蛇なら素手でいけるのに
人には多かれ少なかれ苦手なものが存在すると思う。
食べ物だったり、人間関係だったり、事象だったりと様々だ。
私にもいくつかあるのだが、今日はそのうちのひとつ、 Gについてのお話。
Gが苦手な方は読み進めない方が良いかと思います。
(黒い生き物です)
これは、私の実体験も含んでいます。
幼い頃からGが大の苦手。
もっとも幼い頃の記憶だと、小学校に上がる直前くらいのことを鮮明に覚えている。(もっと良い思い出を鮮明に覚えていて欲しい)
夏休みに、大好きな祖母の家で、動き回れなくなったそいつを生まれて初めて見た。キッチンの下に設置されたGホイホイの中にいた。祖母と一緒に少し離れたところから、ホイホイの中を恐る恐る覗き込んだ。
2匹もいる。触覚がまだ動いている。はっきりと姿形は見えないけど、もう動き回れなくなっているそいつを見ていると怖くなってきた。動き回れないのに触覚が動いているところが気持ち悪かった。
小学校に入学する直前で実家が引っ越しをしたのだが、引っ越し荷物を業者が運び出している時に、そいつが出てきたのだ。私は、高く積まれたいくつもの段ボールの間に入ったりしてひとりで遊んでいたのだが、突如段ボールの影からササササッと飛び出してきた。
動き回るそいつは初めてだ。大きさはかなり大きかったし、黒光りしていた。自分との距離は、2mくらい。ホイホイを覗き込んだ時と同じくらいの距離。
出てきた瞬間、息を呑んでフリーズした。目を皿のように開いてそいつを凝視していたと思う。そいつもピタッと止まっている。まるでこちらの存在を確認して様子を窺っているようだ。いや、間違いなくそうだ。
2本の触覚が何かを必死に捉えようと動いている。私の戦闘能力でも測っているのだろうか。こんな細かいところまで覚えていて、かつ鮮明に映像が頭に浮かんでいるのがもうたまらなく嫌だ。
さっさと動いてどこかに消えてくれれば良いものを、いつまでもそいつが動かないのが逆に怖くなり、勇気を振り絞って、そいつのことを凝視しながら、横に置いてあったダンボール箱の上にそろりと一段上がった。
ほんの少し上からそいつのことを見てやる。どっかに行ってしまえ、と念じながら凝視。それでも動かないそいつにさらに怖くなり、大声で別の部屋で作業中の両親に助けを求めた。
この時の記憶はここまでしかない。
それ以来幾度となく、いろいろなところで遭遇してきたのだが、この年になっても未だに大嫌いだ。
そいつの何が嫌いって、まずは色。
黒く、そして少し照りがある。茶色系のもいる。これがもしも緑色だったら、まだここまで嫌いではなかったかも知れない。それにしても、なんでテカってんだよ…
そして、形。
空気抵抗を極限までに減らしたような形で、ある意味スーパーカーのようだ。ぶっちゃけ良い形とも言えないこともないし、他の昆虫たちと比べると圧倒的に動きが速いと思う。太古から現在まで、常に新しい環境に適応してきた、ニュータイプ。
スピードはシャア・アズナブルの乗るシャアザクのように感じる。赤い彗星だ。こんな形に進化し、しかも素早い動きをしている。こんな部分も怖く感じる要因のひとつかと自分なりに分析してみる。
死んで裏返ったそいつを見たことがある。
気持ち悪いし、怖いから一瞬しか見ていないハズなのに。それも薄目で見ているはずなのに、結構細部まで覚えている。棘のようなものが生えた足、筋肉がすごそうで、早く動き回るのも納得できる。
おまけにそいつらは飛ぶ。
家の中でそいつに飛ばれたことがあったが、もうパニックになった。いろんなものを蹴散らしながら狭い部屋の中を逃げまくった。ペンか何かを手に持って振り回しながら。
恥ずかしいのだが、基本的にこいつらを発見したときにうまく対処することができない。
飛び道具(2mくらい噴射するやつ)のGジェット的な殺虫剤で、ギリギリ届くかなくらいの距離を慎重にとり、動くなと岩をも貫くくらいに強く念じながら、そいつに向けて噴射しては、少し距離を空け、また噴射しては、距離を空け(もちろん自分の退路を常に確認、確保しながら)というのを大汗をかきながら何度か繰り返し、後はそいつがくたばるのを待つ。という非常に情けない戦法だ。
最低でも飛び道具がないと私は何もできない。本当は中世ヨーロッパの鉄の鎧でも着たいくらいなのだ。
妻がいるときは、妻にお願いをすることになる…(最低)
妻には、そいつ担当になってもらった…(申し訳ない)
いつも妻には言っているのだが、これがもしGではなく蛇だったら、私は素手でも立ち向かうと。蛇なら余裕だ。何も怖くはない。私の担当だ、いつでもかかってきなさい、と言いたいが、残念なことに普通、家の中で蛇に遭遇することはないので、私の勇士を見せることができない。
大っ嫌いなやつのことを書いていたら、あれもこれもと思い出してきた。全部G絡みの話である。
今、頭の中にあるだけで3つの話があるが、それはまたの機会に。
正直、Gに関するホラー映画並みの体験がある。
書いていただけなのにどっと疲れた。
