映画『爆弾』とオーディブルと、掌返しの視線
映画『爆弾』を先に観て、「うわ、すご」と思った熱が冷めきらないうちに、そのまま原作買いに走る
ただ、オーディブル版を見つけて聴きはじめる方が先になった。
小説はこれが初めて。
もしイメージが違ったら、そのとき紙の原作を「別物」として読めばいいや、くらいの気持ちで。
聞き始める
ところが、聴けば聴くほど驚いたのは、
映画とオーディブルのタゴサク像が、ほとんどズレずに同じ“原作の芯”に収束していくことだった。
そして、「復讐してもいい法律があったとして」という仮定のくだり。
そこで私が気になったのは、復讐そのものではなく、
復讐しなかったとき、その人を周りがどう見るか
という視線だった。
その瞬間、『出禁のモグラ』の村民たちの掌返しがフラッシュバックする。
空気に合わせて、あっさり正義の側に乗り換え、
「やり返さないほう」を責める側に回ってしまう人たち。
映画で出会ったタゴサク
オーディブルで“耳から読んだ”原作、
そして『出禁のモグラ』の村民。
その三つが頭の中で一列に並んだとき、
いちばん怖いのは「復讐」じゃなくて、
それを見物し、評価しようとする人間の視線そのものかもしれない、と思ってしまった。
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