【枯渇】生きる理由もない。死ぬ気力もない。│ショートショート
『今日の予定:明日の予定を立てる』
明日か...『明日の予定を立てる』にしとこう。
何をするでもなく、何もすることがなく、何かをする気力もなく、ただこうして
一日一日“延命”するように予定表を書き続けるだけの日々を過ごすようになって3ヶ月が経つ。
そろそろ次の予定に『遺書を書く』を追加してもいい頃かな、と思った。
だが、次の瞬間には、特に最期のメッセージを遺したい家族も友人もいないのに、なぜ遺言書が要るのか?と思った。
誰かに遺せるような財産もない。
書く必要はないな、と秒でその案は却下になった。
それなら、身辺整理か、と次の案が浮かんだ。
後片付けでなるべく人様に迷惑をかけないように、そして、人に見られて困るようなものは残さないように。
せめてもの気遣いと、最期の恥じらいだ。
だが、待てよ?
何のために片付けをする?
特に死ぬ予定は、まだない。
積極的に死のうという気力も、行動力もない。
死ぬ方法を考える頭の動きも、ない。
ただベランダから飛び降りればいい?
そんな簡単なことじゃない。
ベランダまで出る気力がない。
飛び降りようとすれば、柵を乗り越えるために少し体を浮かせたり、腕に力を入れて柵を掴まなくちゃいけないじゃないか。
そんな力が出るくらいなら、とっくにもっと有意義なことをしている。
起き上がらなくても、立ち上がらなくてもできることくらいしかしていない。
唯一、トイレにだけは立つ。
寝床が汚れたら、掃除しなくちゃいけなくなる。
そんな面倒事は嫌だ。
気力がなくても腹は減るから、多少は食べる。
死ぬのは構わないが、ツラいのは嫌だ。
ただのわがままか?
もうそれでいい。
言い返す気力も、言い訳する理由もない。
俺は生ける屍だ。
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