見出し画像

■070:妻に「素麺でいいよ、素麺で」と言う夫は今すぐ爆死しよう!

素麺の薬味はネギよりミョウガ派のKUMAです、こんにちは。あとは生姜、エビかき揚げ、日本酒。
ああ神様、揖保乃糸をもっと安くしてください。


さて今回は、タイトルでもうおわかりですね?
『素麺のおもいで』ほんわかエッセイです。
いつもの『捨てる』『断捨離』は一切関係ないので
興味のない方はここで終えてね。良い日曜日を!


あれは私が20代の頃、地元の友人に赤ちゃんが生まれたので遊びに行った時の話です。
「赤ちゃんを見に行く」というより
壮絶な妊娠・出産を終え、赤ん坊の夜泣きで苦しむ彼女を激励するための訪問。
お祝いを携えてニコニコやってきた私とは裏腹に
彼女の顔は灰色になっていました。
ホントに灰色。なんか、砂利みたいな色だった。


目の下にはクマ。家中ぐっちゃぐちゃ。
床には洗濯物が散乱。食卓の上にはオムツとミルクと温度計と大量の郵便物とあと.…とにかくカオス。

なによりショックだったのが
『オシャレだいすき!』だった彼女の着ていた服が
毛玉だらけで穴の空いたスウェットだった。
妊娠を機に失業(非正規雇用だったから産休や育休がない)。
『自由なお金』がなくなったので自分の服はリユース服。最近服なんて買っていないとのこと。

しかし、彼女にあやされている赤子はピカピカのブランド服に包まれている。
部屋中に、未開封のベビー服が散乱していました。
私の視線に気付き『お義母さんが送ってくるの..…』と力なく笑う友人。

「いや、赤ちゃんよりママに買うか金渡せよ怒」
という言葉を飲み込み、テーブルを片付ける私。
よそのご家庭に、口出すもんじゃないよな。

テーブルに散乱する郵便物は、全部夫宛でした。
「要らないのは捨ててって言ったんだけどね..…」
と静かに言う彼女は、赤ちゃんしか見ていない。



台所も、きちんとぐちゃぐちゃ。
とりあえず明らかなゴミを捨て洗い物をしていると、夫が帰ってきました。
..…え?まだ昼だよ?
職場が近く、毎日昼休みに帰宅するそうです。


「そっか。育児で大変な妻のためにお昼買ってきてくれるのか。やさしいじゃん」
と思った私はニコニコ笑顔でお出迎え。


「お、KUMAちゃん!おひさ〜♪」と言う夫は

手ぶら。..…あれ??

結婚前から彼とも顔見知りの私。

「K君、ごはんは?(どこにあるの?)」

「..…? や、まだだよ。これから」

「あ、これから作ってくれるの?」

「..…え?!」


こいつ、まさか、

毎日お昼に帰ってきて、妻に作らせている..…??


いやいや、ランチ代節約のため2人で相談して決めたことかもしれない。私が口出すことじゃ..…


夫は助けを求めるように妻を見る。
妻は泣き止まない赤子をずっとあやしている。
自分を見ていない妻に、夫は言う。

「あ、なんか大変そうだね💦
 今日はもう素麺でいいよ、素麺で」


ココデ、アタシ、キレタ。


.….素麺でいいよ、だと?



素麺というのは、決して「【で】いいよ」なんて言っていい料理ではない。
麺の茹で時間が短すぎて、1分半〜2分間鍋につきっきりになる。
もちろん麺がくっつかないように途中で混ぜる。
茹で上がったらすぐザルに上げて氷水にさらす。
カレーと違って「コトコト煮てる間に他の家事済ませちゃお」ができない。




ということは
【麺にかかりっきりタイム】に突入する前に
お湯を沸かしてる間に
薬味を切り終え、氷水、めんつゆ、器一式を用意しておかなければならない。

つまり


赤子につきっきりの母親に

気安く頼んでいいメニューじゃねえんだよ。




仮に赤子がいなくとも
子なし夫婦(もしくは未婚カップル)であっても
素麺というのは、そもそも紳士のメニューです。

まず素麺をザルに上げる時の湯気。
水道水の下でザルにあげた麺を素手で手早くチャカチャカ混ぜながら冷やすあの作業。
熱い。ヤケドする。
女子どもに追わせる役じゃない。

そして地獄の生姜スリスリ。
指をケガする可能性大。
『男の指は何本ふっとぼうが問題ない』というのはもはや国際的常識だが
女の子の指は切傷ひとつダメだ。
化粧水でお肌パッティングする時しみるんだよ!




というわけで夫にニコニコすりよるKUMA。

「素麺、いいね〜!
 ありがとう♡じゃあお願いしちゃうねっ♡♡」

え..…と立ち尽くす夫。

「お鍋、そこ開けたとこにあったよ♡
 麺はね〜〜はいっ。ひとり100gねっ♡」


スーツ姿のまま素麺を茹でる彼に
「やっぱさー、スーツ男子っていいよね〜♡」
とエールを送り、ガン見で監視しながら
洗い物、掃除機、洗濯物たたみを終えたところで
スーツ男子素麺完成。


茹ですぎてブヨブヨになった生ぬるい麺を
「あ〜、おいひぃ〜♡
 料理できる男っていいよねー♡♡」
とズルズルすすりながら、テーブル上の郵便物を彼の前にグイグイ追いやりました。

「会社戻る前に、それ、お願いねっ♡♡」



そんな、ほんわかする夏のおもいで。


しかし昨年この友人と会った時に言われたのが
「あの時のKUMAちゃんすっっごい怖かったって、
 K君今でも言ってるよ笑」。


え?あたしニコニコしてたと思うけどな。


「うん。でも、目が笑ってなかって。ガンギマリの目で睨まれながら郵便物ガッサー!!って押しやられて、恐怖だったって」

あれから約20年間毎年お素麺を食べている彼女は
自分では一度も作っていないそうです。良かった。


お素麺に限らず、『〇〇でいいよ』と言われイラッとすることは貴女にもあるかもしれません。
今日みたいな暑い日には、なおのこと。

だからって

『今すぐ離婚よ!ふんっ!』

なんて、現実的ではないですよね。




なので今すぐ爆殺しましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


君の
『素麺のおもいでほんわかエッセイ』
も待ってるにゃん!ペロっ♡