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ドラマ『Tシャツが乾くまで』という作品の凄みを、改めて感じた"美容院デー"

先日は、数か月に一度の"美容院デー"でした。担当Sさんとのカウンセリングが終われば、いつものように楽しいトークタイムの始まりです(笑)。

いつもはSさんから「今何のドラマ観てますか?」と私が聞かれて、そこからいろんなドラマの話をまんべんなくするのが通常運転です。私が「今クールはこのドラマが面白い!」と、Sさんに紹介することが多いイメージです。

でも今回は珍しく、Sさんの「松ケンのドラマ観てますか?」からスタートして、そこから1時間以上(1時間半くらいだったかも?!)ドラマ『Tシャツが乾くまで』の話で大盛り上がり!改めて、この作品の凄みを感じました。

美容院に行ったタイミングは、松山ケンイチ演じる充が突然、蒼井優演じる咲子のもとに帰ってきた第6話が放送された後だったので、もしも第7話が放送された後だったら、さらにさらに盛り上がっただろうと思います(笑)。

"考察ドラマ"という位置付けが正しいかどうかは分かりませんが、充がどうだ、咲子がどうだ、樹生がどうだ、あずさがどうだとお互いに侃侃諤諤やり合いました(笑)。

Sさんの視点で一番面白かったのが、このドラマを"恋愛リアリティショー"のノリで観ているというところでした。私は『あいのり』くらいしか観たことがないので、"恋愛リアリティショー"はまったくの素人です。

Sさんいわく、美容師は"恋愛リアリティショー"好きなんだそうです(笑)。人間観察が好きな人が多いという意味らしいんですが、それなら私も人間観察は好きなんですけどね...。ファミレスとか喫茶店とか、隣の席の人の話は"耳ダンボ"だし、つい周りの人を観察してしまいます。

脚本の生方美久氏のインタビュー記事でも、こんなことを言っていました。

「共感や感動を目指した物語ではないので、人間観察の感覚でお楽しみください」

「私は『自分には想像できない言動をとる人間を見る面白さがある』と思っているので、今作はそういう、"フィルターを通して見る"みたいな、少し距離をとった見方もおすすめしたいです」

"フィルターを通して見る"という感じはよく分かるというか、無意識にそんな風に観ているところもあるような気がします。

私は生方氏の作品はこれまでももちろん最終回まで観てきましたが、Sさんは途中離脱だったそうで...。でも『Tシャツが乾くまで』は、絶対に最終回まで観ると宣言していました。

そういう意味でも、この作品はこれまでの"生方ワールド"とひと味違う何かがあるのかもしれません。

第7話は、チクリと心に残るセリフ満載でした。「話したくないことは話さなくていい」という充と咲子の結婚の時の約束が、結果的に二人を苦しめることになったんですね...。

樹生もあずさの日記を読んで、充とあずさの二人だけの特別な関係性を突きつけられた思いだったでしょうね。

身体の関係よりも心でつながっている関係の方が、むしろ生々しくて厄介だと感じます。

「はっ?私がいなくなったと思って慌ててたの?この数秒...見当たらなくて?一年も姿くらませてたヤツに、そんな心配する資格はない」

「疑った私にそんな資格ないんだけど、いっそ不倫されてた方がマシかもって思った。だって、その用事に誘うって、よほどの信頼関係だよね」

「不倫じゃなかったっていうのは、分かってます。でも、だからショックでもあって…。恋愛感情とは別にある信頼関係って、あまりにも強くないですか?」

「さっちゃんが嫌なわけじゃないのに、二人きりで、一生同じ場所でって...考えれば考えるほど幸せで息がつまった」

「そう考えるようになったけど、逃げずに済んでた。第3金曜日になれば、園田さんに会えたから...」

「うーん多分もう私たち会わないし、極端な話、嫌われたっていいじゃないですか。えっ、私に嫌われてダメージあります?でしょ?だから好きなんですよ。自分の人生に関係ない人と話すの」

