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まともな音に飽きたマニアに捧ぐド変態イヤホン「GEEKWORLD GK12 Ultra」 #自腹レビュー

ああ、イヤホン、飽きたな。まともじゃないイヤホンが欲しい……。

そんなマゾ気質のマニアのみが手にする事を許された、約束されたド変態イヤホン。それがGEEKFLY GEEKWORLD GK12 Ultraです。いい音が欲しい人は別の店へどうぞ。際どい方が面白い……!そんな危うい魅力を放つこのイヤホンについて語っていきましょう。


まずスペックからしてどうかしています。「2DD+2(PZT)BC+1BA+1Planer」という、とりあえず思いつくものを全部詰め込んでみましたと言わんばかりのド変態構成。

DDは中低域を担当、骨伝導の中でも高音域に作用するPZT(圧電セラミックス)式の骨伝導を2発採用し、骨伝導するだけでなく耳からも高音域を伝える。BAも中高音域の明瞭感を高めるのに一役かっており、1Planerも複数あるどの平面ドライバの方式かわからないものの、高音域の質感を高めるのに役に立っている、と思われます。

PZT骨伝導ユニットを搭載している性質上、大きめの音量を与えた方が圧倒的に印象は良好になります。そして低音、かなり強いです。実は5ch界隈などで「酷い音」という評判もチラホラ見ていたので少しビビっていたのですが、なんか案外明瞭で普通に良い音……いや、ちょっと待ってください。

F特(周波数特性)的に見れば中域は凹んでいて、高音もスカスカなはずなのです。

https://tonedeafmonk.squig.link/?share=Geek_Wold_GK12_Ultra
特に4KHz、11KHz付近のディップ(凹み)が気になる

が、しかし。鼓膜を一直線に貫通してキラめくこの謎の感触……。このGK12 Ultra、やはりどう見てもまともではありません。紛れもなく変態による変態のための猥褻なアダルトグッズと言えましょう。この音、日本では刑法175条で規制されるかもしれません。

間違っても、これでクラシックのオーケストラなんか聴いてはいけません。正しくない発音のオンパレードになります。ピアノのある音域が不自然に鼓膜を貫通して聴こえてくる上、楽器の正しい定位などはもうどうしようもなく崩壊。演奏のニュアンスは完全に幻惑的で、笛が前に出すぎたり、ボーカルはめちゃくちゃ遠かったりとやりたい放題です。ただ、ありえない音なのですが「これはこれでおもしろい」と思わせてしまう魔力があります。

明確に向いているジャンル、それは完璧に電子楽器です。ある種のテクノやEDMには脳を揺さぶるレベルで激ハマリします。

装着には、普通のイヤホンとは全く異なる「作法」を要求されます。ポンと耳に放り込んで終わりの甘えた製品ではありません。イヤーピースの選択とフィッティングには、病的なまでの執念を燃やしてください。なぜなら、このイヤホンの肝である「PZT骨伝導ユニット」は、筐体が耳介(耳の軟骨部分)にピッタリと物理的に接触していなければ、その変態的な高音と振動を頭蓋骨に届けてくれないからです。中途半端に浮いた装着では、ただの曇ってカスカスのゲテモノサウンドに成り下がってしまいます。適切に装着しなかったらどのくらい、といえばゲテモノ料理であるイカスミパスタと違って料理として成立していないというレベルのゲテモノ具合といえるでしょう。この時点では、正直300円の百円ショップのイヤホンのほうがマシな音ということになります。

筐体全体を耳のくぼみにねじ込み、肌へ完全に密着させるようにセットするのが絶対条件です。そのためには、普段使っているイヤーピースよりも「1サイズ、あるいは2サイズ小さめ」を選ぶのがベター。さらに言えば、軸が短めのTWS(完全ワイヤレス)用イヤーピースや、耳穴にペタッと吸い付くような特殊素材のものまでも使って、イヤホン本体を耳介にぴったりと押し込むくらいの覚悟が必要です。正しいポジションにバッチリとハマった瞬間、耳の軟骨を微細に震わせながら、脳のど真ん中に直接電子音が叩き込まれるような未知の快感が押し寄せてきます。このベストポジションを探り当てるまでの苦労すらも楽しめるという、真のマゾ野郎にしか扱えない代物なのです。

音のバランスを語るなら、低音域は強すぎな位強く張り出しますが、ギリギリボケボケになるあたりまでガッツリ出ます。腑抜けたドボドボの低音と物足りない中音域……と思いきや、そこにキラッとPZTとBAと骨伝導の高級感すらある高域が乗ってくるのです。

例えるなら「お好み焼きの具材にホイップクリームとイチゴ入れてチョコレートをぶっかけてバナナも入ってます。あ、お好み焼きなのでなんらかの肉も入ってます。なんの肉かはわかりません」というカオスな状態。でも、うまいと思えばうまい。間違いなくここでしか食えない味です。しかしどう考えてもゲテモノです。中低域は筐体の樹脂の胴鳴りも積極的に使っていくスタイルで、安っぽい音になりそうなところに、なぜか割と高級そうな高音域が居座っているのが場違いすぎです。このバナナ、高級台湾バナナか。

まとめましょう。GK12 Ultraは、まともな音が嫌になったマニアだけが到達できる境地に達している極めて際どい製品です。初心者が掴むべきものではありません。しかし、イヤホンというものが出しうる音や体験の限界を超えてくる「イロモノ」としては、大いに評価できる製品です。

このイヤホンでしか味わえない、極めて変態的な体験をしたい人。「音が悪いとかそんなこまけぇこたぁいいんだよ、俺はモザイクの無い動画が見たいんだよ!」という欲望の本質だけを突き詰めて突っ走っていきたい人にだけおすすめ出来ます。特に、テクノやアシッドのような電子楽器ジャンルが好みの人には強くおすすめ出来ます。電子楽器でもハウスやメロディが複雑な構成の曲だと多少破綻しています。

下品な例えになりますが、「ブサイクだけどやたら気持ちいい」みたいなもので、なぜだか知らないけど気持ちよくなってしまった、みたいなエクストリームな体験が味わえます。

ただし、まともな音ではないうえ、相対的に評価して「いい音」かどうかはかなり怪しいです。間違っても中音域の情報量や艶やかさなどは期待しないでください。極めて暴力的なアプローチでしか解決できない感覚に直接作用する、ということだけは言っておきます。

まともな人は、骨伝導搭載イヤホンが欲しければKBEAR KB02とか、BQEYZ Winterシリーズとかを買うようにしてください。

いい音じゃなくて気持ちいい(あるいは気持ち悪い、かもしれない)音が欲しい人だけが手にしてください。

以上になります。キチガイみたいな音のイヤホンが欲しい人だけ買ってください。

GEEKWORLD GK12 Ultra のお買い求め先

アリエクスプレスとかいう怪しいサイトで8200円も払える人だけが手にすることができる薄気味悪い製品ですが、日本の店とかでは買えないです。6ドライバで8000円で買えるんだから仕方ないです。中華マジック。

GEEKWORLD GK12 Ultra 到着ポスト


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