見出し画像

2026 FUJI ROCK FESTIVAL レポート Vol.1

フジロックは、音が鳴る前から始まっている。

今年も苗場へ帰ってきた。

20年以上通っていると、フジロックは「イベント」ではなく、一年に一度帰る場所になる。

今年はチケットが早々に完売し、結局リセールで購入した。

決して安くはなかった。

それでも迷いはなかった。

今年もこの場所へ来たかったから。

私たちの前夜祭


ここ数年は前泊が定番になっている。

当日の朝を慌ただしくしたくないという理由もあるけれど、もう一つ理由がある。

20年来、一緒にフジロックへ通う仲間との時間。

「前夜祭に行かないの?」
と地元の方はみんな聞いてくる。

でも、私たちには私たちなりの前夜祭がある。

湯沢の街へ出て、宿の方に教えてもらった居酒屋へ向かう。

地酒を飲み、地元野菜の漬物をつまむ。

豪華な料理じゃなくていい。

その土地の味を楽しみながら、
その土地に少しでも貢献したく。

「今年はどんな3日間になるかな。」

そんな話をしながら。

2001年からの参加で23回という歳月は長い。

あの頃は若かった私たちも、すっかりいい歳に。

それでも今年も同じように杯を交わせることが、何より嬉しい。

フジロックは、ここから始まっている。

苗場へ向かう朝


翌朝は、会社の後輩たちを迎えに行く。

娘と同い年くらいの後輩もいて、おじさん二人だけだった車内は一気に華やかに。

とはいえ、私の役目はただのアッシー君。

会場で降ろして、

「じゃあまた明日!」

そのくらいの距離感が心地いい。

25年通っていると、こうして誰かを苗場へ案内する立場になるのも悪くない。

お約束のエントランスゲートショット。
今年も無事に来れた。


息子が好きな音楽


初日、一番印象に残ったライブはフジロックは、音が鳴る前から始まっている。


初日、一番印象に残ったライブはMy Hair is Badだった。

実は全く聴かない。

でも息子が好きなバンドなので、一度ちゃんと観てみようと思った。

ライブも素晴らしかったが、それ以上に心を動かされたのはボーカル椎木知仁さんのMCだった。

歌うように語り、語るように歌う。

まるで一篇の詩を読んでいるようだった。

あの人のようにはなれないけど
自分らしくなりたい。


気が付けば涙が出ていた。

しかも、その瞬間を後輩たちに見られてしまった。

少し照れくさくなって息子にLINEを送ると、

「椎木節、聞けたんだ。」

と返ってきた。

その一言で、息子がこのバンドを好きな理由が少しだけ分かった気がした。

娘と同い年の会社の同僚とアッシー君の私


同じように歳を重ねる


Hi-STANDARDも素晴らしかった。

30年来の先輩も大喜びで、セットリストにも大満足。

MCでは少しSNSで話題になる発言もあったようだけれど、会場で聞いていて思ったことがある。

右とか左とか、そういうので分断しなくていい。
反体制であることだけがパンクじゃない。
お互いを認め合って仲良くやろう。

社会に、大人に、権力に。

そんなエネルギーがパンクを生み出した。

でも、50代になった彼らは、自分たちなりの言葉で今の時代を語っていた。

それを聞いて違和感はなかった。

彼らも歳を重ねた。

そして、それを聞いている自分たちも同じだけ歳を重ねたのだから。

恒例の「今年のカクテル」はブラッディメアリー


ようやく観られたThe xx


初日の締めはThe xx。

実は前回フジロックに出演したとき、仕事のトラブルで途中退場しなければならなかった。

ずっと心残りだった。

だから今年は、「ようやく」という気持ちが強かった。

Coachellaの映像は何度も観ていた。

演出もセットリストも知っていた。

正直、驚きはなかった。

でも、それでよかった。

観たかったのは「初めてのThe xx」ではない。

苗場で鳴るThe xxだった。

ミニマルなサウンドが、夜の森の静けさに溶け込んでいく。

同じライブでも、苗場には苗場だけの空気がある。

映像では決して味わえない時間。

オリバー男前だな


音楽がつないでくれるもの


初日はライブだけではなかった。

昔一緒に働いた後輩と再会し、当時の仕事やその後の人生を笑いながら振り返った。

あの頃は真剣だったことも、年月が経つと笑い話になる。

一通りが終わって戻った宿では、現地合流した音楽好きの去年までの上司を招いて反省会。

自分が思い描く未来の少し先を行ってる彼だけにいろいろ語り合いたいこともあったけど、少し気を遣った、気を遣わせてしまった。

そんな時間もまたフジロックらしい。

今年は、音楽を通して人との縁を改めて感じるスタートになった。

ライブを観るだけでは終わらない。

それもまた、25年以上通い続けてきたフジロックだからこその楽しみなのかもしれない。

風のように舞い降りた藤井くん。
10年前の元後輩。




(Vol.2へ続く)

いいなと思ったら応援しよう!