秩父往還2 寄居→秩父
中山道の熊谷宿から甲府まで続く甲州道中の裏街道。熊谷をスタート、休日の合間にまずは秩父を目指して、夫婦でのんびりと歩きます。
2023.07.02
1.スタート地点まで





十万石まんじゅう。
熊谷市の隣、行田市発祥の埼玉銘菓。40年以上使い続けているCMのコピー「うまい、うますぎる、十万石まんじゅう」が、まんじゅう以上に有名です。
このセリフは世界的な板画家の故棟方志功氏が初めて十万石まんじゅうを食べた際に、
「うまい」
「行田名物にしておくには」
「うますぎる」
と語った台詞を短くしたものである事は、あまり知られていません。









秩父鉄道は味がありすぎて、駅の建物や構造物、どこを撮影しても絵になります。車両は国鉄時代の水色の京浜東北線の車両がかつては走ってましたが、今は見当たりません。
自動改札機が導入されたのが2022年で、それまでは硬券と呼ばれる厚紙のきっぷが幅を効かせてました。
存在自体が観光資源の様な鉄道なので、ぜひ一度乗ってみてください。
2.荒川と共に





寄居町と長瀞町の境目付近が、今日一番美しい風景でした。
長瀞といえば、ライン下りが楽しめる急流の印象が強いのですが、この付近はどちらに流れているのかわからないくらい川面が穏やかです。














本日の朝食会場は八幡神社の境内。
天井は青空、壁は境内の樹々、空調は涼しい風、なんとも贅沢な食事会場です。
3.割拝殿






素晴らしい里山の道。
街道歩きの醍醐味は史跡巡りと思われがちですが、史跡の近くは街中であったり、人や交通量が多く心休まりません。
今歩いている付近の里山の道は、道幅がほぼ往時と同じであったり、自動車が殆ど走っておらず、安心して歩けます。




割拝殿。
神社の建物の呼び方は、街道を歩くようになり覚えました。賽銭を入れて拝む場所を拝殿、その奥の神様が安置されている建物を本殿と呼びます。一般的には、拝殿の奥には入れず普段は扉が閉じており、特別な日に開き本殿の中が拝めたりします。ご近所の神社を訪れた際は、拝殿本殿の位置関係や、年末年始やお祭りの日にどうなるか観察してみてください。
ここ簗瀬神社の拝殿は、とても珍しく二つに別れており、中央を通過していつでも本殿に行けるようになってます。







この付近はかつては長瀞八景と呼ばれてました。荒川が美しく眺められたからだと思われます。
現代では、先程歩いた付近の方が荒川が美しく眺められました。土木技術の発展により、川の近くまで道が造れたからでしょうね。






藤の実。
枝豆とサヤエンドウを足して2で割ってから5倍くらいに大きくした感じ、硬くて分解するのが困難でしたが、匂いはサヤエンドウに似てました。食用にならないのは、食べるところが少ないか、えぐみや毒があるからでしょうね。
4.樋口駅











樋口駅。
今回の街道歩きのクライマックス?訪れたのは小学校以来45年ぶり。その頃は自分の名前の駅があるのを知り、行きたくて叔母と一緒に来て、先程の白鳥橋を渡ったような記憶があります。






つぼ焼き芋屋さん。
この様な商いに憧れます。一品だけのモノやコトを拘って売る仕事を、65歳以降に実現させ生涯を終えたいなと、55歳になって真剣に考える様になってきました。



潜り戸。
昔は身分の低い人が頭を下げて出入りするとか、刀を抜いた人が通りづらくするとか、様々な説がありますが、今はどうなんでしょうね。






下野上神社。
平成時代に、3,200近くあった市町村を1,800まで減らした、平成の大合併と呼ばれた政策がありました。
明治初期には、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)という政策では、全国に約90,000あった寺の半分近くが無くなりました。
明治末期には、神社合祀(じんじゃごうし)という政策で、全国に約190,000あった神社の3分の1以上が無くなったと言われてます。
ここ下野上神社も、明治時代に神社合祀のあおりで、近隣の五社を一つにまとめる際に、くじ引きで決めたとのエピソードが、記されてました。

銀杏の木の下の地面から、銀杏の葉っぱが雑草の様に伸びてます。天然の銀杏はこんな風になるのか、摩訶不思議な光景でした。
5.けがなし耳かき






けがなし耳かき。
昔の耳かきによくついていた、フワフワの毛。これがついていない耳かきを、"けがなし耳かき"と称し、1977年に怪我無きと語呂合わせで縁起物としてこの地で贈られたそうです。まぁまぁ最近の話ですね。




