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【歌詞】 八月二十九日








八月でこの店はもう終わる
剥がした値札がまだ貼りついてる
冷房は今日も効きすぎ でも
お客はまだ汗をかいてる

きみが持ってきた小さなカメラ
「久しぶり」 そのあとが続かない
名前を書いて ペンを置いて
三日後にまた来ると言った

前よりも短くなった髪を
似合うねとも言えなかった

写真の中には 知らない顔のぼく
店の裏で段ボールを潰してた
きみの夏に写ってたんだ
その意味を最後まで知らない

海ではしゃいでた知らないきみ
飲み干したソーダとパラソル
卒業したら東京へ行く って
「そうなんだ」と きみはただ微笑んだ

渡したあの袋の厚みより
言えないことが重かった

写真の中には 知らないぼくの顔
店の前で きみの背中 見送った
きみの夏に写ってたんだ
その意味を最後まで知らない

最後の日 引き出しの奥に
同じ写真 滲んで見えた
八月二十九日 青いインクだけ
店の明かりを ひとつ消した

写真の中には 知らないぼくの顔
青い文字を指先でそっとなぞる
きみの夏に写ってたんだ
その意味を最後まで知らない

写真の中には あの日のぼくがいる
きみを待つはずもない日の影がある
それでもきみは影を残した
その日初めて夏に写った

剥がした値札が指に貼りつく
捨てようとしても まだ貼りついてる




マガジンに掲載していただきました✨







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