タイムテーブル付き情景図で可視化すると...その2~芝中2026年2回の問題(月刊中学への算数2026年9月号日日の演習9月30日)の別の可視化~
【問題の内容】
芝中2026年2回で出題された
流水算+へだたりグラフの解読の問題です。
舞台のスケールは壮大ですが単なる流水算です。
月刊中学への算数誌面での解答解説は
ダイヤグラムによる可視化を選択しています。
本問を演習するときは
ダイヤグラムも試しに描いてみて欲しいです。
しかしながら,描いてみるとわかりますが,
本問はダイヤグラムの巧い図形処理で
設問で要求されている内容が美しく捌ける類の
問題というわけではありません。
むしろ,タイムテーブル付き情景図を描いて
整理していく方がシンプルでわかりやすく
問題を解き進めやすいのではないか,と
個人的には思いました。
そこで,リード文に与えられた情報と
へだたりグラフの図形的特徴から
把握できる状況を統合して
ストーリー構築した上で
タイムテーブル付き情景図を描いていきます。
【解答解説】
[Ⅰ] 往路のストーリー構築
(あ) リード文の情報
(ⅰ) 運航する舞台設定の情報
・A港から300km離れた沖にC島がある。
・A港からC島に向かう航路の途中にB島がある。
・A港→B島→C島の航路上を大型客船と
ジェット船が往復している。
・A港→B島→C島を往路と呼び
C島→B島→A港を復路と呼ぶ。
・各船はそれぞれ常に一定の出力で運航する。
・航路には常にC島からA港に向かって
一定の速さの潮の流れがあり,各船は影響を受ける。
(ⅱ) 往路運航中の情報
・大型客船は
ー22:00にA港を出発する。
ーB島で1時間28分停泊してからC島に向かう。
・ジェット船は
ー翌朝出発する。
ーB島に停まらずそのままC島に向かう。
ー大型客船よりも先にC島に到着する。
(い) へだたりグラフの情報
・22:00
グラフ開始
へだたりは増加し続ける
・〇:〇~6:00
距離180kmの地点で
へだたりがフラット
・6:00~6:40
へだたりが減少する
・6:40~10:40
へだたりの減少具合が緩やかになる
・10:40
へだたりがいったん無くなる
・10:40~ア
へだたりが再び増加する
・ア~▢:▢
へだたりが再び減少して
へだたりが無くなり
グラフが終了
(あ)と(い)を統合して
ストーリーを構築していきます。
---
・22:00
大型客船がA港を出発する。
・〇:〇
A港から180km離れたB島に
大型客船が到着する。
ここで1時間28分停泊する。
・6:00
ジェット船がA港を出発する。
・6:40
大型客船がB島を出発し
B島から120km離れたC島に向かう。
このことから
〇:〇
=6時40分ー1時28分
=5時12分
と確定する。
・10:40
ジェット船が大型客船に
追いつき追い抜く。
・ア
ジェット船がC島に到着する。
・▢:▢
大型客船がC島に到着する。
---
[Ⅱ] 往路をタイムテーブル付き情景図で可視化
[Ⅰ]で構築したストーリーに沿って
タイムテーブル付き情景図を描いていきます。
まず,大型客船からアプローチしていきます。
A港~B島の所要時間
B島~ジェット船に追い抜かれる地点の所要時間
それぞれがわかるので
B島からジェット船に追い抜かれる地点までの距離
ジェット船に追い抜かれる地点~C島の所要時間
それぞれ比例計算で確定しタイムテーブルが埋まります。
大型客船の情報をもとにして
ジェット船のタイムテーブルも埋まっていきます。
往路における速さの比は
大型客船ー潮流:ジェット船ー潮流=5:12
とわかります。

[Ⅲ] 往路にまつわる設問に答える
(1)
大型客船が往路を進む速さを
問われています。
48分で20km進むことから
60分で20×(5/4)=25km進みます。
よって時速25kmー(答)です。
(2)
ア=ジェット船がC島に到着する時間を
問われています。
上図から11時00分ー(答)です。
[Ⅳ] 復路のストーリー構築
後半のリード文中の情報を整理します。
・大型客船は
ーC島に到着して1時間停泊した後にC島を出発する。
ーB島で1時間28分停泊した後にA港に向かう。
・ジェット船は
ー大型客船が出発してからしばらく後にC島を出発する。
ーB島に停まらずそのままA港に向かう。
・大型客船がB島を出発するときにジェット船は大型客船に追いつく。
・B島~A港の所要時間の比はジェット船:大型客船=8:15である。
[Ⅴ] 復路をタイムテーブル付き情景図で可視化
[Ⅱ]と[Ⅳ]をもとに復路を
タイムテーブル付き情景図で可視化します。
復路についてはB島~A港の所要時間の比の情報から
速さの比は
大型客船+潮流:ジェット船+潮流=8:15です。
大型客船ー潮流:ジェット船ー潮流=5:12と
併せて考えると,比の差が一定になることに注目して
(足し引きした後に÷2しても整数値の目盛りになるように)
大型客船ー潮流=⑩km/時,ジェット船ー潮流=㉔km/時
大型客船+潮流=⑯km/時,ジェット船+潮流=㉚km/時
と目盛り設定すると((1)から⑩km/時=25km/時です)
大型客船=⑬km/時,ジェット船=㉗km/時,潮流=③km/時と
目盛り確定します。
これらを情景図に反映させて
時間の比が速さの逆比になることを利用して
復路における各船のタイムテーブルを埋めていきます。

[Ⅳ] 残りの設問に答える
(3)
潮流を問われています。
③km/時=25km/時×(3/10)=7.5km/時ー(答)です。
(4)
大型客船がA港に到着するのは21時26分ー(答)です。