コカコーラの定点観測。
ボタンの数に占めるコカコーラの陳列率を出し続けてみます。違いや傾向があるのか、分析するのが楽しみになってきました。




同じ和菓子屋さんの敷地内にあるコカコーラの自販機なのですが、コカコーラ陳列率が10%も違います。






トゥクトゥクのレンタル。
後ろに乗るのを楽しむものかと思ったら、レンタルして自分で運転するのですね。人手不足の時代なので、この考え方もありです。
6.長瀞



自治会の人々が集まる場所の名称、関東地方では概ね"公民館"ですが、東海道を歩いた時に、神奈川以西では、公会堂が非常に多かった記憶があります。

秩父にはホルモン屋さんがたくさんあります。養豚場が多く、新鮮なホルモンが流通しやすかったからと言われてます。
今回は何件のホルモン屋さんに遭遇するでしょうか。


背の低い銀杏の木。
初めてみました。収穫しやすい様に低く育てている様です。
先程は地面に咲く銀杏の葉を発見し、今度は背の低い銀杏の木を発見、時速4kmの世界では、常に新たな発見があります。











熊谷を出発してから、ずっと進行方向左側に流れていた荒川を初めて渡ります。
渡った親鼻橋は明治に架けられたので、それまではどの様にして、人々が流れの速い荒川を渡っていたか気になりますね。
7.SL






秩父ワイン。
秩父市北側に隣接する小鹿野町にあるワイナリーが「源作ワイン」として発売し、今では80年以上の歴史があります。
2022年には 国内最大のワインコンクール「日本ワインコンクール」で、白ワインが銀賞と銅賞をダブル受賞してます。






武甲山が見えてきました。
あと少しで秩父の街中に入ります。










今回の道中、週末に一往復しているSLパレオエクスプレスに、どこかで遭遇出来ないかと楽しみにしておりましたが、遂にその時がやってきました。
先程通過した皆野駅の方から汽笛が聞こえてきて、踏切で待つこと3分、思っていたより静かに呆気なく、蒸気機関車は軽やかに通過していきました。
8.和銅


気温が34度近くになっており、身体が言うことを効かなくなってき始めました。
こんな時は決して無理せず、こまめに日陰で身体を冷まし水分補給をします。

甲府の表示が出てきました。
実は今歩いている秩父往還、甲州道中の裏街道で、難所雁坂峠を超えて山梨まで続いてます。きっと秩父の先まで歩く事になるのでしょうね。







和銅黒谷駅。
今風の美しいグラフィック調のアニメの舞台になれそうな佇まい。足を伸ばして100m寄り道すれば行けるのですが、暑さと空腹に負けて、その一歩が出ず。

















横瀬川。
秩父市の南側に位置する横瀬町から荒川に注ぐ全長20kmの川。橋の上からの眺めが美しく、いつまでも眺めていたくなりました。
9.武甲山



こまり門。
この門が開くと近所に異変が起きると、説明看板に書いてあります。どの様な異変かの説明がないので、こまります。





秩父太平洋セメント 本社。
二つの鉱山から、石灰石を粉砕したタンカルと呼ばれる粉末を、年間20万トンも製粉しています。
















武甲山。
秩父のシンボル的な山で、街中にいるとどこからでも眺められます。標高は1,304m、石灰石の採掘で痛々しい印象が強く、1900年に測量した当時の標高は1,336mもあったそうです。







秩父の街中は昭和の風情が自然に残っていて、隅々まで歩きごたえがありそうです。
立派なちょうちん屋さんがあるのは、12月に行われる秩父夜祭の山車に、たくさんのちょうちんが飾られるから。
今から15年くらい前に、夜祭を実際に見て一番感動したのは、ちょうちんの灯の美しい揺れ具合。全てが蝋燭の火なので、それぞれが異なる明るさを放ちながら動いているので、山車そのものが生き物の様でした。
もう一つの感動は、秩父鉄道の踏切を山車が通過する前後だけ、鉄道の架線を外して電車を停める、逆踏切状態の時です。秩父の人たちがお祭りを大切にする気持ちを感じました。
10.秩父神社





ちょうど銭湯があったので、汗を流すことに。昭和の姿そのままで営業しており、何もかもが感動のひとときでした。
いつまでも残って欲しいですね。



本日はここまで。
この先は雁坂峠越えなどの難所があるので、計画的に続きを歩くことにします。
これより、お楽しみの秩父神社に向かいます。








お元気三猿。
イマドキなのか、日光の見ざる言わざる聞かざるとは真逆で、よく見てよく喋りよく聞く猿。よく考えたらこっちの方が幸せそうですよね。
秩父神社を参拝して帰路に着きます。



私事ですが、この道を歩く4日前に母が他界しました。2日後に控えた式の準備がひと段落し疲労困憊の状態ではありましたが、夫婦で街道を歩く事で不思議と心が落ち着いてきました。
街道の神様、ありがとうございました。
