なぜ女性は地方から抜け出すのか【後編】「出ていく側」ではなく「出ていかせている側」の問
前編として、先日「女性が地方を出ていく」その構造的課題について整理しました。今回はさらに深堀りしていきたいと思います。
これは「都会への憧れ」でも「わがまま」でもない。構造を見れば、出ていくほうが合理的だと誰でもわかるのです。
先日のスレッドで反響が大きかったので、もう少し踏み込んで書く。テーマは「なぜ女性は地方から抜け出すのか」。数字で詳しく解剖する。
○ まともな給料も、キャリアの見通しも、自分らしさも 3つが揃って「離脱」になる
女性が地方を出る理由を「仕事がないから」とまとめる人がいますが、これは正確ではありません。求人はあります。問題は、女性が就きたい仕事、やりがいを感じられる仕事、生活を支えられる給料の仕事がない、ということです。
データが残酷な現実を示しています。
25〜34歳の女性の非正規雇用率は34.3%。男性の14.4%の倍以上です。地方の事務職の女性は、正社員であっても手取りが10万円台という自治体が珍しくありません。宿泊・飲食、医療・福祉の非正規女性の年収は250〜300万円程度で、同業界のフルタイム女性正社員の6〜7割にすぎません。男性正社員と比べると、5割超しか受け取れていない計算になります。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2024年)によれば、都道府県別の男女賃金格差を見ると、格差が大きい道府県ほど女性の管理職比率が低く、平均勤続年数の男女差も大きいという相関があります。「女性に安い給料しか払わない地域」と「女性が出ていく地域」はほぼ一致しているのです。
東京に出れば、正規雇用の選択肢は格段に広がります。IT・金融・メディア・コンサルティングと業種の幅が違う。初任給から手取り25〜30万円という求人は珍しくありません。地方の非正規と比べると年収ベースで100〜150万円の差が生じます。10年で見れば1,000万円以上の生涯収入差になる。移住支援金が100万円出ても、1年で消える計算です。
次に、キャリアの問題です。
地方の職場では、女性は庶務や窓口などの「補助的な職務」に配属される傾向が強い。男性は多様な部署をローテーションし、管理職候補として育成される。同じ入社年次でも、女性だけがずっと同じ場所にいる構造です。5年後、10年後の自分がどうなっているか見えない場所に、留まる理由はない。東京なら、少なくとも選択肢がある。その差が決定的です。
ここから先は
サポートいただければ、さらに地域での取り組みを加速させ、各地の情報をアップできるようになります! よろしくお願いいたします。
