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カートに3万円ぶん入れて、結局ひとつも買わなかった話

いただき物のワインを開けて、半分くらい残したまま寝ました。

次の日の夜にひとくち飲んだら、前の日と味が違いました。

まずいというほどでもなくて、なんとなく平たい味です。

残りをどうしようか少し考えて、結局そのまま流しに空けました。

もったいないとは思ったんですが、それ以上に残ったのは別の感じでした。

もらった物を、ちゃんと扱えなかったな、という感じです。


ちゃんとしていないのは、道具のせいだと思っていました

その週末に、スマホで調べ始めました。

ワイン 保存、ワイン 冷蔵庫、ワイン 温度。だいたいこのあたりです。

出てきたのは、道具の話でした。

小さいワインセラー、空気を抜く栓、酸化を防ぐスプレー、ボトルに貼る温度計。

気づいたらカートに全部入っていて、合計は3万円を少し超えていました。

買ったあとの自分を、けっこう具体的に想像しました。

キッチンの隅にセラーがあって、そこから1本出してきて、ちゃんとした温度で飲む自分です。

いま思うと、僕が欲しかったのはワインではなくて、その自分のほうでした。

そしてこの感じ、初めてではありませんでした。

走ろうと思ったときはシューズを見ていたし、生活を整えようと思ったときは手帳を見ていました。

やり方が分からないとき、僕はいつも先に道具を見にいきます

道具は買えば手に入るけれど、やり方は買っても手に入らないので、たぶん逃げているんだと思います。


買う前に、困っていることを紙に書き出しました

さすがに3万円はまあまあの額なので、一回止まりました。

いま自分が本当に困っていることを、紙に書き出してみたんです。

3行しかありませんでした。

開けた残りが翌日おいしくない。赤ワインをどこに置けばいいか分からない。もらった1本を半年 放置している。

これだけです。

3行に対して3万円は、明らかに大きすぎました。

問題の大きさと、解決しようとしている道具の大きさが、合っていない。

そこでようやく、買う前に調べる順番が逆だったことに気づきました。

僕は「何を買えばいいか」を調べていて、「どうすればいいか」を調べていませんでした。


調べたら、答えのほとんどが「そのままでいい」でした

順番を戻して、3行それぞれについて調べ直しました。

いちばん驚いたのは、開けたあとの保存です。

栓をして、冷蔵庫に立てて入れる。これで3〜5日はおいしく飲める、というのが目安でした。

赤ワインも冷蔵庫でいい、と書いてあって、そこは完全に誤解していました。

僕が捨てたあの半分は、常温のまま台所に立たせていたぶんです。

次に、赤は常温という言い方の話です。

あの常温はヨーロッパの涼しい室内、だいたい15〜18度あたりを指しているそうです。

日本の部屋は夏なら25度を超えるので、そのまま当てはめると赤には高すぎる。

飲む30分から1時間くらい前に冷蔵庫に入れるだけで、目安の温度帯に近づきます。

冷やし忘れた日の逃げ道もありました。

氷と水を半々に入れた容器に塩をひとつかみ足してボトルを浸けると、白やスパークリングなら15〜20分ほどでよく冷えるそうです。

塩を入れると氷が溶けるときに熱をより多く奪うから、というのが理由でした。

そして肝心のワインセラーです。

必要かどうかは3つの質問で判断できる、という書き方がされていました。

月に飲む本数より買う本数が多いか。未開封で1か月以上置くボトルがあるか。夏に室温が25度を超える部屋で常温保管しているか。

2つ以上あてはまるなら検討する価値がある、という目安です。

僕は3つとも当てはまりませんでした。

というより、買うペースより飲むペースのほうが速くて、そもそもストックが1本もない側の人間でした。


それで、カートを空にしました

セラーも、栓も、スプレーも、温度計も、全部消しました。

3行の困りごとのうち2つは、冷蔵庫に立てるだけで消えていたからです。

残りの1つ、半年 放置していた1本は、その週末に開けて飲みました。

そのあと、もうひとつ作りかけていたものがあります。

開けた日を入れておくと、いつまでに飲めばいいか教えてくれる小さいアプリです。

紙に画面の絵まで描いて、通知の文面まで考えていました。

でも、作りませんでした。

必要だったのは、立てて冷蔵庫、3日から5日、という一行だけだったからです。

その一行を覚えるのに、アプリは要りませんでした。

仕組みを増やすと、その仕組みの世話をする係が1人増えます

開けた日を入力する自分、通知を消す自分、入力し忘れて意味がなくなる自分です。

これまで作ってきたもので、そうやって静かに使われなくなったものが、いくつかあります。

だから今回は、覚えておけば済むことを、覚えておくことにしました。

そのかわり、調べて分かったことは全部 文章にして置いてあります。

ワインの扱い方だけを書いているブログで、開けたあとの保存、温度、冷やし方、セラーが要るか要らないか、あたりが並んでいます。

無料で、登録も要りません。

読んで「今の自分には要らない」と分かったなら、それがいちばん得をした読み方だと思っています。


正直に書いておきたいこと

僕はワインに詳しくありません。

書いてあるのは、詳しくないほうの人間が調べて確かめたことです。

温度や日数も目安で、絶対の正解ではないので、そういう書き方にしてあります。

それから、商品を紹介している記事もあって、そこにはAmazonアソシエイトの広告リンクが入っています。

記事の冒頭にその表示を出していますが、ここでも一度書いておきます。

あと、これがいちばん大事なんですけど、この記事はお酒を勧めるものではありません。

体質的に飲めない人もいるし、飲まない選択も普通にあります。

20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
薬を飲んでいるとき、運転する日、妊娠中や授乳中は飲まないでください。

僕もそんなに強くないので、だいたいグラス1杯で終わります。


増えなかったものは、あとから数えられない

この話には、見せられる成果がありません。

セラーは部屋にないし、アプリも存在しないので、写真も撮れません。

何かを作った話だったら、こんなふうに書けたと思います。

困ったことがあって、調べて、それで作りました、と。

そのほうがきれいに終わるし、たぶん読み終わりも気持ちいいです。

でも今回はそうならなくて、増えなかったものだけが残りました。

置き場所に困る箱がひとつ増えなかったこと。世話をする係がひとり増えなかったこと。

このどちらも、あとから数えることができません。

だから、こういう判断は自分でも忘れます。

忘れて、また半年後くらいに、別のジャンルで同じカートを作ると思います。

それでもいい気がしています。

3万円を使わずに済んだ日のことを、こうして1回だけ書いておけば、次に止まりやすくなるので。

何かを作らないと決めるのも、ちゃんと1回ぶんの決定でした

道具を増やす前に立ち止まる話は、ブログの方にも書いています


💡 「お金の不安」の正体は、たぶん金額じゃない

お金の不安って、金額そのものよりも「何が分からないのかが分からない」ことの方が大きい気がしています。

年金、保険、税金、NISA。どれも働き始めた瞬間から自分に関係しているのに、まとめて教わる機会がないままです。

その範囲をひととおり地図にしたものが、たまたまFP3級の出題範囲と重なっていました。

読むだけだと分かった気になるので、1問ずつ解いて確かめられる場所を作りました。

スマホで解けて、冒頭は登録なしで無料です。
各問に出典と前提年度を付けているので、いつ時点のルールなのかまで確認できます。

あなたが「買おうとして、結局買わなかったもの」は何ですか?

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