「正解」を探すのをやめた日。保育士の私が、目の前のこどもと出会い直すまで。
保育士になる前の私は、
保育の本をたくさん読んでいました。
大学でもこどもの心理を学び、
こどもが大好きで、
「良い保育士になりたい」
そんな気持ちをもっていました。
だから正直、
保育士になれば自然とうまくやれると思っていたんです。
でも現実は違いました。
こどもたちは本に書いてある通りには動きません。
同じ言葉をかけても、
ある子には届くのに、
ある子には届かない。
泣き続ける子。
怒る子。
なかなか行動できない子。
そのたびに私は、
「どう関わるのが正解なんだろう」
と悩んでいました。

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今振り返ると、
私は目の前のこどもを見ているようで、
本の中の正解を見ていたのだと思います。
この場合はこう声をかける。
こんな時はこう対応する。
そんな知識を集めることに一生懸命で、
目の前のその子が今どんな気持ちなのか、
何に困っているのか、
本当の意味では見られていなかったのかもしれません。
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そんな私が変わるきっかけになったのが、
こどもの脳の仕組みや心の動きを学ぶ研修との出会いでした。
そこで教わったことの中で、
今でも忘れられない話があります。
それは、
考えたり、
感情をコントロールしたり、
衝動を抑えたりする脳の部分は、
長い時間をかけて育っていくということ。
私はその話を聞いた時、
衝撃を受けました。
そして同時に、
「そりゃあ、できなくて当たり前だよな」
と思ったのです。
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順番を待てない。
感情的になる。
何度言われても忘れる。
つい、
「なんでできないの?」
と思ってしまうような姿も、
見方を変えれば、
脳が未熟だからこそ起きている自然な姿なのかもしれない。
そう思えるようになりました。

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もう一つ、
強く心に残った学びがあります。
それは、
こどもは大人が思う以上に、
言葉をそのまま受けとるということでした。
まだ心も脳も発達の途中だからこそ、
行動を注意されたつもりが、
「自分そのものを否定された」
と感じてしまうこともある。
だから声かけは、
ただ言葉を選ぶことではなく、
こどもの心に関わる大切なものなのだと知りました。
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その頃から私は、
「どうすればこどもを思い通りに動かせるか」
ではなく、
「この子は今、何を感じているんだろう」
と考えるようになりました。
すると不思議なことに、
こどもの見え方が変わり始めたのです。
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今までは、
「なんで何回言ってもやらないの?」
と思っていた場面で、
「まだできない理由があるんだな」
と思えるようになりました。
今までは、
「困らせているのかな」
と思っていた行動も、
「助けてほしいサインなのかもしれない」
と考えられるようになりました。
すると私自身の関わり方も少しずつ変わり、
保育が以前よりずっと楽になりました。
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もちろん、
学んだから悩まなくなったわけではありません。
迷うことはあります。
でも、
「どうするのが正解か」
ではなく、
「この子は今どう感じているんだろう」
と考える軸ができました。
それは私にとって、
保育を続けていく大きな支えになりました。
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そして今、
子育てをしているお母さん、お父さんたちを見ていて思うことがあります。
みなさん、本当にたくさん勉強しているんです。
本を読んだり、
SNSで情報を集めたり、
こどものために一生懸命になったり。
でも、
情報が多い時代だからこそ、
知らないうちに「正解探し」が苦しくなってしまうこともあります。

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本当は、
こどもを大切に思っている。
幸せになってほしいと思っている。
だからこそ悩むし、
だからこそうまくいかない日は苦しくなる。
でも私は、
そんな方に伝えたいことがあります。
子育てがうまくいかないのは、
愛情が足りないからではありません。
もしかしたら、
こどもの脳や心の仕組みを知ることで、
今までとは違う景色が見えてくるかもしれません。

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今つくっている動画講座では、
「どう関わるのが正解なんだろう」
と悩んでいた頃の私が知りたかったことをお伝えしています。
こどもの行動を変える方法ではなく、
その行動の裏側にある気持ちや理由を知ること。
正解を増やすためではなく、
こどもの見え方が少し変わるための学びです。
あの日の私のように、
一生懸命だからこそ迷っている方に届けられたらと思っています。
