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【第21話】怒涛のイベントラッシュとドイツの「チップ文化」で掴んだ最高の報酬

デュッセルドルフに訪れた「超激務の1ヶ月」

「咲ちゃん、今月は覚悟しておいてね……! 1年で一番忙しい時期が来るよ!」

バイト先の飲食店に着くやいなや、店長から気合いの入った声が飛んできた。

そう、今月のデュッセルドルフは、街全体がひっくり返るほどの「ビッグイベントラッシュ」なのだ。

  • 大規模国際見本市(メッセ / Messe): 世界中からビジネス客が集結し、飲食店はどこも予約で超満員!

  • 日本デー(ヤーパンターク / Japan-Tag): 数十万人が押し寄せるヨーロッパ最大級の日本文化フェスティバル。

  • ドコミ(DoKomi): ドイツ最大のマンガ・アニメコンベンション。色鮮やかなコスプレイヤーたちで街が埋め尽くされる!

お店側もこの激流に備えてしっかりシフト人員を確保していたけれど、それでも連日連夜、店内は戦争のような大繁盛だった。

頑張りが直結する! ドイツバイトの醍醐味「チップ(Trinkgeld)」

けれど、私にとってこの激務は「つらいこと」ばかりではない。むしろ、胸の奥で秘かなワクワク感がメラメラと燃え上がっていた。

(ふふふ……忙しいということは、それだけ『あの収入』が期待できるってこと……!)

そう、ドイツのバイトにおける最大の楽しみ——「チップ(Trinkgeld)」だ! 特に国際的なメッセやイベントで訪れるお客様は太っ払いで、気前よくチップを弾んでくれることが多い。

ドイツのチップ文化は強制ではないけれど、良いサービスをすると「Stimmt so(お釣りは取っておいて)」と気持ちよく払ってくれる。そして私のお店では、集まったチップをその日働いたスタッフ全員で平等に分配するシステムなのだ。

「咲ちゃん、今日もお疲れ様! はい、今日の分!」 「ありがとうございますっ!」

シフト終わりに手渡される重みのあるチップの袋。 バタバタと走り回って足が棒のようになった日も、この手応えがあるだけで疲れが一気に吹き飛んでしまう。

口座残高を見て大歓喜! 過去最高の月収達成

そして、嵐のような1ヶ月が過ぎ去った翌月——。

ついに、待ちに待った「給料日」がやってきた!

銀行口座の残高アプリを開き、震える指で画面を更新する。そこに表示された数字を見て、私は思わず目を見開いた。

「っ……!! 1,640ユーロ(約26万円)……!?」

画面に燦然と輝く、これまで見たこともない大金。 基本給に加えて、あの激動の1ヶ月で積み上がった膨大なチップが見事に上乗せされていたのだ!

「すごーーーい!! やったぁぁぁ!!」

誰もいない自分の部屋で、思わずバンザイをして歓喜の声を上げてしまった。

自分で掴んだ成果と、これからの楽しみ

立ち仕事で足腰がガタガタになった日も、オーダーに追われて目を回しそうになった日も。 自分の努力がこうして目に見える「成果」としてしっかり数字に反映される。頑張ったら頑張った分だけ正当に報われるこの感覚は、何物にも代えがたい快感だった。

(1,640ユーロ……! この臨時ボーナス並みの収入、何に使おうかな……!?)

  • 気になっていたオシャレな服を買う?

  • ずっと行ってみたかったレストランで贅沢する?

  • それとも、お休みを取ってドイツ国内や近隣国へ旅行に出かけちゃう……!?

苦労して稼いだお金の使い道をあれこれ妄想するだけで、胸のときめきが止まらない。

ワーキングホリデーの醍醐味を全身で噛み締めながら、私はニヤニヤが止まらない顔で給与明細をそっと胸に抱きしめるのだった。

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