薩摩街道11 向田宿→伊集院宿
2024年1月に長崎街道を歩き終えてから1年が経ち、何故か身体が九州を求め始めました。今回は長崎街道との追分、福岡県筑紫野市の山家宿から鹿児島県鹿児島市の鹿児島宿まで、薩摩街道の約80里320kmを歩きます。
2025.03.11
1.向田宿










昨日まで並走していた鉄道の運営会社が、肥薩おれんじ鉄道からJR九州に変わりました。
肥薩おれんじ鉄道の区間は、九州新幹線開通まではJR九州鹿児島本線でしたが、開通後はJR九州から切り離されて別会社になっています。
同じ様な現象は、北陸道を歩いた際に北陸新幹線沿線の、新潟県・富山県・福井県内で目にしました。
元々は国営鉄道が建設して敷かれた線路を、1984年に分社し民営化した会社が引き継いだうえでの経営判断。
地元の反応はどの様だったのでしょうか。






しんこだんご。
鹿児島名物の醤油味の団子。
名の由来は、新米の米粉だけを使って作っていたことから名付けられた説など諸説あります。
薩摩川内では訛って、”ちんこだんご”とも言うそうです。






2.木場茶屋



川内原子力線。
九州電力川内原子力発電所から伸びて来ている送電線の、鉄塔までの工事関係者向け道標。
この位置から西に4里の、東シナ海沿岸部に発電所があります。
発電所の近くには、かつて参勤交代の際に、船で移動する際に使われていた久見崎軍港跡がありました。
本日は3/11、福島第1原子力発電所の事を想い出します。





たこやき蜂来饅頭は、熊本発祥の九州ご当地たこやきチェーン店。
蜂来饅頭は、蜂蜜が入った大判焼きです。





凄い場所に道標があります。
実際に見ると、ここを歩くのですか?と道標にツッコミを入れたくなりますが、これは街道の神様からの思し召しに違いありません。
堺川に転落しない様に進みます。






この説明看板、とても読みやすいです。
特に文末の、”嘉永五年は1852年です”といった丁寧な説明、歴史音痴の私にはありがたい一文です。





鹿児島まで50kmを切りました。
3.旭

芹ヶ野郵便局。
こんなに攻めている郵便局は見た事がありません。
”薪あります”、”道の駅せりが"、郵便局とは思えない雰囲気。
入店していませんが産品も販売している様です。





いちき串木野市立旭小学校。
アニメの舞台になりそうな小学校です。


濱田酒造の金山蔵。
金山跡の坑洞内で、仕込み貯蔵熟成をした、鹿児島でただひとつの坑洞内本格焼酎蔵です。



4.串木野

















神村学園。
高校サッカーで有名な学校です。







串木野漁港は街道から大きく外れております。
遠洋マグロ船日本一の港町の雰囲気を感じる事なく、串木野の街を通り過ぎてしまいました。
5.湊町









焼酎蔵薩州濵田屋伝兵衛。
かなり立派な蔵でしたが、見学は予約制のため出来ず。
先ほど通った金山跡地の蔵と同じ、濱田酒造の酒蔵です。

地域の休耕畑を借りて、無農薬・無肥料で育てた自家製黄金千貫芋や、地元農家の無農薬栽培米を使って作る焼酎は、お湯割りにピッタリだそうです。

看板商品が天狗桜なので、天狗の面が随所に飾られています。


この付近は焼酎の酒蔵が多いですね。
薩摩街道を歩き、毎晩焼酎を飲みました。
その中で、お湯割り・水割り・ロック以外に、”前割り”という飲み方を、飲食店の人に教えてもらえましたので紹介します。
前割りとは、あらかじめ焼酎と水を混ぜ合わせて寝かせてから楽しむ飲み方。
焼酎のアルコール分子を水の分子が包みこみ、まろやかな味わいが楽しめます。
濃さは個人の飲みやすい割り方で、水はミネラルウォーターか軟水が理想的。遮光の容器に入れて1晩から1週間が寝かせます。
飲む時は、常温でも冷でもおいしいですが、燗にすると焼酎本来の香りが堪能できるそうです。
早く飲んでみたい、家でやらないと。


橋が通行止め、更にこの先昼食場所が無いのと、途中が山の中で道があるかわからないので回り道をします。








食事しながら、店の従業員やお客さんの会話をぼんやりと聴いていて、気がついたことがあります。
鹿児島県に入り、県民同士の会話のアクセントが、沖縄の言葉に似ているのです。
単身赴任で沖縄に住んでいたので、聴き間違えではないと思います。
隣県なので似たのかもしれません。


方言が理解できない看板。
はやかんど いつどどま走ったもんせ
方言の看板は、普通はなんとなく前後関係などから理解できるものですが、上の看板は出来ません。
このくらい解らないと、気持ちよくなってきます。
YouTubeなどで鹿児島弁の面白動画を見ていると、声を出して笑えます。




湯之元ファミリー温泉。
家族風呂が10部屋ある日帰り温泉施設。
この様な施設を初めてみたのは薩摩街道、熊本県和水町の栗山温泉”紅さんざし”でした。
紅かんざしは高級志向の観光客向けの施設の様な感じでしたが、湯之元ファミリー温泉は庶民的で家族風呂の様な施設。
この様な温泉施設は、地域の文化なのかもしれません。









