サブ3.5、射程圏内
私の心は青く燃えていた。あの日、過去の自分に顔を強く平手打ちされてから。
一方で、太陽も燦々と燃えていた。夏が来た。
いや、練習できるわけないですやん。「酷暑日」が制定されて、連日、ニュースの天気図が紫色になる。
こんな中、外で20kmだ30kmだと走っている場合ではない。
夜でも下手すると脱水するし、場所が悪いと発見されないまま朝方仏様として発見されかねない。
どうしたものかと考えて、一つ目に留まる。チョコザップの2カ月無料キャンペーン。トレッドミルあるじゃん。
そうして、運動という意味では、トレッドミルから夏を始めてみることにしたのだった。
トレッドミル(ランニングマシーンの別称)の良い所は、ペースを自動で作ってくれること、そして天候や気温に左右されない所だ。
試しに使ってみて、自分の使っている時計とのずれが起きること以外は問題ないことを確認した。
あとは利用ルールもチェックした。
混雑帯は避けるし、1回あたり30分でマシーンは止まる。
数も限りがあるので、埋まったら待っている人がいないかを都度確認した。
ここから、私の練習が始まった。
まずはあいさつ代わりの20 km 4'30 / kmの練習から。本番用のシューズを検討するために既存のもので走ってみる。
2足あって、どちらもサクッと走り切ることができた。

少し辛いのは、タイマーがカウントダウンなところだ。
どうしても90分かかる中で、残り何分かを見せつけられる方が精神的にきつい。
走った結果を元により適したシューズを探して購入。そして、1つのマイルストーンであった、30 km 4'50 / km(サブ3.5ペースより少し速め)に挑戦するのだった。
普通は買ったシューズを慣らす期間がある。のだが、新しいおもちゃを買ってもらったガキのように、ウキウキで履いて30 kmチャレンジを敢行した。
ガキなのか大人なのかはっきりしてほしい。

新しいシューズは予想通り良くなじんで、またペースも普段より全然遅いから余裕で走れた。
10 km、20 km。サクッと走って問題の領域へ踏み入れていく。
20kmまで速く走れることと、その脚で30kmまで持たせられることは、まるで別物だ。
順当に走り続けながら27 km。久々の感覚。ランナーズハイだ。
ゾーンに入ったような心地で、世界が1点に集約される。ドパガキもびっくりの、アドレナリンの弾丸が脳をぶち抜く高揚感。
ラスト10分は更に速度を上げて、無事30 kmを完走した。

目標としていた30 km 4'50 /kmを達成できたことで、サブ3.5がようやく射程圏内に入ったという手応えを得た。
勿論ロードでもないし、レースでもないので参考値にすぎない。ただ、まだ本番まで日のある状態で、このレベル帯に居ることを確認できたのは嬉しい。
目標は30 km 4'30 / km。当日に下振れをしてもサブ3.5で走り切れるだけの余力を残せるようにしたい。
最後に、何故サムネがランニングじゃなくて野球なのかという所に触れたい。
私はメジャーで投げる日本人投手が大好きだ。度々その名言を胸に、日々の困難に立ち向かっている。
Losing isn't an option. (何としても負けるわけにはいかないので)
通訳の方がハリウッドの翻訳の仕事をされていたそうだ。そのため、本人の普通の言葉が名言に意訳されてしまう。
私には、この言葉がこう聞こえた。
勝負することを選んだ時点で、負けという選択を選ぶことは決してない。
それが結果的に負けであっても、辛酸を舐めることになっても。
自分が挑む決断をする限り、必ず負けを選ぶことはないのだ。
私は、フルマラソンを走る。サブ3.5を達成する。
それを選んだ時点で、ハナからできないだなんて思う訳がない。
照準は、もう合っている。
