詩 「空に近く掻きむしれ」
なだらかな思い
胸が、心臓が視界の開けた
末広がりで少し焦れた
裾の向こうは地平か
ここは何の麓なのか
泣くのは止めなさい
生きるのも止しなさい
塵埃の浮かぶ風
私の真白な手首に父の腕時計が
すり抜ける
震えてはくだり行くため息を
胸になだらかに感じて
密かに見ていた誰かの剥き出した痛み
震えては私を動かす鼓動を
なだらかな胸にしょい込んで
密かに見ていた誰かの散らかした悲しみ
焦れったくなる
私のくせに
荒野は登るものだ
なだらかに流した涙は
捨てていけ
そこに心は映らない