上の画像の赤茶色の鹿児島本線橋脚、鉄道模型の部品にありそうな昭和の橋脚、美しいですね。


只今の時刻は14:44。
今日は3/11、東日本大震災の時刻まであと2分。
黙祷をしようと駅前で待っていたら、防災無線が流れアナウンスと黙祷のサイレンが鳴りました。
こんなに離れた地でも、防災無線を使い黙祷をするとは、心が痺れます。
昨年の3/11は、陸前浜街道を歩き福島県双葉町にいました。
今でも心に残る3枚を紹介します。

福島県 大熊町
廃墟となった郵便局。
人がいないと金融機関もこうなります。

福島県 大熊町
植樹した桜に貼られた避難中の小学生のメッセージ。
「ほくはディズニーランドに行くより、早く故郷に帰りたい」

福島県 双葉町
地震発生の2分後に止まったままの時計。
停電で開かないシャッターが、こじ開けられたままの姿。
言葉を失うことが多い1日でした。
3/11に、陸前浜街道を歩いた時の記録はこちら↓

6.美山



周辺の風景が急変します。
道路脇の風景は、人口建造物がひとうも見当たらない森林地帯に。
湿度が高いのか、道路の法面には苔がびっしり。
坂を昇りきり集落が近づくと、脇道奥ににカフェなどがある様で案内看板が出ていたので、寄り道をしてみます。



茶畑の一部の土地がカフェになっています。
これは入るしかありません。


HIOKI CHAHO。
茶畑の中の日本茶スタンド。
茶畑に囲まれて心落ち着く茶屋でした。
外国人観光客も来るそうです。




沈壽官窯(ちんじゅかんがま)。
沈壽官は、豊臣秀吉の朝鮮出征で連行された朝鮮人技術者の後裔で、日本や韓国で多数の展示会や受賞をしている薩摩焼の大師です。
沈壽官窯は、薩摩焼の名誉陶工家の作品などを収蔵している美術館。


韓国人観光客がグループで来ていました。




さつま焼のDNAがギュッと詰まった場所でした。
















美山、素晴らしい街でした。
今日は朝から一日、盛り上がる場所が無く、このまま終わるのかと思っていましたが、街道の神様から最後に素敵なご褒美を頂きました。



7.伊集院宿









上の画像、右側の倉庫の様な建物から、ご婦人たちの笑い声がこだましてきます。声の感じが大浴場なので、もしやと歩みを進めると。

道を挟んで向かい側の民家の前に、温泉の案内看板があります。

なんと温泉施設でした。
これは入ってみたいです。
一瞬入浴を考えましたが、今夜は鹿児島市内で知人と約束をしていたので我慢。
又の機会に来ます。



上の画像の細い道は、約50km先の枕崎に続いています。




とり肉専門店 庄助。
さすが薩摩地鶏の本場、とり肉専門店があります。




御菓子司と店名の前についている和菓子店をよく目にします。
読み方は、”おんかしつかさ”と読みます。
”司”は宮中に仕えるものの職位を意味し、往時は格式の高い菓子店だったと思われます。







宿に到着。
今夜は鹿児島市内で約束をしているので、宿に荷物を置いて、鉄馬車(鉄道)にて移動します。
8.教え子との再会



自分の職業は大学教員で観光学を教えております。
2024年3月の卒業生が旅行会社に就職し、鹿児島支店に配属となりました。
連絡をとり1時間くらいの残業で終わるそうなので、飲みに行くことに。





八代宿で入った店に、焼酎が200本位置いてあり、一番美味しかった焼酎"六代目百合"がありましたので、迷わずボトルを入れます。



念願の薩摩地鶏の刺身、どれも美味しく特にレバーが旨かったです。

卒業すると学生・先生の関係から、同じ社会人同士で対等の関係に変わるのがとても楽しく、サラリーマンの上司と部下みたいな会話を満喫しました。


終電まで少し時間があるので、立ち飲み屋でクールダウン。


森伊蔵以外は殆どが250~300円、ありがたいです。






伊集院駅まで18分。
ここまではよかったのですが、目覚ましをかけたにも関わらず、やってしまいました。
目覚ましをご丁寧に止めてしまい、伊集院駅を一駅乗り過ごして、今日歩いて来た東市来駅に下車。
只今の時刻は23:58、もう電車はありません。

今日歩いた道を再び2時間弱歩くのか?
アップダウンあり、歩道のない道あり、街灯はあまり無い、一歩間違えると轢かれかねません。
先ほど飲んだ中山君に連絡すると、ヒッチハイクしかないです!
と背中を押してもらい、駅前にセブンイレブンがありましたので、出てくる人を待ち伏せしてヒッチハイクをする事に。
運よく1人目の20代のお兄さんが、いいですよと二つ返事、伊集院駅まで送ってもらいました。

お兄さんは、アーティストで絵を描いているとの事。
連絡をとり御礼に絵を買わせて頂きます。
本当にありがとうございました。
いよいよ明日が最終日、鹿児島西田橋を目指します。
