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【由宇子の天秤】冬の文化部(2024)


【由宇子の天秤】

2021年9月17日

監督: 春本雄二郎

 


人は日々あらゆることを天秤にかけている


犬の散歩を先にいくかVS夕飯を先に作るか

というくだらないことから始まって


仕事をするかVS映画を観るか

という永遠のテーマまで



由宇子さんはドキュメンタリーディレクター

自殺した女子高生の事件を強い正義感を持って追っている

そんな中、ある日突然加害者家族になってしまう


自分のキャリアと正義感を天秤にかけることになるのだけど

強い正義感を持っていただけにその決断は大変重く苦しい



彼女はキャリアを守るために自己保身に走る


気持ちはわかる

決して責められない

でも、ずるい大人になってしまう


私ならどうしただろうか

仕事を辞めるかもしれない


父親を許せない

でも今までのキャリアも汚したくない

それならば、ドキュメンタリーディレクターとしての自分は消えるしかない

そうすれば未来はないが少なくとも過去は残る

つまりドロン

私も十分ずるい大人だ


ただ、由宇子さんは立ち止まり振り返る

そして、再びカメラを廻すラストシーン


静かな作品の中で由宇子さんを演じる瀧内公美がとても良い


国宝のカメラマン役もインパクトが強かったが

芯の強いまっすぐな女性は彼女にぴったり


苦しみながらも愚直に真実に向き合う姿は魅力的



ポスターに『正しさとは何なのか』と書かれている


取材していた女子高生の事件も、思い描いていた真実とは違っていた

父の加害も違う見方をする者が現れた

真実はわからない


果たして正しさとは真実を求めることなのか



少女が由宇子を信じて頼りにしたのは真実であり

由宇子が逃げなかったことも真実


そして、私が今日も映画と仕事を天秤にかけて

映画を選択していることも

また真実である


それが正しい選択なのかはわからない

それでも確かに天秤は映画の方に傾いている


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