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浦賀和宏と云う作家

浦賀和宏がことしの2月に亡くなった。脳出血との事だった。享年41歳。それを知ったのが先日だった。新刊の帯に最後の小説、と書いてあったのでこれからはエッセイでも書くのかなまたいつもの事かと手に取り著者情報の欄を見ると享年が書いてある。つまり今回はここに書いてあることがヒントなのかなとぼんやり内容を想像する。そういう作家なのだ浦賀和宏は。解説欄を読むと詳細が書いてある。まさかとおもい、ネットで浦賀和宏を調べると、2月のニュースに書いてある。愕然とした。悲しいとか辛いとかそんなものじゃない。ただただ愕然とした。確かにツイッターは2月を境に更新が途絶えていた。今なお心に悲しみは届いていない。ぽっかりと穴が空いているだけだ。

記憶の果てを読んだのは、帯に京極夏彦の推薦があったからだ。もう20年前になる。著者を見て驚いた。私と同い年だ。同い年の人間が、京極夏彦の推薦文を貰っているのだから読まずにはいられない。それ以降、浦賀和宏のファンになってしまった。一時期新刊が出ない時期があったが、文庫が出るようになってから拍車がかかったようにさらに面白くなっていた。彼女は存在しないが再評価されて(しかも時間が経ってたから)以来、比較的入手がしやすくなったが新刊を買い逃すと中々手に入れにくい作家だったように思う。今程情報も集めやすいわけではなかったというのもある。そんなのありかよと云うような内容が多いので誰かに勧めることは無かった(そもそも人に本を勧めないが)ので、周りに浦賀和宏を読んでいる人なんて皆無だった。無人島で1人、本を読んでいるそんな気分だったように思う。貴重な作家だった。過去形で表すには早すぎる。

天才は早死にするみたいな陳腐な事はどうでもいい。ただ、もう浦賀和宏の新刊が、この先の人生において出てこない。そんな現実だけが目の前にぽっかりと穴を開けている。それをぼんやり眺めるだけしか、今は出来ない。

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