ナチスに餓死させられようとした人々が、ガザ地区の人々を餓死させようとする皮肉
食料問題考えるなら読んどかなきゃな、と、藤原辰史「食権力の現代史」拝読中。
ナチスが「ドイツ国民を飢えさせない」ためにウクライナの黒土地帯(チェルノーゼム)を手に入れようと侵略し、それでも足りないから計画的にソ連の市民を大量に餓死に追い込み、それでも足りないからユダヤ人を大量に虐殺し・・・という歴史の流れを紹介。
と思ったら、なんとナチスに大量虐殺された記憶があるはずのユダヤ人(?)の国、イスラエルが、パレスチナの人々を飢餓に追いやり、絶滅させようとするその手口を紹介。
パレスチナのガザ地区は海に面していて、漁業が重要な産業だったのだけど、オスロ合意で約束してたはずの20海里のうち85%で立ち入りを禁じ、もし違反しようものなら船を拿捕したり沈めたり。そのためガザ地区の漁獲量はわずか3年で90%も減少。
漁師の95%が食料援助を受けてるけど、その多くはアメリカの穀物メジャーが提供。世界中の国々からかき集めた援助資金で穀物メジャーを儲けさせるという仕組み。
また、ガザ地区はオレンジ生産が盛んだったけど、イスラエルはガザ地区から西欧へのオレンジ輸出を禁止。代わりにイチゴを作れと推奨したけど、イチゴの販売はイスラエル企業が牛耳り、イチゴを安く買い叩いて高く売り、暴利をむさぼる仕組み。
また、多収ではあるけど大量の肥料が必要な小麦品種を勧め、そのタネをアメリカの種子メーカーから買うように仕向け、しかも大量の肥料が必要があるなんだけどその肥料はイスラエル企業から買わなくちゃいけない。水を制限されてるから地下水涵養汲み上げなきゃならず、コストがかかる。
ユダヤ人はかつて、ナチスによって居住区(ゲットー)に閉じ込められ、食料の輸送を絶たれることで餓死に追い込まれた経験がある。ところがいまや、イスラエルがガザ地区を「餓死地帯」に追い込もうとしている。
イスラエルに住む人々は、この事実を知っているのだろうか?知らされていないのではないか、と思う。知らないのではいくらでも冷酷になれる。でも事実を知ったとしたら、どうだろうか。
