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99%は凡人以下、1%は天才。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。テレビドラマやアニメーション、子ども番組や広告系の仕事をしてます。このマガジン「作曲家のリアル」では、作曲家の仕事と日常について書いてます。


こういう仕事をしてると、自分の能力と向き合わないといけないことが多いです。同じ人間に生まれたのに、まわりは才能あふれる人たちばかりで、常に劣等感はあるし、コンプレックスだけど、かと言って努力してきた人生でもないので、割とすぐに諦めがつくし、挫折だとも思わないですが。考えてみれば音楽をはじめる前も、特に何かに長けてたわけではなく超普通の人間でした。運動音痴だし。

ぼくは22歳からずっとこの仕事してますが、音楽の才能があるとは思えないです。すごく凡人です。なんなら凡人にも到達してないのでは?と思うこともしばしば。楽器がまったく弾けなくて、譜面もわからなくて、音楽も全く勉強してこなくての今。まぁ、ある意味考えようによれば「天才」なのかもしれないですけど、学生の頃からの落書きのレベルが上がってる程度だと思ってます。体系だったものも全く持ってないし。

Spotifyで聴く好きな音楽や、テレビから流れてくる色んな音楽は、どれも自分には作れないレベルの音楽ばかりです。まわりの作曲家や編曲家はみんなすごいです。技術もセンスも高いです。

20代の頃の僕は、浅く広くいろんな曲調を作っていました。それはそれで特定の狭い世界では通用してました。でもテレビの仕事をするようになって環境が一変しました。誰でも無料で観られるテレビ番組に自分の名前がクレジットされること、それは、不特定多数の視聴者の目にさらされ、常にプロの厳しい審美眼にさらされるということでもあります。そのプレッシャーは、20代の頃とは比べ物にならないです。

才能がないとわかっていても、「良い音楽をつくる作曲家」になりたい気持ちはますます強くなります。「才能ある作曲家になりたい気持ち」は未だにあります、もう50代なのに。

ある日、僕は自分を分析します。自分の中で得意なことは何なのか、苦手なことは何なのか。人に喜ばれてる部分はどこなんだろうか?仕事として求められてるのは何だろうか?人並みにできること、人以上にできること、人より劣ってること、その中で自分がやりたいこと、自分が好きなこと、嫌いなこと。そういうものを頭の中でカテゴリー別に細かくリスト化してみました。

いろんな経験をしてると、自分に期待する部分が減ってきます。出来ることと出来ないこと、向いてることと向いてないことが具体的にわかってきます。やってみたいことを一通りやってきたのも大きいです。「あの場所にいけてたら活躍できたのかもしれないのに!」みたいな幻想が全くない。「バンドを続けてたら売れてたかもしれない」みたいな、やらなかった人生の可能性に期待することもないです。実際にやってみて、向いてなかったことも、通用しなかったことも、それなりにわかってます。

例えば、15秒のCM音楽は得意だけど30秒CMは苦手。じゃあ、その苦手な理由は何なのか?って考える。実写ドラマも仕事としては好きだけど、向いてるとは思えない。それは何故なのか?でも、評価してくれる人がいたから依頼がきてたんだと思う。まぐれで一度二度仕事が来たわけじゃなく、10年以上続いてたわけだし。そう考えると、自分では「苦手」「向いてない」と思ってることの中にも、何か得意なことが含まれてるんだろうなって。じゃあ、それは何なんだろう?と。

確かな「技術」だけでは良い仕事ができないので、「感覚」の部分も大事。でも、感覚は評価が難しい。「自分のこだわり」や「誰がなんと言おうと自分は自分の音楽が好き!」という気持ちは大切だけど、それがただの自己満足で終わってしまっては意味がない。でも、人が評価してくれないからといって、その感覚が劣ってるとも限らない。評価されることと、良い感覚を持ってることは別の話だったりする。

だから結局、何を信じるかは自分で決めるしかない。

自分のどの部分の才能を信じるかで、進める場所は全然違うと思うんです。そこを見誤ると、それ以上いけないと思う。そもそも才能がない場合もあるし、最初は才能がなくても、努力や経験によって信じられる場所ができることもある。作曲ってあるラインまでは後天的なものだと思ってます。だいたい実現しないのは努力不足。

僕は、一般的な作曲の能力はないし、100のうちの99は凡人以下だと思っています。謙遜ではなく本当に思ってます。だけど、1%の「得意な部分」だけを見て、「自分は天才!」って言い聞かせて、そこに賭けたいと思ってます。てか、そこを信じるしか、続けていける方法がないから。

99%の部分に賭けてしまったら、僕はいつまで経っても、自分が思う「良い音楽をつくる作曲家」には近づけないです。32年間、いろんな仕事をしながら「ここかな?ここじゃない」を繰り返してきました。遠回りしてる気分はないです。それなりに興味持って割とちゃんとやってきたので。そして、そうやって残ったのが、1%の得意分野。

その1%が、はじめてビタッとはまった作品があります。

明日、情報解禁されます。

これは間違いなく、僕の新しい代表作になると思います。
楽しみにしててください!!


(追記 2026/8/20)
ということで、情報解禁されました!
大切な作品です。よろしくお願いします!


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