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【キャラクターが勝手に喋り出す―妄想族の創作現場】

これまで、作詞について書いてきましたが
ちょっと一旦横道に行って、創作の話をしたいと
思います。

創作をしていると、

「キャラクターが勝手に動き出した」

「自分が書いているのに、こいつ何でこんなこと言ってるんだ?」

という経験をする人がいると思う。
私もある。

……というより、最近になって気付いた。

私はどうやら、最初からキャラクターを細かく設定して、それを元に物語を書いているわけではないらしい。

では、どうやって書いているのか?

自分でもよく分かっていなかったので、今回は少し振り返ってみようと思う。



まず、私は「設定資料」を作らない

例えば、、そうだな、適当に

「顧問弁護士の山台勉」
というキャラクターを作るとする。

年齢は42歳で顧問弁護士。
○○大学卒。
温厚な性格。
趣味はゴルフ。
妻子あり。

というような設定を延々と作って、

「さて、山台勉を登場させよう」
とは、あまりならない。

というか、

書きにくそうな設定なら最初から作らない!

「顧問弁護士」という肩書きだけあっても、
「……で、この人、何喋るんだ?」

となるからだ。
それに、私には専門的な知識が無いので
そもそもこんなやつ出しても喋らせられないw

私の場合はむしろ、
「こいつ、何か面白いこと言いそうだな」

というところから始まる。

名前も、性格も、過去も、人間関係も、最初から全部決まっているわけではない。

会話を書いているうちに、
「こいつ、こういう奴だったのか」

と、こちらが後から発見していく。



私の創作は、まず「一枚の絵」から始まる

では、実際にどうやって場面が生まれるのか。

これも最近になって自覚した。
まず、パッと絵が見える。

「むさし」「小次郎」のメンバーを
例に出してみよう。

「電車の中でむさしの空と小次郎の裏が偶然会う」
という一枚の絵。

最初から会話を全部考えているわけではない。
最初の取っ掛かり程度だ

「空なら声を掛けるだろうな」
と、動く。

すると
空「これからスタジオ?」
と喋る。

裏が返す。

空がまた聞く。

裏が答える。

そこから、
「そういえば憂は教師を辞めて小次郎に参加したんだった」
という過去が出てくる。

さらに話しているうちに、
「裏は憂のことをかなり気に掛けているんだな」
という関係性まで見えてきて

そして最後に、

実は憂が二人の目の前の座席にずっと座っていて、全部聞いていた。

そんなオチが浮かぶ。

ここまで来ると、頭の中はもう文章というより、
漫画のコマ割りみたいになっている。


「コマ」が高速で増えていく

私の場合、最初の一枚が見えると、その後がかなり速い。

一人が動く!
誰かが喋る!
それに別のキャラクターが返す!
すると、その返答を受けて次の場面が見える!
さらに別のキャラクターが入ってくる!
そこでまた新しい会話が生まれる!

つまり、
一枚の絵から、次々にコマが増えていく。

そして、その途中でオチが浮かぶ。

そうなると、

「じゃあ、ここに向かって進めよう」
となる。

だから私の場合、
最初から最後まで設計図を作って、それを文章にするという感じではない。

むしろ、
見えた場面を追いかけていたら、途中でゴールが見つかる。

そんな感覚に近い。


以前は「自分とキャラクター」だった

実は、このやり方の原型はもっと昔からあった。

以前、「妄想族東京支部」というシリーズを書いていた。

その中に、Jというキャラクターがいる。
そして、このJと喧嘩しているPTW総長

ご存知の通り私自身だw


つまり最初は
私 vs J
だった。

Jが何か言う。
それに私が返す。
するとJがまた返してくる。
私がまた返す。

そんな感じで会話を続けていた。

例えば、Jが「ミュージカル快活」という謎のアイデアを持ってきたシリーズ初回の話。

最初は、
「Jが新しい快活の楽しみ方を思いついた」
というだけの話だった。

ところが、
「最後まで聞かんかい!」
「どうせいつもみてえにくだらねー話だろ!」

などとやり取りしているうちに、二人が勝手に喧嘩を始める。

ディズニーの話になり、
家族の話になり、
パチンコの話になり、
最終的には大声で卑猥な罵り合いを始める。

周囲のメンバーは、
「また始まったよ……」
と、完全に他人のフリ。

そして乱闘w

肝心の「ミュージカル快活」の具体的な内容は語られない。

後日、二人が仲直りしてからようやく語られる。
……という話になった。

これは、今振り返ると非常に分かりやすい。

私は途中から、
「Jと話を作っている」のではなく、「Jと喧嘩している」状態になっていた。

そして自分で書いているはずなのに、
「……あー、やっぱ始まったか」
と、途中から完全に第三者として二人を眺めている。
以降、キャラクター同士が勝手に喋るようになった


今の「むさし」「小次郎」では、さらにそれが進んでいる。

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