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218、人が『人から学ぶ』理由について

こんにちは。
前回は『トロイ』について書きました。
今回は映画『アンストッパブル』について書いてみたいと思います。

この作品は、2010年に公開された実話をもとにしたパニックアクション映画です。

制御不能となった貨物列車を止めるため、ベテラン機関士と若手車掌が力を合わせて立ち向かう姿を描いています。

一見すると、「暴走列車を止める」というシンプルな物語ですが、
・経験から学ぶこと
・世代を超えた信頼
・現場で積み重ねた技術

といったテーマが深く描かれている作品でもあります。

物語の主人公であるフランクは、長年現場で働いてきたベテラン機関士。一方で、相棒となるウィルは経験の浅い若手社員です。
最初は考え方も価値観も噛み合わず、お互いに距離があります。
しかし、暴走列車という極限状態の中で、フランクが積み重ねてきた経験や判断力を間近で見ながら、ウィルは少しずつ成長していきます。

印象的なのは、フランクが知識だけを教えているわけではないということです。
実際に現場で考え、判断し、行動する姿を見せることで、ウィルは「どう考えるべきか」を学んでいきます。これはマニュアルでは身につかない力です。
経験者の隣で、一つひとつの判断を体験するからこそ、本当の意味で自分の力になっていきます。

だからこそ、この映画は「技術継承」の物語でもあるように感じました。

単に知識を渡すだけではなく、経験を受け継ぐこと。そして、自分自身で成功や失敗を経験しながら、一歩ずつ成長していくこと。その積み重ねこそが、人を本当の意味で強くしていくのだと思います。

さて、最近の仕事の中でも、「人から学ぶ理由」について改めて考える機会がありました。
今回は、その中で感じたことを書いてみたいと思います。
(あくまで個人の解釈ですので、その点はご了承ください)

人から学ぶ理由は、「答え」を教わるためではない

今回の会議で特に印象に残ったのは、
「横展開するときほど、相手の成長する機会を奪ってはいけない」
という話でした。

何か新しい取り組みを別のチームへ展開するとき、
・正解を教える
・手順をすべて渡す
・代わりに考えてあげる

ということをしてしまいがちです。
しかし、それでは相手は成長しません。
自分で考え、悩み、改善し、成功体験を積み重ねる。
そのプロセスこそが、本当の意味で力になるからです。

人は「体験」したことしか、本当には教えられない

事業を横展開するとき、最初から完成したマニュアルだけを渡してしまえば、一見すると効率的に見えます。

しかし、それでは「なぜそのやり方なのか」を伝えることはできません。
実際に企画し、行動に移し、失敗し、振り返り、改善し、黒字化させる。
この一連の流れを経験して初めて、そのノウハウは自分のものになります。

だからこそ、人に教える立場になるためには、自分自身がその道を歩いていることが大切なのだと思います。

そして、ここで印象に残ったのが、「成長の機会を奪ってはいけない」という考え方でした。

相手のためを思って答えをすべて渡してしまうことは、一見すると優しさのように見えます。
しかし、本当の優しさとは、相手が自分で考え、成功や失敗を経験しながら成長できる環境をつくることなのだと感じました。

一歩ずつ積み重ねるからこそ、自信になる

この話を聞いて思い出したのが、『グランメゾン東京』のあるシーンです。

新人にいきなりすべてを任せるのではなく、まずは包丁の使い方、次に食材の扱い方。そして、一つの工程ができるようになったら次へ進む。
そんな育成が描かれていました。
これは『アンストッパブル』でも同じです。
フランクは若手に答えだけを渡しているのではありません。
隣で一緒に経験し、判断し、現場を見せる。
だからこそ、ウィルは「自分にもできた」という自信を積み重ねていきます。
人は、一つずつ成功体験を積み重ねることで、大きく成長していくのだと思います。

師から学ぶ最大の価値は、「再現性」を身につけること

今回の話の中で、とても印象に残った言葉があります。
それは、
「独学ではなく、師に学ぶ理由は『再現性を身につけるため』だ」

という考え方です。
独学でも成果を出せる人はいます。
しかし、その方法を人に伝えられるかというと、話は別です。

自分が歩んできた道を振り返り、
「なぜその順番だったのか」
「なぜその判断をしたのか」
を整理できて初めて、人に教えられるようになります。

組織を作る人や事業を大きくしていく人にとって、この再現性はとても重要な力です。

だからこそ、どの業界、業種でも『師』から学ぶということは、単に知識を得ることではなく、未来の仲間を育てられる自分になるための学びでもあるのだと感じました。

まとめ:小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり

『アンストッパブル』は、暴走列車を止める映画でありながら、「経験はどのように受け継がれるのか」を教えてくれる作品でもあります。

仕事では、答えを渡すことが教育ではありません。

本当に大切なのは、相手が自分で考え、失敗し、改善し、「自分でできた」という成功体験を積み重ねられる環境をつくることです。

それは、一見すると遠回りで、少し冷たく見えるかもしれません。

だからこそ、「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」という言葉があるのだと思います。

目の前の優しさで答えを与えることは簡単です。

しかし、本当に相手の未来を考えるのであれば、自ら考え、挑戦し、成長する機会を残してあげることの方が大切です。
そして、その成長のプロセスを最も効率よく学べるのが、その道の『師』から学ぶことです。

師は答えを与えてくれる存在ではなく、成長する順番を示してくれる存在です。一つひとつの課題を乗り越えながら経験を積み、その経験を自分の力へと変えていく。
だからこそ、独学ではなく、師から学ぶことには大きな価値があります。

私自身も、目先の答えを求めるのではなく、経験を積み重ねながら学び続けたいと思います。
そして、教える立場になったときには、相手の成長の機会を奪うことなく、自ら考え、自ら成長できる環境をつくれる人でありたいと思います。

今回の記事が、人材育成や組織構成に関わっている方やこれから携わろうとされている方にとって、考え方の観点を増やすきっかけとなれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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