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ポール・モーリア      蒼いノクターン

蒼い残響

風が消え、海がただの静寂になった。
それだけで、世界はもう、引き返せない。
誰もいない砂浜に、
息をのむほど深い、群青の闇が満ちてゆく。
まぶしかった夏を、私は惜しまない。
ただ、すべてが終わりゆくその刹那が美しい残り香を漂わせ、脳裏をかすめていくだけだ。
耳の奥で、あの旋律が激しく咽び泣いている。
こぼれ落ちる音符のひとつひとつが、
冷めかけた砂浜を、蒼く染め上げてゆく。
この孤独は、誰のためでもない。
ただ私一人が、この世界の終わりを受け止めている。
光を失った水平線の向こう、
最後の残響が、ゆっくりと消えてゆく。
私は、その完璧な静寂のなかに、凛として、立ち尽くしている。
いすみん


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