防災リュックを完璧にした人ほど、在宅避難で青ざめる理由
玄関に、非常持ち出しリュックがある。
水、モバイルバッテリー、ホイッスル、簡易トイレ、子どものおやつ。リストを見ながら、ひとつずつ詰めた。詰め終わったとき、正直ちょっとホッとした。これで、いざとなったら家族を連れて避難所へ走れる、と。
でも、その「避難所へ走る」という前提そのものが、もう古くなっているとしたら——。
いま、行政が家庭にすすめているのは「避難所へ行くこと」ではなく、「安全なら家に残ること」のほうです。マンションのように倒壊リスクの低い建物なら、なおさら。内閣府も2024年に、在宅避難や車中泊避難まで含めた支援の手引きを出しています。避難所は、もう「全員が行く場所」ではなくなりつつある。
つまり、多くの家庭にとって現実的なのは、リュックを背負って走ることではなく、電気も水も止まったマンションの部屋で、数日間を家族とやり過ごすことなんです。
そして、この「在宅避難」を前提に持ち物を見直したとき、いちばん抜け落ちやすいものがあります。
在宅避難で最初に切れて困るのは、水でも電気でもない

水と電気が止まる。ここまでは、たいていの人が想像します。だから水は備える。電池も備える。
見落とすのは、その次です。
断水すると、手が洗えなくなる。
蛇口をひねっても水が出ない。トイレのあと、料理の前、子どもの食事の前、鼻をかんだあと——ふだん無意識にやっている手洗いが、全部止まる。備えた水は飲み水と調理に回すから、手を洗うためにジャブジャブ使うわけにはいきません。
ここが盲点です。避難所なら、不便でも共用の水場がある。でも在宅避難は、部屋の中で完結させないといけない。誰も水を運んできてはくれません。
厚生労働省も、災害時に断水で手が洗えない状況では、ノロウイルスによる胃腸炎などがまん延しやすいと注意を促しています。人が密集する避難所の話だと思われがちですが、乳幼児のいる家庭では、在宅避難でも同じことが起きます。小さい子どもは、床のものを触った手をそのまま口に持っていく。夏場なら、気温と湿度が上がって菌が増えやすい季節と重なります。日本気象協会は2026年を猛暑・多雨・台風の年と予測していて、衛生の負荷は例年以上です。
地震そのものより、そのあとの「手を清潔にできない数日間」で体調を崩す。これが、リュックだけ完璧にした家庭が青ざめる場面の正体です。
「除菌スプレーは入れてある」——でも、そのスプレー、家族の手に使えますか

ここで、こう思った方もいるはずです。「うちは除菌スプレーを備蓄に入れてあるから大丈夫」と。
問題は、その中身です。
アルコール除菌スプレーは、子どもの手指には使いにくい。手荒れや乾燥が起きやすく、乳幼児には向かない製品が多い。揮発が早いので、備蓄していても数年でスカスカになっていることもあります。
アルカリ電解水は、手指の消毒がそもそも用途ではありません。革やアルミ、無垢の木材には使えず、「変色した」「シミになった」という後悔の声も多い。
次亜塩素酸水は、光や時間で分解して効果が落ちるため、備蓄しておいたら「いざ使うときには変質していた」ということが起こります。塩素臭が残るのも、狭い部屋での連日使用にはつらい。
——つまり、「除菌スプレーを入れてある」だけでは、在宅避難のいちばん要る場面で使えないことがある。数を揃えることと、家族の手に安心して使えることは、別の話なんです。
私が扱っている還元イオン水HELPは、この「手にも使える衛生の1本」として設計されています。水99%とわずかなミネラル塩でできていて、アルコールも塩素も入っていない。無臭で、狭い部屋で連日使っても匂いがこもらない。日本食品分析センターで肌への刺激がないことも確認されていて、子どもの手やおもちゃ、食器、まな板まで、これ1本でまかなえます。もともとはカメラのレンズ製造工場で使われている水で、金属や素材を傷めないのが特徴です。
サウンド・テックの代表として、そして子を持つ父親として、私が自宅の備蓄棚に置いているのも、結局この考え方でした。何本も用途別に揃えるより、家族の口や手に触れても平気な1本を切らさないほうが、いざというとき迷わない。
「使いながら備える」だと、いざというとき空っぽにならない

もうひとつ、在宅避難の備蓄でつまずくのが「期限切れ」です。
防災リュックを一度詰めると、多くの人はそのまま何年も開けません。そして、いざ点検したら、除菌系だけ全部使えなくなっていた——揮発した、変質した、期限が切れていた。これは本当によくある話です。
これを防ぐいちばん確実な方法が、ローリングストックです。特別な「防災用」としてしまい込むのではなく、ふだんの暮らしで使いながら、減った分を買い足していく。そうすれば、備蓄が古びて空っぽになる瞬間がなくなります。
HELPが向いているのは、まさにここです。防災専用ではなく、日常の除菌・洗浄水として毎日使えるから、キッチンで、子どものおもちゃで、手指で、ふつうに減っていく。その分を補充するだけで、備蓄が自然と新しく保たれる。保存は最長2年、開封後も1年使えます。
「もしものために」と気負って買った特別なものは、たいてい使わないまま古くなる。でも、毎日の暮らしに溶け込んでいるものは、いざというときにもちゃんとそこにある。備えって、本当はそういうものだと思うんです。
在宅避難という選択肢が当たり前になったいま、防災リュックの中身を見直すのと同じくらい、「電気も水も止まった部屋で、家族の手をどう清潔に保つか」を一度考えてみてください。
防災版HELPの詳しい設計は、こちらにまとめています。
👉 詳しくはこちら: https://helpbousai.manus.space
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参考
内閣府(防災担当)「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」令和6年6月 https://www.bousai.go.jp/taisaku/shien/pdf/tebiki.pdf
厚生労働省「災害時における避難所での感染症対策」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00346.html
日本気象協会 2026年 猛暑・多雨・台風予測 https://weather-jwa.jp/news/topics/post9878