「それから毎月第3金曜日、洗濯乾燥が終わるまでの時間、園田さんと話した。何でも話せるのは、園田さんは自分の人生に関係のない他人で、嫌われてもいいから...」

「瀬尾さんのことを理解できるのは自分だけかもしれないという、根拠のない自信もあった」

「月に一回、あの時間さえあれば、ここから逃げたりしない。目の前の幸せを不安に思ったりしない」

「この先一生、一緒にい続ける人たちから距離を取る時間...。それでいて、その人たちといられる幸せを再確認する時間...。ちょっと離れたいと思うくせに、私たちは暮らしている人の話ばかりした。私にとっては月に一回、ただ話を聞いてくれる人...それが良かった。悪いことはしてないけど、樹生に瀬尾さんのことは話しにくい」 

「友だちとかご近所さんとか、名前のつけようはあるかもしれないけど、園田さんとの関係は、そんな感じ。さっちゃんとは言いたくないことは言わなくていいって決めて、それが心地よくて...。でも園田さんは、何を言っても良くて...。嫌われても良くて...。だから...。黙ってたのは、分かってもらえる自信がなかったからで、どう話しても嫌な気持ちにさせるって思ったし、疑われるだろうなって」

「嫌われてもいい人ね...なるほど。私は嫌われたくない人...。あっ、汚したくなくて、一番お気に入りの服なのに全然着てないみたいなこと?思いっきりミートソース飛ばしながら、美味しいねって一緒にパスタ食べる方が家族って感じするけどな。汚れたら洗えばいいじゃん。私洗濯苦手だけど、しみ抜きは得意だよ」

「分かってる...ちょっとずつ間違ってたこと。汚れる前に捨てて新しいの買って、そうやって生きてきちゃったから...。汚したくないし捨てたくないって、だったら...どうしていいか分かんなかった」

「待って?それはズルいって、そっちばっか...!私だって自分の意思でここから離れたい時あるよ。数秒か一年か分かんないけど。全然自分の人生に関係ない人じゃないよ。親に会いに行くのに連れて行くって。だったら、行かないでって言える?」

ドラマ『Tシャツが乾くまで』第7話より

長野行きのあのバスにあずさが乗ったのは、あずさ自身の意思でした。天真爛漫なあずさが、充にとっては楽だったんですよね。″プチ失踪″…充にとって、なんて魅惑的な言葉だったことでしょう。

「ついていきたいかもしれません。心細くないですか?」
「でも園田さんに関係ないし」
「関係ない人間なら、迷惑かけてもいいじゃないですか?なんか、瀬尾さんの失踪歴のことを聞いてたら、私もだんだん興味が沸いてきて...」
「ダメですよ、失踪。絶対ダメです。家族に迷惑かけるんで」
「あぁいえ、しないですよ、マジな失踪は。私には夫と子どもがいて、帰る家があることが幸せなんで」
「だったらなおさら...」
「失踪癖なおってなさそうって...」
「はい」
「だったら、ガス抜きできるといいのかなって思ったんです」
「今日一日だけの失踪?」
「です!失踪したことがバレる前に家に帰れば、失踪したことにはならないんです。おしゃべりが月一なんで、プチ失踪は半年に一回くらいでどうです?」
「いいですね」
「うん」
「でも人によっては、不倫だって言われそう...」
「あぁ...うーん、まっいいんじゃないですか?これぐらいの後ろめたさはあっても。月に一回しゃべってるだけでも、人によっては心の不倫だって騒ぐと思いますよ。どうせ理解されないなら、ちょっと不倫まがいなことしときましょう」
「そうですねぇ...」

ドラマ『Tシャツが乾くまで』第7話より

<一日だけのバレない失踪。夜にはさっちゃんが待つ家に...帰るつもりだった>

第8話は、"第3金曜日"の秘密を知った咲子が家を飛び出してしまい、翌日になっても戻らず...。

喫茶「ひこうき」に樹生、臼田あさ美演じる千鶴、リリー・フランキー演じる宮内を集めて、高橋文哉演じる直人も含めて、充が自分の知らない咲子について教えてほしいと頼むというストーリー。いったいどんな話が飛び出すのやら...。

それにしても、あれだけずっとおしゃべりをしながら、しっかり髪をカットして、ロットも巻き続けるSさんの技術力の高さには毎度のことながら驚嘆するばかりです。

次の"美容院デー"はドラマのクールは変わっているけれど、ドラマ『Tシャツが乾くまで』の話で再び盛り上がること必至ですね(笑)!

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