン」も、夏になると小さな花をぽつり、ぽつりと咲かせます。 つぼみに気づくまで少し時間がかかるような、小さな花です。

思えば、このクリスマスのシクラメンも、原種に近い小さな花の鉢植えでした。

シクラメンが夏に花を咲かせることはあまり知られていません。

だからでしょうか。 忘れられていた植木鉢の中で、季節になると静かに花を咲かせている姿を見ていると、「植物はちゃんと自分の季節を知っているのだな」と、そんなことを思いました。


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