加算の事務を年間カレンダーにする|計画相談支援に処遇改善加算が設けられるとき
届出は出せそうだ、というところまでは話が進んでいました。止まったのはその先です。算定を始めたあと、毎月なにをやるのか。誰がやるのか。実績の報告はいつなのか。相談支援の事業所は職員が数人ということも珍しくなく、こういう事務が管理者一人の頭の中だけに残りやすいのだと思います。
令和8年度から、計画相談支援や障害児相談支援、地域相談支援にも職員の処遇改善のための加算が設けられると説明されています。これまで対象外だった事業所が、初めて申請することになります。率や要件、届出の期限と提出先は、こども家庭庁や厚生労働省の資料と、指定を行っている自治体の案内で確かめてください。私は障害福祉
の現場に立ってきたわけではなく、AIの実装を手伝う立場です。この記事では、届出のあとに続く一年の事務を一枚の表にする段取りを、五つに分けてお伝えします。どれも今日から試せます。

その1は、期日の欄を先に作ることです。中身より先に、日付の入る場所だけ用意します。並べるのは、届出の提出、算定を始める月、体制や賃金の内容が変わったときの届出、実績の報告、年度末の締め。この五つで足ります。日付が分からない欄は空のままでかまいません。空欄が残っていること自体が、自治体に確かめる用事がまだ残っている印になります。相談支援の指定は市町村が行っていることが多く、様式の配布のされ方も自治体ごとに違います。国の資料に載っている期限をそのまま書き写すのではなく、自分の市町村の案内を開いてから埋めてください。
その2は、毎月やることを書き出して、担当を一人の名前にすることです。加算の額を確かめる、賃金の支払いに反映されているかを見る、その月の記録をしまう。この程度の粒度で十分です。ここで担当を職種で書かないでください。事務担当、と書いた欄は、繁忙期にいちばん先に飛びます。誰かがやるはずの仕事は、たいてい誰もやらないまま月が変わります。
その3は、書き出したものを月ごとの表に整形させることです。ここが今回の中心になります。期日と作業と担当を箇条書きのまま貼り付けて、こう頼みます。次の予定を、四月から翌年三月までの月ごとの表に並べ直してください。書いていない予定を足さないでください。日付が空欄のものは空欄のまま残してください。並べ直す作業はAIが速く、抜けや重複もこの段階で見つかります。逆に、期日そのものをAIに埋めさせるのは避けてください。
その4は、記録の置き場所と名前の付け方を決めることです。届出の控え、賃金の改善に関する書類、職員に配った案内。これらが個人の端末や紙の束に散っていると、実績の報告の時期に探すところから始まることになります。年度、書類の種類、版の順でファイル名をそろえておくと、翌年に同じものを探す人が迷いません。置き場所を決めるのは、書類を作るより先でよいと思います。もうひとつ、直したファイルを上書きしないでください。届出のあとに内容を直す場面はたいてい出てきますし、どちらが提出したものか分からなくなると、その確認だけで半日が消えます。版を分けて残しておけば、直した理由も一行添えられます。
その5は、抜けに気づく仕掛けを一つだけ置くことです。月末に、その月の行を見て、済んだ印のない作業だけを抜き出す。表をそのまま貼って、未完了の行だけを一覧にしてください、と頼めば数秒で出ます。毎月やっていると、報告の時期になって一年分をさかのぼる、という事態が起こりにくくなります。仕掛けは一つで十分でしょう。二つ三つと増やすと、仕掛けの管理そのものが仕事になっていきます。
つまずきやすい点にもふれておきます。ひとつは、加算の率や要件をAIに答えさせないことです。この種の数字は改定のたびに変わり、古い情報が混ざったまま、自信のある口調で出てきます。もうひとつは、様式と提出の期限に地域差があることです。近くの事業所から聞いた話を、そのまま自分の地域に当てはめないでください。三つ目に、職員の氏名や給与額を貼らないこと。年間の事務を組み立てるだけなら、職種と勤務形態の区分だけで進みます。
ここからは、どの作業にも共通する三つのルールです。

ひとつ、個人が特定される情報は入れないことです。職員の氏名や給与額は貼らず、扱うのは職種と勤務形態の区分だけにします。
ふたつ、制度やガイドラインの決まりは公的資料で確認することです。AIの説明は下書きとして受け取り、根拠はこども家庭庁や厚生労働省、自治体の案内に戻って確かめます。
みっつ、AIの下書きを決定として扱わないことです。いつ何を出すかを決めるのは、事業所の体制を知っている管理者の仕事だと思います。
3つとも、初日から意識しなくても、紙に貼っておけば足ります。今週のうちに、期日の欄を作って空欄のまま貼り出すところまで済ませてみてください。埋まっていない欄は、そのまま自治体に尋ねる質問になるはずです。
表ができると、次は毎月の記録と請求のほうに作業が移っていきます。点検の項目を先に持っておくと進めやすくなるので、福祉現場で使えるAI活用とDXのチェックリストを、公式LINEで配っています。公式LINEを追加して「チェックリスト」と送るだけで受け取れます。
(障害福祉×AIの実装メモ・菅野)

