箱根・伊豆を感じる文学20選
こちらの記事を色々調べて書いた流れで、実際にこれらの海辺にちなんだ作品をいろいろと読んでみたくなりました。
色々と調べて,自分の読書予定リストを作ってみました。
箱根=変容、境界、越境,変容,密室,温泉,崩れる心理
伊豆=出会いと別れ、流れ、一瞬の関係、開けた光、移動、海と山の移行地帯、温泉、移動、 “途中”の心理
という視点で読むと、箱根・伊豆文学はかなり深く見えてきそうな気がします。
「旅そのものが心理変化の装置」になっています。鎌倉は“留まる文学”、箱根・伊豆は“移動する文学”とも言えるでしょう。
しかも、峠、東海道、温泉、湯治、山越え、海岸線、トンネル、列車、宿が全部、感情変化に接続されています。
「目的地」より、「途中」が重要なのです。
そしてこれらの流れは平成令和作品でも、新海誠作品、ロードムービー、青春移動系アニメなどにかなり強く継承されていると言えるでしょう。
箱根・伊豆を感じる近代〜現代文学20選
① 「伊豆の踊子」 川端康成
伊豆文学の原点。“移動しながら心が変わる”日本文学の完成形。天城越え、温泉、旅芸人、別れ。
② 「温泉宿」 川端康成
箱根・伊豆系の“宿の空気”文学。静かな緊張感。
③ 「雪國」川端康成
舞台は新潟ですが、“旅と閉じた温泉地”
という意味で箱根文学的とも言えます。トンネル=境界。
④ 「山の音」 川端康成
箱根・鎌倉・湘南文化圏全体を理解する鍵。
⑤ 「天城越え」 松本清張
伊豆の“湿度”。山道、峠、逃避、欲望。伊豆の暗部。
⑥ 「D坂の殺人事件」 江戸川乱歩
直接箱根ではないですが、“温泉・旅館・閉鎖空間”は伊豆箱根文学へつながる。
⑦ 「刺青」 谷崎潤一郎
箱根温泉文化の、濃密な身体感覚と相性が良い。
⑧ 「細雪」 谷崎潤一郎
温泉旅館文化、移動、季節感。箱根的。
⑨ 「箱根の坂」 司馬遼太郎
箱根そのもの。“境界としての箱根”を歴史地理から理解できる。
⑩ 「熱海殺人事件」 つかこうへい
熱海=昭和の情念空間。観光地なのに、
どこか壊れている。
⑪ 「金色夜叉」 尾崎紅葉
熱海文学の古典。海辺感情文学の原型。
⑫ 「斜陽」 太宰治
伊豆滞在経験と深く関係。戦後の“崩壊する階級”。伊豆の静かな終末感。
⑬ 「富嶽百景」 太宰治
旅、宿、移動。伊豆・箱根感覚に近い。
⑭ 「暗夜行路」 志賀直哉
旅と自己観察。箱根系文学として読める。
⑮ 「城の崎にて」 志賀直哉
温泉文学の名作。“静かな変容”。
⑯ 「伊豆急行殺人ルート」 西村京太郎
伊豆鉄道文学。移動=物語。
⑰ 「天城峠殺人事件」 内田康夫
伊豆の峠文化。“越える”感覚。
⑱ 「旅情」 原田康子
旅と感情。伊豆的な、“一時的接続”の文学。
⑲ 「海街diary」 吉田秋生
鎌倉中心ですが、伊豆・湘南・海辺生活圏全体の感情に近い。“海辺で生き続ける”物語。
⑳ 「君の名は。」 新海誠
直接箱根伊豆ではないですが、移動、境界、トンネル、風景と感情同期という意味で、現代版“旅情文学”。かなり箱根伊豆的といえます。
了
