夏の正装
先日、
バイトの移動中だった。
とても暑い日である。
国道沿いの広い歩道を、
ランナーが走っていた。
帽子をかぶり、
短パン姿。
ここまでは、
いかにも夏らしい。
ところが、
上半身には何も着ていなかった。
裸である。
ここは公園のランニングコースでも、
河川敷でもない。
車も人もたくさん通る、
ごく普通の国道沿いである。
私は思った。
これはどうなんだろう。
男性だからいい、
という話でもない。
もし女性だったら、
当然そんな格好では走れない。
だったら、
男だけいいという理屈も、
何となく座りが悪い。
暑いのは分かる。
この夏は、
本当に身体にこたえる。
私もバイトで汗だくになる。
最近は短パン姿の大人も珍しくなくなった。
それは時代なのだろう。
でも、
上半身裸となると、
どうも落ち着かない。
年寄りの古い感覚なのかもしれない。
それとも、
痩せ我慢というものを、
どこか美徳だと思っている世代だからだろうか。
もっとも、
あの人は鍛えた筋肉だった。
見せたくなる気持ちも、
少しは分からないでもない。
私の腹など見せたら、
必ず苦情が来るだろう。
だから今年の夏も、
シャツだけは、
ちゃんと着ているである。
