空席を見つけるポジショニングスキル
ポジションを取るということ
組織で価値を生み出す人の、静かな戦略。
今日は「ポジションを取る」という話を書きたい。
ポジションとは、組織の中での自分の立ち位置のことだ。
ただ、この言葉にはどこかギスギスした響きがある。
出世レースで他人を押しのけるような、そんなイメージを持つ人もいるかもしれない。
でも、スポーツを本気でやったことがある人なら知っている。
ポジションを取るとは、本来とても健全で、戦略的で、創造的な行為だ。
スポーツにおける「ポジション」の本質
スポーツのポジションは、単なる「配置」ではない。 そこには複数の意味が重なっている。
役割の明確化
守備範囲の設定
空白領域の認知と最適行動
観客の目はどうしてもボールに集中する。
しかし、選手は常にボールの裏側にある「空白」を見ている。
そして、その空白をどう埋めるかを考え続けている。
この“空白の認知”こそが、見せ場を生み、評価につながる。
スポーツの世界では、それが当たり前の感覚として共有されている。
高校時代、僕はショートを選んだ
高校時代、僕はピッチャー志望だった。
でも「ピッチャーやりたいです」と言うだけでは、監督は動かない。
そこで僕は、たまたま空いていたショート(遊撃手)を選んだ。
ショートは守備範囲が広く、打球処理の機会も多い。
そして何より、三遊間からの長い送球は、投手としての肩の強さをアピールする絶好の場になる。
結果、僕はブルペンに呼ばれるきっかけをつかんだ。
今振り返ると、あれはまさに
「空白を観察し、機会を掴み、見せ場を作り、評価を得る」
という戦略的行動だった。
組織にも、必ず“空白”がある
社会に出ても、この構造は変わらない。
プロジェクトでも、部署でも、ビジネスでも、
明示的な役割の裏側には、必ず「未充足の空白」が存在する。
誰も気づいていない課題
みんなが面倒で避けている領域
まだ言語化されていない価値
仕組みが存在しないグレーゾーン
こうした空白を見つけ、ゼロイチで仕組みを組み立てられる人が、
組織の中で強いポジションを築いていく。
そして、誰も触れていなかった領域に価値を埋める行為は、
新しい景色を生み出す。
組織における本当の価値創出の多くは、
実はこの空白領域に眠っている。
SNSでも同じ構造が働く
SNSも例外ではない。
既存の話題に群がるだけでは、ポジションは生まれない。 誰も深く扱っていない領域に価値を提供し続ける人が、 自然と新しいポジションを獲得していく。
誰も言語化していない視点
まだ名前のついていない現象
既存の文脈の“裏側”にある構造
みんなが気づいていないけれど重要な問い
こうした“空白”を見つけて埋める人は、 フォロワー数とは別の次元で、確かな存在感を持つようになる。
ポジションは「奪うもの」ではなく「見つけて座るもの」
僕はずっと、 ポジションとは奪い合うものではなく、
空席に静かに座るものだ と思っている。
時にはポジションを作って座ることもできる。
さらに、ポジションを明け渡す意義も理解している。
誰も座っていない椅子は、必ずどこかにある。
そこに座るだけで、景色が変わる。
そして、その景色の変化こそが価値になる。
組織でも、キャリアでも、SNSでも、
ポジションを取るとは、
空白を見つけ、そこに価値を置き、景色を変える行為 なのだ。
