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2025年都道府県別データが示す、40道府県から女性が消えている残酷な現実

2025年、40道府県から人口が流出しました。しかし男女別に見ると、まったく違う景色が見えてきます(総務省・住民基本台帳人口移動報告、ニッセイ基礎研究所)。

40道府県の社会減の合計は▲144,690人。内訳は男性▲61,962人に対し、女性▲82,728人。女性の方が約2万人多く流出しています。


女性の転出超過ワースト10

広島県 ▲5,089
北海道 ▲4,085
新潟県 ▲3,896
福島県 ▲3,854
静岡県 ▲3,633
鹿児島県 ▲3,451
愛媛県 ▲3,230
三重県 ▲3,258
長崎県 ▲3,170
岡山県 ▲3,023

それ以下も含めた全体状況は以下の表でまとめています。

40道府県のうち34で、女性の流出が男性を上回っています。男性の方が多いのは茨城・京都・愛知・兵庫・宮城・奈良の6府県のみ。地方から「人」が抜けているのではありません。「女性」が選択的に抜けている。

衝撃的なのは、男女の流出比率

沖縄県は男性が+66人で転入超過、つまり増えています。しかし女性は▲625人。女性だけが減っている。

北海道は女性の流出が男性の3.79倍。佐賀県は2.49倍、大分県は2.35倍、鹿児島県は2.22倍、熊本県は2.08倍。九州・北海道を中心に、女性が男性の2倍から4倍のペースで出ていっています。

なぜ女性だけが加速的に出ていくのか。

地方の雇用は建設・製造・農業に偏っています。女性が就きたい事務職・専門職・サービス業の選択肢が構造的に少ない。賃金が低く、昇進機会も限られる。合理的に考えれば、出ていく以外の選択肢がない。

沖縄が象徴的です。観光・建設で男性の雇用は維持されている。しかし女性が望む仕事がない。だから男性は来るのに女性だけが出ていく。これは沖縄固有の問題ではなく、地方の産業構造が男性向けに偏っていることの最も極端な表れです。

女性が抜けた地域で何が起きるか。出生率が下がります。学校が統合されます。子育て世帯が来なくなります。商業が成り立たなくなります。一つの流出が連鎖的に地域を縮小させていく。

的はずれすぎる対策を変えよ!

各地で「女性に残ってもらおう」という政策が打たれています。移住補助金、婚活イベント、「女性が輝く地方」。しかしこのデータを見てください。34道府県で女性の流出が男性を上回っている。年々拡大している。これらの政策は構造にまったく届いていません。

必要なのは「女性に残ってもらう」ことではなく「女性が選ぶ仕事を地方に作る」こと。事務職・専門職・サービス業の雇用を、地方の産業構造の中に組み込むことです。

第一に、地方自治体自身の採用と人事を変えることです。地方最大の雇用主は自治体です。その自治体が旧来型の人事制度を続けている限り、地域の雇用文化は変わりません。

女性管理職比率が1割を切る自治体がいまだに珍しくない。転勤前提の人事、紙ベースの業務、リモートワーク未導入。民間より遅れた働き方をしている自治体が「女性が輝く地方を」と掲げても説得力がない。まず自治体自身が、女性が管理職に就ける人事制度、柔軟な勤務形態、専門職採用の拡大を実行すべきです。自治体が変われば、地域の中小企業にも波及します。逆に言えば、自治体が変わらなければ地域は変わりません。

地元から公務員ばかり優遇されるとか批判されても無視してやらなくてはなりません。民間から変わって最後に役所が変わるなんてことをやっていたら、役所も採用で詰むことになります。

第二に、建設・製造・農業以外の産業を地方に作ることです。IT・デジタル系企業の誘致や育成、リモートワーク可能な業務の受け皿づくり、医療・福祉・教育の専門職の待遇改善。女性が就きたい仕事がないなら、作るしかない。「うちの地域には製造業しかない」は構造を変えない言い訳です。

第三に、地方の男女賃金格差の是正です。地方の中小企業では同じ職種でも女性の賃金が男性の7割程度というケースが珍しくありません。東京に出れば同じ仕事でより高い賃金が得られる。この格差がある限り、女性が地方に留まる経済的合理性がない。賃金格差の開示義務化が今年4月から従業員101人以上に拡大されましたが、地方の中小企業の大半は対象外です。

婚活イベントや移住補助金に予算を注ぐ前に、自治体の人事改革、産業構造の転換、賃金格差の是正。この三つに手を付けないと、女性流出は止まりません。産業構造の転換なき定住促進は、全額空振りです。

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