音楽夜話#31|パリの某(なにがし)の下〜7月14日はパリ祭〜
今、パリは暑い🌞
ヨーロッパは記録的な猛暑に見舞われ、6月の時点で40℃を超えた地域もあるそうです。
パリの街並みを象徴する石造りの建物。その上に並ぶライトグレーの亜鉛屋根は、パリらしい景観をつくる大切な存在です。屋根葺きと装飾職人の技術は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。パリの建物の屋根の約6~8割が亜鉛葺きともいわれています。
地球温暖化の影響で、亜鉛の屋根は真夏には表面温度が80℃近くになることもあります。一方で、歴史的景観を守るため、室外機の設置には一定の規制があり、エアコンを自由に取り付けられない建物も少なくありません。
命にかかわるような暑さになりつつある今、美しい景観を守ることと、快適な暮らしをどう両立させるのか。これからますます知恵が求められていくのでしょう。
♪巴里の空の下 セーヌは流れる…
そんな歌い出しが聞こえてきそうです。
さて、今夜は「パリのなにがし(某)の下」と題して、三つの曲をご紹介します。
パリの空の下
パリの橋の下
パリの屋根の下
どれも「〜の下(Sous)」という言葉でつながっているのが、なんだか面白いところです。
同じ「下」でも、空の下は広くてのびやか。橋の下は少しひんやりとしてロマンチック。そして屋根の下は、人の暮らしのぬくもりが感じられます。
こうして並べてみると――
パリの人たち、だいたい何かの下にいますね(笑)。
でも不思議と、それぞれに流れる空気はまったく違います。
同じ「Sous」なのに、こんなにも表情が変わるなんて面白いものです。
🎵パリの空の下/Sous le ciel de Paris
私は子どもの頃、父のステレオの前に座ってレコードを聴くのが大好きでした。
下の棚には、たくさんのレコード。そして「世界の写真集」には、それぞれの国の音楽が5~6曲入った小さなドーナツ盤(フフフ…若い人にはわかるまい・注:食べられません)が付いていました。
子ども向けの童謡集にはすぐ飽きてしまい、いつの間にか世界中の音楽を聴くようになっていました。

その中でも、フランス、ドイツ、ロシアのレコードは特にお気に入り。
この「Sous le ciel de Paris」も、その頃に出会った一曲です。
子どもの私は、意味もわからないまま耳で覚えて、「するっしゃるどー、ぱり、さばりゅね、しゃんそーん、ん-ん-」と歌っていました(笑)。
私にとって、パリといえば真っ先に思い浮かぶ曲です。
まずは、一番有名なエディット・ピアフ版をどうぞ。
アコーディオンの演奏はパリの雰囲気↓
🎵パリの橋の下Sous les ponts de Paris
パリの街は、セーヌ川なしでは語れません。
市内には30以上もの橋が架かり、自動車用、歩行者用、鉄道用など、それぞれが街を支えています。
現存する最古の橋「ポン・ヌフ」、優雅な姿で知られる「アレクサンドル3世橋」など、橋そのものが歴史や文化を語る存在です。
橋を題材にした歌が生まれたのも、うなずけます。
アコーディオンがいかにも、パリですね~
ジャズアレンジがかっこよかったので↓
🎵パリの屋根の下/Sous les toits de paris
こちらは、後に数々の名作を世に送り出したルネ・クレール監のデビュー作『巴里の屋根の下』の主題歌です。
1930年頃のパリの下町を舞台に、庶民の暮らしと若い男女の恋を描いた作品です。
一度は別れた二人が再び結ばれ、パリの屋根の下で幸せに暮らしていく――そんな温かなラブストーリーです。
映画のシーンとともに流れる、主演アルベール・プレジャンの歌声をどうぞ。
このゆるやかな空気感が、なんともパリらしくて素敵ですね。
今日は、「パリの『〜の下』」を巡る三つの歌をご紹介しました。
同じ「Sous」でも、空、橋、屋根と、場所が変わるだけで見える景色や空気まで変わってくるのが面白いものです。
今日もお越しくださり、ありがとうございます。
Merci beaucoup ❤
追記
偶然ですが、この記事を投稿した翌日の今日はパリ祭(7月14日)。思いがけず、パリにご縁をいただいたような気持ちになりました。
