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ふるさと納税、イベント、移住相談。全部つながっているのに「別の人」になっていないか。

「関係人口を増やそう」

地域づくりの仕事をしていると、よく聞く言葉です。

移住まではしなくても、地域に継続的に関わってくれる人を増やす。

人口減少が進む地域にとって、とても重要な考え方です。

でも、全国242自治体を対象にした調査を見ていて、少し気になる数字がありました。

人口減少や担い手不足に危機感を持っている自治体は97.5%。

一方で、

関係人口を「全体として把握できている」自治体は7.4%。(この差!)

さらに、

その人たちの関心や本音を継続的に把握できている自治体は4.5%。(課題しかない!)

だそうです。

つまり、

「関係人口を増やしたい」

と思っている一方で、

「今、誰とつながっているのか」がよく分かっていない。

そんな状況が見えてきます。

自治体には、実はたくさんの接点がある


調査では、自治体と地域外の人との接点は平均4.2チャネルありました。

最も多いのは、ふるさと納税の寄附者。

ほかにも、移住相談、地域イベント、観光、地域おこし協力隊、SNS、各種交流事業。

自治体には、地域外の人と接点を持つ仕組みがすでに結構あります。

でも行政で仕事をしていると、ここに一つ問題があります。

担当課が違います。

ふるさと納税はA課、移住はB課、観光はC課、イベントはD課。

それぞれが、それぞれの目的で事業をしています。

だから同じ人が、

ふるさと納税をして、

旅行で訪れて、

イベントにも参加して、

移住相談もしていたとしても、

行政側から見ると、

四つの別々の「参加者」になっている可能性があります。

行政では「事業単位」で人を見る


これは、ある意味仕方のないことです。

行政には予算があります。

事業があります。

担当課があります。

成果指標があります。

だから、

このイベントには100人参加した。

今年の移住相談は50件だった。

ふるさと納税者は何万人だった。

と事業ごとに集計します。

私自身、公務員として仕事をしているので、この考え方はよく分かります。

でも地域側から見ると、少し違います。

大切なのは、

「何人参加したか」だけではなく、「その人がその後どうなったか」

ではないでしょうか。

一度来てくれた人を、また
ゼロから集めていないか


例えば、地域イベントに100人来てくれた。

イベントは成功、アンケートを取る、報告書をつくる。

事業終了。

そして翌年、また参加者を募集する、広告を出す、SNSで告知する、チラシを配る。

でも前年の100人の中には、

「また行きたい」

「何か手伝いたい」

「もっと地域のことを知りたい」

と思ってくれた人がいたかもしれません。

その人たちと、その後もつながれているでしょうか。

私は最近、

新しい人を100人集めることより、一度関わった10人との関係を一段深くする方が大切な場合もある

と思うようになりました。

法人を始めて、「その後」
が気になるようになった


法人を運営するようになって、行政とは少し違う角度から人との関係を見るようになりました。

イベントに参加してくれた。

一度話をした。

地域活動に興味を持ってくれた。

そこで終わりではなく、

「この人は何に興味があるんだろう」

「次にお願いできることはないだろうか」

と考えます。

小さな組織なので、一つ一つの出会いが貴重だからです。

そして最近このnoteでも書いているように、

地域の困りごとを、誰かが参加できるサイズまで小さくした「ミッション」として渡す。

そんな仕組みを考えています。

そのとき必要なのは、

単なる名簿ではありません。

「この人は何が得意なのか」

「何に興味があるのか」

「どのくらいなら参加できるのか」

という情報です。

「人数」から「関係」へ


今回の調査でも、データを活用したい目的として最も多かったのは、

「継続的な関係の維持・深化」80.6%

でした。

これは、とても納得できます。

移住してもらう、企業誘致につなげる、ふるさと納税を増やす。

もちろん重要です。

でも、その前に、

一度地域に関わった人との関係を切らない。

もう一度情報を届ける。

次の出番をつくる。

少しずつ関係を深める。

こちらの方が、関係人口という言葉の本来の姿に近い気がします。

データをまとめれば解決するわけではない

ただし、名簿を一つにまとめればいいという単純な話でもありません。

個人情報の扱いがあります。

本人の同意も必要です。

行政内部で利用目的の異なる情報を、自由に横断利用できるわけではありません。

今回の調査でも、課題として、

「効果を測れない」64.0%。

「部署ごとのデータ分断」62.4%。

「継続的な関係づくりにつながらない」53.7%。

が挙げられています。

つまり、システムだけの問題ではありません。

人との関係をどう設計するか

という話でもあります。

「登録者」ではなく「次の出番」を見る


先日、このnoteで「ふるさと住民登録制度」について書きました。

国が地域と人をつなぐインフラをつくる。

そのとき地域側には、

「登録してくれた人に、どんな出番を渡すか」

が必要ではないか、と。

今回の調査は、その前段階にも同じ課題があることを示しているように感じます。

すでに地域と接点を持っている人はいる。

でも、その人が誰なのか。

何に興味があるのか。

次に何をお願いできるのか。

そこまで見えていない。

だったら、

「関係人口を何人増やしたか」

だけではなく、

「一度関わった人に、何回次の出番をつくれたか」

を見てもいいのではないか。

新しく集める前に、今いる「味方」を見る


人口減少時代には、地域に関わってくれる人を増やすことが必要です。

でも、毎回ゼロから人を集め続けるのは大変です。

だからこそ、

ふるさと納税をしてくれた人。

イベントへ来てくれた人。

地域の商品を買ってくれた人。

移住相談をしてくれた人。

一度でも地域と接点を持った人との細い糸を切らない。

そして、

「また関わりたい」

と思ったときに、次の出番を渡せる。

私は、そんな仕組みを地域側につくることが大切だと思っています。

関係人口を増やす前に、

私たちは今、誰とつながっているのか。

まず、そこを見る。

人口が減っていく地域にとって、本当に大切な「味方」は、すでにどこかで地域とつながっているのかもしれない。

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