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正直になればなるほど好かれた

私には、「あなたの前では正直になります」という契りを交わしたフランス人の友達がいる。

彼は、心の底からお互いを理解し深く繋がることができる日本人を作ることを強く望んでいるらしく、あるときそれを真剣な表情で私に言ってきた。

ノリが軽い私はとりあえずなんでもまずはやってみようという精神で、「じゃあ私がその日本人になるよ!」と深く考えずその場で言った。これで契りを交わしてしまったのである(と、少なくとも私の中ではそう思っている)。

ところがこの契りは、自分にとって大変プラスなものだったことに、徐々に気づくようになった。


今まで私は、誰かに対して心から正直に自分の思いを話した経験があまりなかった。

しかし彼と関わる際は、正直にならないといけないため、いつものようにオブラートに物を言おうとしたら心の中でストレートに言い換える必要があったり、あえてポジティブな言葉を使いそうになったら最初に感じたままになるべく伝えてみたりと自分を律する必要があった。

彼は、日本人が本音を言っているのか建前を言っているのかを、いつも気にしている。そういう様子が伝わってくるから、彼と接するときは私も建前を言わないように気をつけるようになった。

何度か一緒に遊ぶうちに、だんだん正直でいることに慣れてきた。彼に対してだけでなく、他の周りの人に対しても今までより正直に物を言うようになった。

これが、ものすごく自分にとって良かったのである。

なぜなら、自分が建前を言わなくなったことと、自分の本当の気持ちを大事にして考えるようになり、それを相手に伝えられるようになったことで、自分のことをもっと大切にできた気がしたからだ。

そして他人が何かを言ったことに対しそのままの言葉通りで受け取るようにもなったので、余計なことを考えなくなり「これって実はこういう意味なのかな」的なことを考えなくなった。これはとても楽だ。

そして、最近は彼に対して正直でいることが板についてきて、自然に自分の考えを言える。そうしたら、彼から「正直でいてくれるところが大好き」と言われた。どうやら無事に約束を守れているみたいだ。

私はこれからも彼に対して、自分に対しても正直であり続けたいと思う。「人に対して正直になる」ことは私にとっては日本語を使う身としてやや難しいことがあるが、このままその調子で続けていきたいと思う。なぜなら正直でいれば自分の心が楽に感じられるし、相手に自分のことを知ってもらえるし、フランス人のように伸び伸びと意見を言い議論ができるからだ。

私はあのとき彼と契りを交わして良かった。そしてこのときの自分の軽々しさをありがたく思う。「正直でいることは楽で人に魅力的に思ってもらえさえする」という新しい発見をさせてくれたから。